■プロローグ■
――自由都市連盟、イスカリオの街。
「……そろそろ頃合いですね」
ユニウスの市長
デキムスは、立ち並ぶ白い機体と、直下に加えたエース機を見回した。
機動兵器には“はぐれソルジャー”の脳をパーツとして組み込んでいるが、機体の方はともかく、パーツを集めるのは容易ではない。
だが、それを解決する方法がある。
(ジェミニケーターは機械だけでなく、生物も複製できる。
再現度にはまだまだ課題がありますが、素材にするためであれば質は最低限確保できればいいですからね)
“死の商人”から渡されたデータには、高性能な自律型兵器や、機動兵器のパイロットの情報が登録されていた。
これを元に複製した者をソルジャーとして送り込むと、瞬く間に頭角を現し、連盟のエースとなった。
“白き静謐”の一員であると知らぬまま。
だが、いつまでも隠し通せるほど、今の盟主である
アリス・エイヴァリーは愚かではない。
機は熟した。
加盟都市の半数を傘下に加えた今が、動く時。
「さて、大陸の勢力図を白く塗り替えましょうか」
■目次■
プロローグ・目次
【1】水上防衛戦1
【1】水上防衛戦2
【2】機械音のする遺跡の中へ1
【2】機械音のする遺跡の中へ2
【3】マシン・アバター
【4】モニュメントの守護者1
【4】モニュメントの守護者2
【5】“真紅のイーグリット”
【5】白い飛空艦
【6】遺跡? 迷宮?
エピローグ