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Correct the Cosmos Archives 序章

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Correct the Cosmos Archives 序章
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●ガーディアンとの戦い、その三

 【ヴォルフガング】のメンバーは、カオスルキアを倒すため、封印の間にいるガーディアンと対峙していた。
 まずは柊 恭也が布津の言霊を使い、納屋 タヱ子が装備しているメガヒュージを強化していった。
 メディエーターマスクをつけたタヱ子は、カオスルキアとアイオーンの間に入るような立ち位置を取り、アイオーンの守りに徹していた。
「“時空剣”アイオーンは、渡しませんからね」
 鴨 柚子鴨 希一は、仲間がカオスルキアの元へとたどり着けるように、ガーディアンであるゴーレムを抑え込むことにした。
「希一、アイオーンを守るためにも……何よりも、仲間たちを助けるためにも、ガーディアンを食い止めましょう」
「僕も援護するから、気負わずにね」
 希一は、柚子と連携する間合いを取り、MDDを取り付けたレールスタッフを構えて、ゴーレムに狙いを定めてストリームラインによって強化を高めたベンドショットを放った。エネルギー弾は水平方向でゴーレムの胴部に命中して、多大なダメージを与えていた。
「ここから先は、いかせません」
 柚子の心に、様々な想いが去来した。
 今の成長した自分が、まさか「過去」の世界へ行くとは思ってもみなかったのだ。
 そう、「過去」がカオス化されてしまったという皮肉な状況だった。だからこそ、負ける訳にはいかなかった。
 初心を忘れず、これからも、もっともっと成長していくためにも。
 
