■プロローグ■
――旧市街、秋葉原エリア。
『首尾はどうですか、“隊長”?』
「想定していたよりも人員が多い。
いかに物資が重要とはいえ、コスモス機関本部から一企業に回せるのは限られているはずだが」
輸送車と警備の様子を確認した民間軍事会社『ボーダレスガード』の“隊長”は、依頼主に状況を伝えた。
個人的な感情で言えば混沌の獣が蔓延るこの世界で、人間を攻撃する仕事は気が進まない。
しかし社の方針が「どんな者の依頼でも、こちらの提示した金額を用意できれば引き受ける」というものである以上、割り切るしかない。
『ああ、その事ですか。最近になってコスモス機関はある組織と協力関係になりまして。
そちらの人員が派遣されているのです。
“いくつもの世界”を救ってきた猛者たちですよ』
「特異者、というやつか。話には聞いたことがある。
最も、“獣”と戦う事ができる俺たちもまた、その特異者に含まれるんだろうがな」
依頼主の名を、隊長は知らない。
現場の物は知る必要がない、と上から言われているからだ。
ただ、声から女性であることは分かる。
『コスモス機関とは仲良くしたいのですが、“我々”の研究は世間一般の人道や倫理観といったものからは忌避されているようでしてね。
仕方ないので、こういう形で頂くしかないのですよ』
「……自分たちで獣を狩ればいい。あるいは、それを俺たちに依頼するか。
単にコスモス機関が気に食わん、というだけなのだろう」
『耳の痛い話です。では、頼みましたよ』
■目次■
プロローグ・目次
【1】秋葉重工を護衛する
静けき任務
警戒戦線
鉄火の瀬戸際
【2】混沌の獣由来の「素材」を確保する
いざ、ラクシャス狩りへ!
いざ、ラクシャス狩りへ!2
いざ、ラクシャス狩りへ!3
いざ、ラクシャス狩りへ!4 ~ヴォルガング~
いざ、ラクシャス狩りへ!5 ~ツクヨミ~
いざ、ラクシャス狩りへ!6 ~まほろば分隊~
いざ、ラクシャス狩りへ!7 ~リベレーター~
いざ、ラクシャス狩りへ!8 ~オズ分隊~
【3】シャオメイのデータ取りに協力する
シャオメイのデータ取りに協力する1
シャオメイのデータ取りに協力する2
シャオメイのデータ取りに協力する3
エピローグ