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Correct the Cosmos Archives 序章

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Correct the Cosmos Archives 序章
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●カオスルキアとの戦い、その三

 【カオスハンター】のメンバーたちは、ゴーレムやカオスルキアの弱点を見つけ出そうとしていたこともあり、戦闘に加わったのは、戦戯 シャーロットがカオスルキアに攻撃をしかけていた頃であった。
 モリガン・M・ヘリオトープはフェザードローンを駆使してタクトレポートでガーディアンとカオスルキアの位置を把握してから仲間に報告し、永見 博人がカオスルキアの弱点を割り出していた。事前に、博人はタクトレポートⅠで、封印の間を大まかに調査していた。戦況は、ほぼ当時のままの再現であることが分かった。
「カオスルキアには核はないようだけど、身体の構造は人間とほぼ同じ……なら、カオスルキアを倒すとしたら、心臓部を狙った方が効率的だと思う」
 博人が、カオスルキアと対峙しようとしていた綾瀬 智也と通信で連絡を取り合っていた。
「こちら、綾瀬。了解です。カオスルキアの心臓部を狙って攻撃してみましょう」
 残りのガーディアンであるゴーレムは、ルキナ・クレマティスが核を狙って攻撃をしかけていたこともあり、再生することもなく、一体ずつ確実に倒していた。
「ガーディアンは、こちらに任せて、皆さん、よろしくお願いします。カオスルキアさんの相手はお任せします。後ろは気にせず前へ!」
 ルキナがそう仲間に告げると、モリガンがフェザードローンによるタクティレーションⅠで、ゴーレムの核がある位置を割り出していた。
「お嬢様、次のゴーレムの核ですが、胴部の中央にあるようです。そこに魔石があります。その魔石を破壊すれば、ゴーレムを完全に倒すことができそうです」
「そうか、やってみよう」
 ルキナは、モリガンが操縦するSC90に相乗りして、ゴーレムと間合いを取りつつ、ММDを付けたブレイズスロワーによるフレイムレディエーションを放った。火炎弾を放ち、胴部の中央を狙い撃つと、魔石にも命中して、ゴーレムは再生することもなく、砕け散り、倒すことができた。
 他の仲間が、ゴーレムの脚を狙って攻撃していることに気付いたモリガンは、弥久 佳宵と通信を取った。
「ゴーレムの体内には、核となる魔石があります。そこを狙えば、ゴーレムは再生することもなくなり、倒すことができます」
「モリガンさん、ありがとうございます。足元を狙ってゴーレムに攻撃しても、破損した箇所から再生していくのは、ゴーレムの体内に魔石があるからなんですね。それを調べてみます」
 佳宵は、サンフラワーユニット×3を飛ばして、タクティレーションⅠを使い、ゴーレムの体内を調査してみたが、胴部の中央辺りに核になる魔石があることを発見できた。
「これが魔石……ゴーレムの胴部、中央辺りにありましたね」
「そこかっ!」
 日長 終日の操縦するフェザードローン×3が、サンビームを放った。狙いは、佳宵が割り出したゴーレムの胴部、中央辺りだ。命中してダメージを与えると、魔石にも衝撃が走り出し、その攻撃によって核である魔石が破壊されると、ゴーレムは再生することもなくなり、倒すことができた。
「魔石を破壊すれば、サンビームでゴーレムも倒せるね!」
「この調子で、いきましょう」
 佳宵がサンフラワーユニットによるタクティレーションⅠで、ゴーレムの体内にある魔石の位置を割り出し、その位置を狙って、終日のフェザードローンがサンビームを放っていく。
 伏見 光葉は、佳宵と終日を援護するため、ウォッチドッグを使ってカヴァーリングアタックによる体当たりで、ゴーレムに攻撃をしかけていた。
「体当たりしても、倒れないか。だったら」
 光葉のウォッチドッグが、エレキシールドを展開していく。怪我をした者がいたら、クイックエイドで回復もしていった。
 そのおかげてもあり、マルチレイヤースーツを纏ったウーティア・アクニスは、ルートガイダンスで仲間をカオスルキアの元へと誘導していくことができた。
「お気をつけて」
「突破口ができた。いくぞ!」
 朝霧 垂は、カオスルキアに向かって接近していくと、間合いを取ってからスモークグレネードを投げ飛ばした。すると煙幕が広がり、カオスルキアの前に煙が広がっていった。
 ウーティアは、ウォッチドッグで周囲の状況をタクティレーションⅠで分析していたこともあり、煙があっても、カオスルキアの位置を特定していた。
「カオスルキアは、前方、右側……きます!」
 そう、ウーティアが叫んだ時だった。
 カオスルキアは、煙に巻き込まれても、怯むことはなく攻撃をしかけてきた。