「ガーディアンはこっちで抑えます!」
 ストレインを発動した柚子が続けざまに、マシンブレードMK-Ⅰの機能を活かした抜刀速度を加速させて、威力を向上させたソードドローイングの鋭い一撃をゴーレムに叩き込むことができた。
 ゴーレムの身体は破損が大きかったが、少しずつ再生していき、姿が戻っていくではないか。
「再生能力があるのか?!」
 希一は、改めて実感した。
 やはりガーディアンは、油断のならない相手だ。
 そんなことが過ったが、希一は接近してくるゴーレムの攻撃を回避すると、体勢を整えて、次の攻撃に備えた。
「やはり、ガーディアンであるゴーレムを抑え込むのが重要になってきたね」
「召還前の出来事だったとしても、皆さんが作り上げてきたものを奪うなら、撃ち払います!」
 松永 焔子は、仲間がゴーレムを抑え込んでいる隙にグースステップを駆使して、カオスルキアへと接近していく。ウルトラヒュージを構えた焔子は、スプレッドバーストで地面を叩きつけると衝撃波を放ち、カオスルキアを足止めすることができた。
 だが、カオスルキアは足止めされたとは言え、焔子に向けて鋭い剣技を繰り出してきた。
「!! なんて、威力」
 焔子は驚いた。本来のルキアより弱くなっていると聴いていたが、それでも全身に痛みが走り、ダメージを食らっていた。カオスルキアが、この強さならば、本当のルキアは、さらに強き剣士なのだろうと痛感した。だからと言って、カオスルキアの好き勝手にはさせない。焔子は歯を食いしばって堪えていた。
「今のうちに、こちらからも攻撃していく」
 信道 正義が、マシンブレードMK-Ⅰを構えて、ソニックスラッシュですれ違いざまにカオスルキアに対して攻撃を繰り出すと、敵の胴部を切り裂き、すぐさま、離脱してカオスルキアがいる場所から離れる。ヒットアンドアウェイの技だ。
 十年という月日は、様々なことが変わる……それでも変わらない信念と使命感。
 正義はつかず離れずの位置で、カオスルキアと戦っていたが、彼女の剣技は正義にも届くほどだ。正義は、グースステップによる回避で、カオスルキアの攻撃をずらすことができたが、それでもダメージを食らっていた。
「ルキア本人ではないとは言え、カオスルキアは強い。が、ならばこそ、遠慮せず、カオスルキアと戦うか」
 カオスルキアは、あくまでも魔人ルキアがカオス化した存在であり、ルキア本人ではない。そう悟った正義の心には、覚悟があった。
「回復や守備は、任せてくれな」
 紫月 幸人のウォッチドッグが、焔子にクイックエイドを施してくれた。幸い、カオスルキアはスプレッドバーストの効果で足止め状態だったこともあり、その隙にもう一体のウォッチドッグを操作して、正義にもクイックエイドを使い、怪我を回復させていく。
 だが、正義と焔子は、カオスルキアの攻撃を受けた影響なのか、少しずつ何かが浸食していくような痛みを覚えていた。
「なんだ? まさか……?」
 正義は、直感的に思った。カオスルキアの攻撃を食らうと、じわしわと身体が蝕まれてしまう可能性を……だからと言って、ここで引くわけにはいかない。
「まずいな。こりゃ」
 幸人も、正義と焔子の様子を見て、異変に気が付いた。
「カオスルキアの攻撃を食らうと、こっちも浸食されるみたいだな。ただでさえ、過去の出来事が浸食されてるってのに、つーか、俺たちの過去も、今も、侮辱するなっての」
 幸人は、ウォッチドッグを介してカオスルキアの動向を監視していた。ウォッチドッグたちは、正義と焔子の側につかせて、なるべくカオスルキアには近づかないように気を付けていた。
 焔子のスプレッドバーストの効果によりカオスルキアは足止めすることができたが、ガーディアンであるゴーレムが“時空剣”アイオーンを目指して移動していくのが見えた。
「いかせません!」
 アイオーンの前方にいたタヱ子が、向かってくるゴーレムに対して、メガヒュージを振るい、ストライクブロウの一撃を叩き込むと、ダメージを与えることができたが、ゴーレムは破損した箇所が見る見るうちに再生していく。
「カオスルキアを狙う前に、ゴーレムをどうにかしないと……」
 タヱ子は、仲間がゴーレムを抑えている間に、カオスルキアとの戦闘に持ち込むつもりでいたが、“時空剣”アイオーンを狙うゴーレムもいたため、まずはゴーレムとの戦いとなっていった。ゴーレムに攻撃してダメージを与えても、再生して、アイオーンへと移動していくゴーレムもいたのだ。これはさすがに、タヱ子も見過ごすことはできない。
「ゴーレムは自立型か? 俺は、松永の援護をする」
 ブースターレッグを装備した恭也が、ブレイズスロワーを構えて、ストリームラインで強化したヘルファイアを繰り出した。狙いは、カオスルキアだ。命中して、ダメージを与えたが、カオスルキアは火の耐性があったのか、思ったほどのダメージにはならなかった。
「こっちは遠距離攻撃ができるとは言え、カオスルキアとの接近戦に持ち込むのは、かなり危険だな」
 恭也は、何度も修羅場を潜り抜けてきたが、その経験で、そう感じたようだ。
「柚子!」
 希一が、柚子のマシンブレードMK-Ⅰに布津の言霊を施していく。
「ゴーレム一体は、私と希一で抑えます! 皆はカオスルキアさんの方へ!」
 柚子がヒートブレードを帯びたマシンブレードMK-Ⅰによる三刃の連続攻撃を繰り出し、ゴーレム一体に多大なダメージを与えていった。ダメージが大きかった場合は、再生に少し時間がかかることが分かってきた。
 メディエーターマスクをつけているとしても、油断はできない。希一がアテニュエイトシールドを展開して援護していたこともあり、柚子の正面にシールドが展開して、ゴーレムの攻撃を辛うじて受け流すことができた。
「カオスルキアとの戦闘は、長引きそうだな」
 恭也は、味方を火炎放射で巻き込まないように、ブレイズスロワーに切り替え、カオスルキアに火炎弾を放ったが、やはり火の耐性があったのか、カオスルキアには、思うようにダメージを与えることができなかった。
 正義は、常に前衛にいてカオスルキアと対戦していた。
「カオスルキアが倒せなくても、アイオーンは絶対に渡さない」
 ストレインで力を漲らせた正義が、マシンブレードMK-Ⅰを振るい、カオスルキアにソードドローイングの斬撃を繰り出した。カオスルキアはダメージを受けていたが、動じることなく、正義を狙って剣技を繰り出してきた。恭也が施してくれたアテニュエイトシールドのおかげもあり、正義の食らったダメージを減っていたが、それでも、じわしわと身体が浸食していくのを感じていた。
「アイオーンは、渡さないからね」
 焔子がスプレッドバーストを駆使してカオスルキアを足止めしてくれたこともあり、今のところ、アイオーンは敵の手には渡っていないが、ガーディアンであるゴーレムが、アイオーンへと移動していく。
 タヱ子がゴーレムの行く手を阻むため、ストライクブロウを叩き込む。ゴーレムはダメージを食らって破損するが、見る見るうちに再生して、元の姿に戻り、タヱ子目掛けて剣を振るい、攻撃をしかけてきた。
 タヱ子はアイキドーを駆使して、ゴーレムの攻撃を回避することができたが、アイオーンを守ることを優先していたこともあり、カオスルキアとの戦いにまで持ち込むことができなかった。
 幸人がウォッチドッグを介して、インタラプトシェイクの毒をカオスルキアに打ち出すが、カオスルキアの動きはほとんど鈍くならなかった。
「まあ、焔子のスプレッドバーストなら、足止めできてるから、こっちは援護に徹した方が良さげかな」
 【ヴォルフガング】のメンバーたちが、アイオーンの前に陣取っていたこともあり、カオスルキアとゴーレムたちの行く手を阻むことはできていた。
 
 

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