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海辺のグミグミ、タッグトーナメント!

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海辺のグミグミ、タッグトーナメント!
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マンゴーステージ一回戦 その二




 第五試合は燈音 春奈燈音 了の二人と、佐門 伽傳シャブダ・ボーディの二人の勝負だ。
 伽傳は『依代装備:黒蓮乃戈』にシャブダを憑依させた状態で戦闘態勢を取り、『羅刹鬼眼王』で増やした腕に分割した『鬼面金剛杵』を装備している。
「行くよ!」
「あぁ、やってやるぜ……!」
 数の上では有利となった春奈と了は、すぐ伽傳に仕掛ける。春奈は『救世論』の重力波を纏い、強化した速度を以て伽傳に肉薄すると、『アマテルレボリューション』が付与された『ロット・ゼータ=グリード“ロット・ゼータ=GRD”』で斬りかかった。
 その速度を回避でやり過ごすことはできなかった伽傳は鬼面金剛杵で春奈の剣を受け止めるが、アマテルレボリューションによって強化された重圧は凄まじく、地面の柔らかさもあってその場に縛り付けられたように伽傳は動けなくなる。
 畳みかけるように了は『バタフライレギオン』を乱射し、伽傳の動きを更に封じにかかる。
 一見すると春奈と了が伽傳を圧倒しているようにも見えるが、全ての攻撃を伽傳は裁いている。文字通り手数の多い伽傳は数的不利をものともせず、見切っているのだ。
 また、春奈と了の攻撃に一瞬でも隙があれば、羅刹鬼眼王による地震で揺さぶりをかけ、更なる隙の発生や体勢を崩しにかかる。押しているとは家、春奈と了は全く油断できない状態だ。
 だが、連携が崩れたわけではない。更に言えば、伽傳が短期決戦を狙っていないというのも追い風となっている。春奈のアマテルレボリューションによるこうかで『アトラスの震動』の威力は時間が経つごとに強化されており、今や相当な威力になっている。
 そして、機は訪れた。度重なる了の徹底的な妨害、牽制射撃によって、頑として動かなかった伽傳が体勢を崩したのだ。
「今……!」
 その瞬間、春奈はアトラスの震動を実行。強力な引力で伽傳の身体を引き寄せる。そして剣を構え、引力によって接近してくる勢いも合わせて強力な『フルフローリッシュ』の一薙ぎで引導を渡す。
 はずだったのだが、
「は……!?」
 その接近速度は、春奈の想定を遥かに超えていた。タウルスとして長く戦ってきた春奈が、アトラスの震動の威力を読み違えることはあり得ない。
 伽傳は重力を操る春奈の戦法を見て、勝負の決し方を予測していた。そしてその通りの展開となった瞬間、『電光石火』を実行したのだ。引力による引き寄せに電光石火の速度が加わったため、春奈の予想を遥かに超える速度で、伽傳は春奈に肉薄していた。
「……捉えた」
 そしてその勢いのまま、『ルクスブレイド』を実行。移動速度と攻撃速度のどちらも極限に達した伽傳の攻撃に対応することができず、春奈派の場に倒れる。
 相方を失った了は『セントリースノウメン』の召喚や『ゴーストスパーク』による視界の妨害など、様々な搦め手で伽傳を攻めるが、それら全ては春奈との連携に繋がって真価を発揮するもの。徐々に追い詰められた了もまた、伽傳の手数の前に散るのだった。
 こうして第五試合は伽傳、シャブダの勝利となった。