 諏訪部 楓はメディエータージャケットⅡBを装備していたが、カオスルキアの剣技には風の属性はなく、純粋な攻撃だったこともあり、鋭い一撃が楓に襲い掛かり、防御したものの、かなりのダメージを負ってしまった。
「!? 雷で攻撃をすると思っていましたが、違ったみたいです」
 ルキアにつけられた“紅雷”の異名は、彼女の編み出した剣技の名だが、元は彼女の赤い髪と速さを雷にたとえて呼ばれるようになったものだ。彼女を知らず、ただ二つ名だけしか知らない者であればそのような認識違いをすることもある。
 永見 玲央が、ウォッチドッグによるデルタヒーリングで回復スポットを作ってくれたこともあり、楓の傷が回復していく。
 玲央の指示で、レディサンフラワーが楓にエレキシールドを施していたが、カオスルキアの攻撃は物理的なものだった。だが、それでもレディサンフラワーが前もって楓にエレキシールドを展開してくれたこともあり、彼女が瀕死になることを防ぐことができたのだ。
「楓さん、カオスルキアに攻撃するなら、心臓部を狙ってみて。核はなかったけど、そこが弱点である可能性が高い」
 博人が、フェザードローン×3でタクティレーションⅠを使い、カオスルキアの体内に核がないか調べていたが、やはり核はなかった。だが、弱点になりそうな箇所、つまり、カオスルキアの心臓部を割り出すことができた。
「博人さんが見つけてくれた弱点、信じます」
 モータードライブアックスを構えた楓はストレインで全身に気を滾らせると、カオスルキアに接近してソードマトリックスを放った。四方を取り囲むような斬撃がカオスルキアに命中するが、実体を持つ一撃はカオスルキアの心臓部から少しズレた位置に辺り、決定打にはならなかった。だが、楓の攻撃によって、ほんのわずかではあるが隙が生まれ、ストレインで全身を気で漲らせた弥久 ウォークスがカオスルキアへと接近して、ストライクブロウを繰り出す。
「カオスルキア! まったく恨みはないが、恥ずかしい恰好っ……ええーい、もとい、カオス化を止めるためにも、決めてやるぜ!」
 ウォークスのウルトラヒュージによる重い一撃が縦切りに、カオスルキアへと叩き込まれていく。そのタイミングを見計らって、綾瀬 智也がポジトロンライフルを構えて、カオスルキアの心臓部に狙いを定めてフロストノヴァを放った。冷気を纏った弾丸が、カオスルキアの心臓部を貫き、多大なダメージを与え、カオスルキアの全身に衝撃が走り、彼女の動きが鈍くなってきた。
「モリガンさんの分析通り、カオスルキアの弱点は、やはり心臓部のようですね」
 智也の合図で、メディエーターマスクを付けたウーティアが、ウォッチドッグをカオスルキアの近くへと移動させ、ホワイトスモッグを発生させていく。
「足じゃなくて、心臓部か」
 垂はストレインで力を漲らせ、ブースターレッグを使ったソニックスラッシュでカオスルキアに接近して、すれ違いざまにチリングブレードで斬りつけていく。ソードドローイングで、カオスルキアの脚を狙うつもりでいたが、そこまでの余裕はなかった。だが、先に繰り出したソニックスラッシュは、カオスルキアにダメージを与えていくことができた。
 桐島 風花もまた、カオスルキアの脚を狙うつもりでいたが、コスモストランシーバーで智也の合図を聞いていたこともあり、カオスルキアの心臓部へと狙いを定めて、アーマーシースからチリングブレードを抜くと、ソードドローイングで攻撃をしかけていく。風花の抜刀術は見事にカオスルキアの弱点に命中して、確実にダメージを与えていた。
「これで仕留められなかったとは言え、カオスルキアの動きが鈍くなってるね」
 カオスルキアは、動きが鈍くなっていたとは言え、剣による攻撃をしかけてきた。だが、心臓部に撃たれたフロストノヴァの効果で、最初のような勢いはなくなっていた。シェイプメモリージャケットを纏っていたウォークスは、カオスルキアの攻撃を受けたが、ストレインの効果もあったのか、防御して傷を負っていたが、致命傷にはならなかった。
「おっと、ここでやられる訳にはいかないぜ」
 ウォークスは一旦、後方へと下がり、次の攻撃に備えて、ウルトラヒュージをアーマーシースに収めて、盾として構えた。後方には、玲央がウォッチドッグを介して作ってくれたデルタヒーリングによる回復スポットがあった。そのおかげもあり、ウォークスの傷が回復していく。
「皆さん、一気に攻めていきましょう!」
 ストリームラインを使った智也が、ホーリーレイによる射撃で、カオスルキアの心臓部を狙い、さらにダメージを与えていく。
 楓は、グースステップでカオスルキアへと接近し、モータードライブアックスによるオーバーモィングに薙ぎ払いで、対象の心臓部を斬りつけていく。
「手ごたえ、ありましたね」
 楓の鍛え抜かれた攻撃でも、カオスルキアを粉砕することはできない。それは、楓にも分かっていた。
 だが、今の自分は、一人ではない。仲間がいるから、戦えると!
