■プロローグ■
――自由都市連盟。
「例の機体の状況はいかがですか?」
盟主の
アリス・エイヴァリーは、ジェミニケーターを用いた機体複製の現場の視察に訪れていた。
ただ、彼女がいるのは連盟でも一部の者しか立ち入る事を許されない区画である。
「エース機、とはよく言ったものだ。
機体はもちろん、扱える操縦者を見繕うのにどれだけのコストがかかっている事か」
「今だけですよ。そう遠くないうちに、より効率のいい戦力の量産が可能となります。
そちらの研究も進んでますからね。
私としては、私の仕事が極力楽になる方がいいのですが」
今はまだ過渡期。
それでも、現在ロールアウトしているエース機は、十分コスト分をペイできている。
懸念があるとすれば、
(……鐵皇国のコトワザにある獅子身中の虫とはよく言ったものですね。
私だけが知っている。とは思わない方が良さそうです)
小娘と侮られて祭り上げられているうちは、この立場を最大限利用する。
元々面倒事が嫌いなアリスだが、下手を打てば寝首を掻かれることを理解しているからこそ、必要以上に動くことはない。
(あまり目立たないよう、探りを入れておきますか)
■目次■
プロローグ・目次
【1】鐵皇国防衛前線1
【1】鐵皇国防衛前線2
【1】鐵皇国防衛前線3
【1】鐵皇国防衛前線4
【1】鐵皇国防衛前線5
【1】鐵皇国防衛前線6
【1】鐵皇国防衛前線7
【2】先触れとなる者
【2】真紅の翼
【2】爆炎の中で
【2】不揃いの戦士
【2】王と特異者
【3】自由都市領拡大戦線1
【3】自由都市領拡大戦線2
【3】自由都市領拡大戦線3
【3】自由都市領拡大戦線4
【4】撹拌される戦場
【4】逞しく生きる
【4】制圧の一手
エピローグ