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機械帝国攻略戦 その後

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機械帝国攻略戦 その後
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盗賊退治 2


 【六文字隊】佐門 伽傳はアジトに近づくと、オータスシェルターを展開し、回復の拠点を作り出す。

「旧帝国領の施設をアジトとして使われているのなら、放っておいては先々別の問題も出てきそうだ。不安の芽は早めに摘んでおかねばな。そればかりか、興味本位で機械族化している盗賊もいると聞く。特異者でないこの地の者が、やっぱり人に戻りたいなどといっても簡単にはいくまい。今後似たようなことが起きにくいよう、反省させねばならぬか」

 盗賊とて人族だあることには変わらない。
 魔族の技術を濫用しようというなら、悪事を止めるために容赦なく救ってやろうではないか。
 だが、まだ整備場として使える施設があるなら、あまり派手にやりすない方が、後々ヴュステラント連合で活用できるかもしれないとも考えられた。

「やりすぎには気をつけて手早く討伐してしまおう。ここのオータスシェルターは自由に使ってくれ」
「助かるよ。いつもありがとう。キミの支えがあってこその六文字隊だ。手早く討伐するのは俺も賛成だ。帝国が崩壊したとは言え旧帝国領にある施設がアジトとして利用されているうえに、そこの機械も使われているのであれば放置する訳にはいけないな。これ以上悪用されないようにしないと」
「そうだな。機械族化している盗賊とて私らの敵ではない。とはいえ、性能面からの分担は必要か」
「機械族化した盗賊はクロイツさんと法霊崎さんが有利に立てるが、他は少しだけ時間がかかるかもしれないな。それに終戦を迎えたとは言え機械族の立場は微妙。今回の件で悪評が立つような事が起こる事があってはいけない。それを防ぐ為にも早く何とかするとしよう」

 鶴永 真白が真面目に分析していると法霊崎 花月が口をとがらせて文句一つ呟いた。

「んもー、折角平和になったと思ったら今度は盗賊が暴れてるて、砂漠地方の治安悪すぎひん? おかげさまでうちら冒険者はお仕事たっぷり、ろくに観光もできへんっちゅうねん。……せやから、たっぷり“お礼”したらんとな!」
「俺達なりのお礼だけどな」
「せや。……まあ、観光云々は嘘だけど。かっこ悪い、何処の世界にでも火事場泥棒っているんやね。この場合は焼け跡泥棒? どっちでもいいや、自我のない機械族を悪さに使ってるってだけで、縛り上げる理由は十分やで。ね、今回はうちが名乗り上げて突入するさかい、伽傳はんは援護よろしゅう! 英輝はん、コソコソしとる敵がおったらシャブダはんに教えたってな。全体の俯瞰と細かなフォローは任せるで、真白はん」
「任せて欲しい。特に盾役をする法霊崎さんを優先し回復させてもらうよ」
「おし。ほな、行こうか」
「あっなら先手はわたしに任せて欲しいな。せっかくの距離のアドバンテージ、ここで活かしていきたいんだよね。狙う位置や射撃のタイミングは英輝に任せるから」
「いいでしょう」

 シャブダ・ボーディがいの一番を名乗り上げ、鷹野 英輝がパスファインダー、ナイトレイドと色視の眼鏡を駆使し情報収集しつつ、ペネトレーションで隠れている敵や尾行・追跡している敵の把握に集中する。
 その間にシャブダは森人の視聴覚で遠くまでよく見て、ガーナーピアスの風読みの力で敵の存在を察知しておく。
 次いでファラウェイの術式を刻み、マークスマンズドクトリンで長距離の目標も正確に狙えるように構える。

「あそこですね」
「よし、一発かましちゃうから!」

 英輝の得た位置情報をデッドマスターで戦場における敵や味方の動きを把握し、天賦の才である頭脳明晰で分析することで戦況を読み敵の動向パターンを分析し、シャブダが狙うべく相手を絞り込むと、シャブダに指示。
 提示された相手目がけてライトフィールドコートで魔力を高め、パーフォレイターでショックアローを撃ち込む。
 ガーナーピアスで風属性の威力もあがった、回避困難なブリッツレイドで収束させて。

「種族を超えてなかよくできるのはいいことだけど、なんかやり方がちがうんじゃない? 一緒にわるいことばっかりしてるならおしおきなのです!」
「おらー! 六文字隊の花月が来たで、悪い子は何処やー!?」

 花月が殴り込みに入ると注目を集めるように名乗り上げ、甲鉄壁【トータスシールド】を構える。
 切り込み隊長だからといってなにも先制攻撃するだけが戦法ではない。
 先制攻撃は魔壊のブレスレットで魔力耐性を破る力を得た伽傳が代わりに、パニッシュメントクロスの十字架を広範囲に放ってくれる。