 ウーティアのウォッチドッグからホログラム映像を展開し、ミラージュデコイが出現。……カオスルキアは見向きもしなかったが、デコイが死角となって、垂が攻撃をしかける隙ができた。
 垂はチリングブレードを構えて、三刃の連撃をカオスルキアの弱点である心臓部に繰り出していく。多大なダメージを与え、カオスルキアが少しだけ態勢を崩し始めていた。
「フロストノヴァの効果、まだ続けているみたいだな。効果が切れる前に、一気に叩くぞ!」
「はい、楓さん」
 風花が続けざまに、ソードドローイングでカオスルキアの心臓部に斬撃を繰り出し、さらにダメージを与えていく。
「おっしゃー!」
 ウォークスが、ソードマトリックスを仕掛けていく。四方からの斬撃は、カオスルキアへと向かい、実態のある斬撃が対象の心臓部へと命中して、ダメージを蓄積していた。
 先ほどまで無表情だったカオスルキアが、怒りを顕わにして、ウォークスに鋭い剣技を叩きつけてきた。
「くっ?!」
 ウォークスは防御していたが、かなりのダメージを食らい、後退していく。そこには玲央が作ってくれた回復スポットがあり、その場に入ると傷が回復していく。
「自分の攻撃で効き目があるなら、もう一度、撃ってみましょう」
 智也はポジトロンライフルを構えて、その銃口からフロストノヴァを解き放った。カオスルキアの心臓部を狙い、命中すると、ダメージを与え、さらにマヒさせることもできた。ポジトロンライフルならば、上手く弱点を狙えば麻痺させる可能性が高くなっていたのだ。
「援護しますね」
 ウーティアが、ホワイトスモッグを発生させ、カオスルキアの周辺に白い霧が漂っていた。
 垂が三刃の連撃を繰り出し、その動きに合わせて、風花がソードドローイングを放った。
 ストレインで全身に気を漲らせた楓がモータードライブアックスによるソードマトリックスを解き放った。
「この十年……積み重ねてきた、私たちの……これはあの頃の私への回答です」
 垂、風花、楓の連携攻撃により、カオスルキアの心臓部に斬撃が叩き込まれた。
「俺たちは、負けない! カオスを消し去ってみせる!」
 垂が叫ぶ。
「本物のルキアさんのためにも、倒すわ!」
 風花の抜刀術による斬撃が、カオスルキアの心臓部を切り裂いていく。
「私は、仲間を信じています。お互いに力を合わせれば、カオスルキアを倒せるはずです!」
 楓のモータードライブアックスが、四方からの斬撃でカオスルキアを狙い、実態の斬撃が重みとなって、カオスルキアの心臓部に叩き込まれ、鋭い一撃となった。
 三人の技が斬撃の嵐のようにカオスルキアの全身を切り裂いていく!
 その凄まじくも勇ましい攻撃によって、カオスルキアは砕け散るように消滅していった。


 そして。
 カオスルキアが消滅していくと、少しずつ空間が揺らぎ始め、床に落ちていた破片もいつの間にか消滅していった。
 

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