■プロローグ
――フェイトスター・アカデミー。
「ファンのみんな~。まいんのこと、好きだよね~?」
『好き~!』
会場に詰め掛けたフェスタ生たちは、まいんの放つ未知の魅力にすっかりほだされている。
まいんはそれを確かめながら、内心に暗い喜びを覚えていた。
(やっぱり、こっちならまいんは無敵っ♪
デスティニアでは赤ちゃん扱いだったけど、場所さえ選べばまだ――)
未知の小世界デスティニアで力を得たまいん。
しかし、「そこ」のハードルの高さを思い出すと脚がすくんだ。
(場所を選ばないと、愛されないの……?
やだ。やだ……やだやだ!)
「もっと大きな声で言ってくれないと聞こえなーい」
『好き~~!!!』