■プロローグ■
――ユグドラシル、第4層、ローガラン地方
天駆ける八本足の馬スレイプニルが今日も樹冠都市の間を疾駆する。
「あれは
スレイプニル!? ミランダさんだ!
神多品生徒会団が来てくれたんだ!!」
ヴァイキング団に襲われていた樹冠都市の人々は、諸手を挙げて歓迎した。
美しく梳った金髪をなびかせながら、その背に乗る
ミランダ・ヴァレンシュタインは、ヴァイキングのロングシップの間を駆け抜けながら家宝のエストックを振るう。
それだけでロングシップは次々と沈んでいった。
恐れを知らないヴァイキング団のリーダーは、飛翔靴で飛んで彼女の背後を取ると、ニヤリと笑って大斧を振りかぶる。
振り下ろされた凶刃はしかし、スレイプニルの後ろ蹴りによって弾かれ、大斧は回転しながらリーダーの手を離れていった。
「無益な殺生は好みませんわ。降参なさるなら命は助けましょう」
ミランダがリーダーの首に切っ先を突き付けると、彼は高速で上下に首を振った。
他のヴァイキング達はリーダーに従って武器を捨てて投降した。
平和が守られた樹冠都市はたちまち歓喜に包まれた。
赤いリージョン・ユニバースの制服に身を包んだミランダは、この地方では珍しい衣装なので、スレイプニルと相まってたちまちその名を知られるようになっていた。
「友よ……わたくしに叢馬(ぐんま)を授けてくれた異国の友よ、わたくしはあなたを助けたい……今はその方法を探すしかないのですわね」
彼女はスレイプニルの首筋を優しく撫でながら呟いた。
ミランダ自身、ローガラン地方の各都市を回ってローガラン地方を始め、ユグドラシルの情勢を探っている最中だった。
持ち前の正義感でヴァイキング達を倒しているが、それがローガラン地方のヴァイキング達のパワーバランスに影響を与えていることを、彼女はまだ知らなかった。
■目次■
1ページ プロローグ・目次
【1】アレックス団に協力する
2ページ アレックス団 ――入団
3ページ アレックス団 ――出撃
4ページ 蒼穹の銀翼1
5ページ 蒼穹の銀翼2
6ページ 奈落の空賊1
7ページ 奈落の空賊2
8ページ VS自由騎士
【2】ロスヴァイセ団に協力する
9ページ ロスヴァイセ団 ――戦闘開始
10ページ ロスヴァイセ団 ――女の園?
11ページ 黒龍の翼
12ページ ロスヴァイセ
【3】ヴァイキング団を立ち上げる
13ページ 【深紅の羽影団】1
14ページ 【深紅の羽影団】2
15ページ 【深紅の羽影団】3
16ぺージ 【深紅の羽影団】4
17ページ 【転空のリュンヌ】1
18ページ 【転空のリュンヌ】2
19ページ 【転空のリュンヌ】3
20ページ 【転空のリュンヌ】4
21ページ 【リンクス】1
22ページ 【リンクス】2
23ページ 【リンクス】3
【4】伝説のヴァイキングの王を調査する
24ページ 伝説のヴァイキングの王 1
25ページ 伝説のヴァイキングの王 2
26ページ 伝説のヴァイキングの王 3
27ページ 伝説のヴァイキングの王 4
28ページ 伝説のヴァイキングの王 5
29ページ 伝説のヴァイキングの王 6
30ページ エピローグ