「……掃討戦で行こうかな、まずは敵の前衛から順番に削っていくよ」

 ウォーロックからの機導式をマギアシューターの狙撃から岩鎧【アレナイトアーマー】の鎧と甲鉄壁で仲間を守るのが花月の仕事。
 ヴュステラント制式剣術で連携力を上げて、機械化させた兵士から雷雨幻槍【機装:ライトニングランス】の機能で魔力を貰い雷にして放つ。

「機械化されてて丁度良かったですわ。雷雨幻槍のためにもな」
「私たち冒険者に出来るお仕事をして、綺麗にお片付けしなきゃね!」

 苺炎・クロイツも花月の名乗り上げと共に飛び出した一人。
 機装への負荷をハイエンドガントレットとドライブアーマーV2で軽減させ、ドライブアーマーV2の魔力の効率化で、機導式【貫鉄Ⅱ】の強化を刀身へ行き渡らせる。
 彼女の役目は『スピードを活かして足の止まった敵を仕留める』こと。
 足元をしっかり踏みしめ、ソニックリープで敵全体をかき回して、翻弄しつつ花月の雷によって足止めた敵が居たなら、横合いから割り込んで仕留める。

「それで隠れられていると思うならお粗末ですね」

 ローグのように隠れ潜んでいる相手すら英輝の敵ではない。
 機械族化した盗賊には手を焼くが、潜んでいる敵を見抜くのに人間か機械族化した相手かなど関係ない。
 ペネトレーションで暴き、ショックアローを装填したパーフォレイターを使い動きを止め味方の援護に入る。

「ジャブダ」
「任せてよ! ここでしょ!」

 自分だけで仕留められない遠くにいる相手には同じようにショックアローを持つシャブダに指示を出しパーフォレイターで仕留めてもらう。
 北部地方の職業でも道具次第で機械化した盗賊とも渡り合える。
 それを支えているのは全体を俯瞰している真白の指示のたまものだ。
 シャブダや鷹野から得た情報も踏まえながら冒険者の経験則をもとに天賦で授かった頭脳明晰で戦況を迅速に分析しながら仲間のコンディション・敵の様子・地形を気を配り、仲間と連携して有利に立ち回われるようにする。

「クロイツさん。右側、止まっている盗賊がいる」
「おっとそっちにもいたのね。ありがと真白ちゃん!」

 シャブダと英輝が足止めした敵を仕留めるよう指示を出したのはヴュステラント制式剣術の構えで足元を安定させ動きやすくするとともに、仲間とも連携しやすくした上で縦横無尽に駆け抜けている苺炎。
 小柄な盗賊敵なら、機導式【衝撃波Ⅰ】で弾き飛ばし、体格の良い盗賊ならば機導式【貫鉄Ⅱ】で刺し貫き、腹の中に響かせる。
 重ストリシア【機装:ストリシア(灰仕様)】の重みや、ハイエンドガントレットのパワーアシスト、ドライブアーマーV2による身体動作の効率化などで、一太刀をさらに重くし確実に仕留めていった。

「オータス神よ。ここに神罰を与え給え」

 混戦状態の中でも伽傳は冷静にジャッジライトニングで味方を巻き込まず盗賊のみを仕留めていく。
 裁雷のガウディウムで高められた雷の魔力は、神裁の力であるため、神裁術式の効力を高める事ができるが、「人族に対しては」致命傷を与える事ができなくなる効果があった。
 また、常に裁きの雷を身に纏うことから装備者の肉体・精神にかかる負荷が大きいため、扱っているのは高位の聖職者の中でも人界救済の覚悟を決めた者となっているがそれでも伽傳はこの性能が好都合と捉えていた。
 無力化し制圧するために、躊躇いなく裁きの雷を放てるから。

「……何処からでも来るといい。私を突破できないなら、あなた達は六文字隊には勝てないよ」

 回復可能な者は真白以外に伽傳もいる。
 その二人が手分けしてヒールオールや味方を回復し、特にダメージの多い盾役の花月には念入りに真白がファーストエイドで持続回復をしつつ、回復が間に合わないようならヒーリングブレスを使用して彼女を支えていた。
 その手隙の合間に真白は仲間の防御が間に合わなそうな場合に限って魔壊のブレスレットで魔力耐性を破り、クロスメイス【クロスメイス】で強化したパニッシュメントクロスを複数なら広範囲に単体なら囲むように展開し動きを鈍らせることまでやってのける。
 琥珀亭特製ハニージンジャーでスキルが使えない状況に陥らないようにタイミングを見計らい補給しながら【六文字隊】は盛大に暴れた。

