クリエイティブRPG

■プロローグ■

　――リュクセール王国、マッセン平原

　リュクセール王国の南東に広がる平原は、別名「竜の眠る平原」と呼ばれている。
　死期が迫ったレッサー・ドラゴンはこの平原に降り立ち、最期の時を迎えると言われるからだ。
　レッサー・ドラゴンは自分の死に際を荒らされたくないのか、近づく者には容赦なく攻撃を仕掛けてくるようだ。

「まぁ、それさえ気を付ければ、後は野生のモンスターしかいない平原なんだけどねー」

　自ら“滅竜士”を名乗り、一人でドラゴンを倒したことがあるというキャロルは、同行する冒険者たちにあっけらかんと話した。
　神竜信仰主なリュクセール王国において、ドラゴンを倒すことはタブーとされている。
　それを冒してでもドラゴンを倒そうとするのは何故なのか、彼女は語ろうとしない。

　そうこうしているうちに、ボヴィーグ山脈の麓が見えてくる。
　「魔法の武具」が眠るという噂のサイクロプスのねぐらはあの山脈に点在しているという噂だ。
　その噂を求めて何組もの冒険者が挑んだが、サイクロプスだけではなく麓に召喚されたホーンシックラーに撃退されてしまっている。

「そんじゃまぁ、一丁やりますか！　みんなには強くなってもらいたいものね！」

　キャロルは背負っていた背丈ほどもある滅竜の大剣を片手で構えて振り回す。
　まるで、ピクニックでも行くかのような気軽さだ。ホーンシックラーもサイクロプスも物怖じしていないように見える。
　一方で、幼い子供が昆虫を弄る感覚に既視感を覚えたのは気のせいだろうか……。

■目次■

プロローグ・目次

【１】麓のホーンシックラーを狩る
・打倒、ホーンシックラー
・狩人の領域

【２】サイクロプスのねぐらを調査する
１．魔物の巣穴(１)
２．魔物の巣穴(２)
３．サイクロプス全滅作戦(１)
４．サイクロプス全滅作戦(２)
５．最後のねぐら

エピローグ