 第六試合は弥久 ウォークス弥久 佳宵の二人と、優・コーデュロイルージュ・コーデュロイの二人による対決だ。
 試合開始直後、優は『魔女の夜宴』と『殺生鏡』を原典回帰。周囲の物理攻撃力を大幅に削ぎ、魔法の威力が高まる領域にした上で『サダルスウドの覚醒』を実行。自分に有利な戦場を作り出し、『空狐剣・改』を構える。
 優の偉能力、原典回帰はルージュの『偉界ジェネレータ』の起動による強化されている。また、ルージュ自身も『血染めのマスコット“キューク”』で悪堕ちした魔法少女のような風貌に変身。そうした上で『星光の鍵』、『我執の哲学』、『夢現の被炎』で原典回帰を実行し、自身を強化する。
 対してウォークスは佳宵を『依代装備:緑青鎌鞭』に憑依させた状態で構える。数的な不利とはなるが、『AAツクモデバイス』の効果が付与されるため、ウォークスの攻撃は特異者に対して脅威となるだろう。更にはウォークス自身が『アンチアバターヴェノム』を付与することで、緑青鎌鞭より強力となる。
「行くぞ!」
 先手はウォークスが打つ。優は物理攻撃を低下させている領域にあってもウォークスの攻撃は侮れないものだと考え、真正面から打ち合うことを避ける立ち回りを行う。十分に距離を取り、攻撃は確実に避けてから狐火による反撃を実行するととで、決して相手にアドバンテージを取らせないよう注力する。
 ウォークスは優の反撃を躱してはいるが、どちらかというと攻撃に比重を置いている。守りは『カヴァーチャ』や『アイギス』によって向上した自身の防御能力を信じ、とにかく攻撃を当てることに集中する。
 だが、いくら手を打っても優に攻撃が当たらない。
(……これは、おかしいな)
 一撃でも当たれば致命傷になり得るウォークスの攻撃だ、回避や防御に徹して避け続けるのは勝利の最低条件ではあるのだが、それにしては優に余裕があり過ぎる。まるで、動きが読まれているかのようなのだ。
 それもそのはず。優は『エイジオブアクエリアス』を上手く使うことでウォークスの動きを予知していた。素早いウォークスの動きは一度の予知である程度先まで読むことができ、優は相当数の攻撃をこれによって避けていた。
 そしてウォークスが違和感を覚えた瞬間、ルージュが不意を打つ。
「もらったわ!」
 ルージュは後方から星光の鍵によって付与された効果で、魔法レーザーを放った。強力かつ高速で放たれたレーザーを、ウォークスには避ける術がなく直撃する。
 しかし、
「な……!?」
 そのレーザーは、ウォークスのアイギスによって反射されルージュに襲い掛かる。アイギスによる身体の固定効果も相まって、ルージュはレーザーの直撃を受け大ダメージを追う。
 引導を渡すべく、ウォークスは標的をルージュに変え猛攻を加えようとする。
「させませんよ……!」
 ルージュの危機を察知した優は背を向けたウォークスに容赦なく猛攻を加える。強化された魔力を持って放たれた狐火や斬撃が、ウォークスに襲い掛かる。
「ぐ、ぐぐ……!」
 その猛攻の間にルージュはウォークスから離れ、優もまたその前に立ちはだかることでルージュを守る。
 両者は最低限の動作で猛攻を繰り出し合う。互角に見えた打ち合いだが、先に大きなダメージを受けたウォークスは徐々に勢いを失っていく。手数に倍ほどもの差が出てきた頃、ウォークスはついに柔らかな地面に倒れ伏した。
 第六試合の勝者は優、ルージュとなった。

 一回戦最終試合の第七試合はルキナ・クレマティスオリヴィア・アルベルトの二人と成神月 鈴奈ロゼッタ・クロスフィードの二人の勝負だ。
 試合が始まると鈴奈はロゼッタを『サーヴァント・ソニックブレード“スペリオルブレード”』に憑依させ、攻撃を開始した。守っていては勝ち目はないと考えた速攻が彼女の戦法だ。
 対するルキナもまた、オリヴィアと『ディープユニゾン』で同調し、重なり合った状態で構える。
「初めから最大火力行くぞ、オリヴィア!」
「もちろんだ。我が偉能力をあるだけくれてやる」
 その言葉とともに、ルキナは『夢現の被炎』の力を解放。周囲に強酸の霧を発生させ鈴奈の足を止めると、間髪を入れず『ロストエリア』を実行。周囲を強烈な炎で埋め尽くす。
 ルキナのロストエリアは合わせて発動したオリヴィアの『チャージングキッス』によって強化され、文字通り火力が引き上げられており、持続時間も『サイドバイサイド』の運用により伸ばすことが可能だ。炎と高熱地帯が消えるまで耐えるという戦法を取るのは、リングというものがある以上難しいだろう。
(なら、恐れている場合じゃありませんね……!)
 鈴奈はあまりの戦場の変貌ぶりやや日和かけていたが、すぐに戦意を取り戻すと『レッグアクセル』を実行し、ルキナに食って掛かる。身に着けた防具の『フルリフレックスメイル』は炎への耐性を持つが、断続的にダメージを与えられるルキナの攻撃の前には、どれほど持つかわからない。ここは短期決戦しかないのだ。
 乾坤一擲、鈴奈は急接近したと同時にスーパーパワー、『氷機全開・ゼロアブソリュート』を実行。ルキナを直接攻撃すると同時に、高熱領域を冷やそうとする。
 しかし鈴奈の一撃は、徹底したルキナの防御に阻まれる。『グロウシールド』で全身を結界で覆い、防御態勢を取ることで大ダメージを防いだのだ。スーパーパワーに組み込まれた拘束は効果を発揮したものの、同時に発生した氷はすぐに解け始め用を成さなくなってしまった。
 ルキナの狙いはわかりやすいというのに、それを突破するには非常に難しい。鈴奈はそのままスペリオルブレードを蛇腹剣状にし、強引に攻め勝とうとするが、ルキナは『ヒールフィールド』を展開するなど徹底的に持久戦の構えを取り続ける。
 ダメージ差が如実に表れたタイミングで、ルキナは『ライトニング・タイ』から雷の矢を放つ。春奈はこの一撃をまともに受け、身動きが取れなくなる。そして高熱領域から出られぬまま、その場に倒れた。
 第七試合はルキナ、オリヴィアの勝利となった。



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