「さてと、……久しぶりのソロ依頼。人々の抗いの一助となるべく、俺の全力を以てやるとするか」

 【六文字隊】とは別の単独で潜入したソロのアルヤァーガ・アベリアは人々の抗いの一助となるべく、全力を以て戦っていた。
 マギアビジョンで魔力の流れを可視化、周囲で戦闘が発生しているか? 魔力を用いた罠は? などを見て判断できるようにした状態で回避を行い、アルヤァーガは逆に魔力の反応が薄い場所へと向かった。
 なぜならそこはまだ激しい戦闘が始まっていない証だからだ。
 そこの盗賊を撃破するべく動けるのがソロのメリットだ。
 言葉を交わす相手もいないため無言で次々に通常の盗賊を倒していく。
 アルヤァーガはマギアシューター。
 機械化した盗賊とは相性がよろしくない。
 機装:マキアスアーマーV1で身を守りつつ雷迅石【隼】【稲妻の矢】を装填した銃モードの凪の鬨を用いて、射撃音のしない高速の雷弾を叩き込む。
 実際に戦闘に突入した後は正面からでは当たり難いだろうことからスクールオブフィッシュで雷を纏う魚として5匹発射して確実に命中させ数を減らす。

「銃の効果でただでさえ雷迅石による速い初速から更に加速する上、着弾すれば貫通と吹き飛ばしを同時に行う……この相乗、貴方達に止められますか?」
「舐めるなァ! お前が仕留めているのはどれも機械化した盗賊じゃねぇやつらばかり、つまり、俺みたいな機械化したタイプを倒すことはできないってことだ。お前らかかれ!!」

 唯一の弱点を見破られたところでアルヤァーガがやることは変わらない。
 通常の盗賊も砂漠での生き残りを賭けた命がけの生存本能でやや不利なのを隠して格上として演技をしながら、距離を強引に詰めてきた機械化した盗賊めがけて輝神教会式護身術の足さばきと防具の防御力でしのぎ、反撃にダークスティンガーを叩き込む。

「この距離ならどうにかなる。そう思いましたか?」
「う……ぐ……」
「(この立地は直線に有利な構造に今立っていますね。でしたら)黒き雷迅を以て、全て貫いてみせましょう」

 狭い通路に追い込んだのは盗賊側だが、それはアルヤァーガにとってもありがたいことだった。
 輝煌天翼で以て翼の魔力を解放すると最大出力のダークスティンガーが一直線に放たれる。
 雷迅石【隼】に銃型の凪の鬨の速度の乗ったダークスティンガーは如何ほどのものだったのだろうか。
 狭い通路に群がっていた盗賊は皆すべて倒れ伏せ、そこに立っているのはアルヤァーガただ一人であった。



◇          ◇          ◇




 それぞれが盗賊団を討伐するために派手に暴れる中、真希那は未だにリザードマンの姿を探していた。
 数の減った今ならばきっと見つかると信じて。

「見つけたぜ! この一瞬、一撃に全てを掛ける!」

 様々な盗賊に紛れて一体様子の違う盗賊姿に目を付けた真希那はそいつを統率者と認定。
 このチャンスは一度しかないと言っても過言ではない。
 だが、やらないわけにはいかない。
 逆鱗甲【アドバーシティガントレット】の力を開放し、極限まで追い込まれて溜まった魔力を筋力に変換。
 敵陣を駆け抜けて統率者まで辿り着いた一瞬の間。
 限界まで加熱された灼炎のイーラで切札のシェルブレイクを放つ!

「オレを見つけ出したことは褒めてやるよ。だがな、詰めが甘いな!!」

 反射結界を無言詠唱で展開させ真希那のシェルブレイクを結界で受け止め、進行を食い止める。
 そして反撃とばかりに「連唱Ⅱ」した「浄火」を飛ばしてきた。
 それにはさすがの真希那も回避に専念せざるを得ない。

「くそ!」
「ふふふ。楽しいなぁ。詠唱時間をカットして無数に放てる魔法は気分が良い。だが、思いの外盗賊が削られたな。アイツらを解放せねばあの機械を奪い取られてしまうやもしれぬ。出てこい! メタルゴブリン! メタルオーク!」

 リザードマンに命じられて出てきたのは文字通りメタル化したゴブリンとオークだ。
 メタルゴブリンの持っている武器も棍棒や剣に偽装した遠距離武器の機装であり、基礎的な機導式を組み込んだ機導も使えることが窺える。
 メタルオークの方も巨体かつメタルゴブリン以上の機械化率となっており、体そのものが機装と言える状態だろう。
 数にしてメタルゴブリン十数体に、メタルオークが2~3体程か。
 このリザードマンが控えに隠していない限り。

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