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機械帝国攻略戦 その後

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機械帝国攻略戦 その後
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いざ出発! 強行突破の砂花の輝き


 あの大きな戦いが終わり、帝国は崩壊。
 しかし、旧帝国領にあった施設のいくつかは盗賊や魔族に強襲され、彼らのアジトして使われていた。
 散り散りになった残党の砂漠の盗賊や魔族たちが各地の施設を襲い、占拠している状況は無くなっていないのだ。
 今回の依頼で冒険者が向かう施設は、かつて南部侵攻の戦力が集められていた整備場である。
 内部は広く、機械兵の武装テストに用いられていた演習場もあり、大型の乗り物も入れるだけのスペースが存在する。
 その中心部には機械兵の生産工場ではないが、機械化改造を行うための装置があり、メタルゴブリンやメタルオークはここで生み出され盗賊団に利用されていた。
 それだけではなく、何人かが興味本位で装置を起動し、適当に操作を行うことで機械族化してしまっていた。
 ここの盗賊団はただの砂漠地方にならどこにでもいる盗賊に混じって機械族の特性を持つ盗賊が存在する混成盗賊団となり、混ざりに混ざった盗賊団をまとめ上げているのは中級魔族のリザードマンのダークプリーストである。
 そのダークプリーストリザードマン、マザラムもヴァイスに蹴散らされた魔族の生き残りで、体の半分以上を失ったため、機械兵のパーツで補うことで、辛うじて生き繋いだ経緯があった。
 そしてマザラムは身体に機装とコア・クリスタルを埋め込んだことで、無詠唱で術式を発動することができるようになったことでそれはもう調子に乗っていた。

「ヴァイスにはしてやられたが、この装置でオレは生まれ変わったんだ。どうよ、この無詠唱による魔法の威力は」
「へへ、さすがマザラム様だぜ。無詠唱でここまでの術を使えるのはそういませんぜ」
「だろう? オラ、どんどんメタルゴブリンやメタルオークを生み出しな。数があるに越したことはないからな」
「へい!」

 マザラムは部下の盗賊にそう指示を出し、どこかから持ち込ませた椅子に踏ん反り返って座って様子を眺めていた。



◇          ◇          ◇




 【砂花の輝き】は依頼に向けて下準備を行っていた。
 簡単に言えばアッシュムーン・セラフヨウ・ツイナのシャイン・テクニカル【機装:ヴァーゲンブルク】の整備をしていたのだ。
 シャイン・テクニカルにはシャイニングスパイク【ミストスパイク】とチーズメーカーを取り付けられ改造されている。
 吸着式極光タイヤ【アクセルシューズ】も取り付けたかったようだが、吸着式極光タイヤはタイヤの名が付けどもそれはシューズから出現する大きさのタイヤであることには変わりはない。
 車に取り付けられたとしても壁に貼り付けるような吸引力は発揮できないし、車のタイヤサイズにもなれたりはしない。
 無念。吸着式極光タイヤによる縦横無尽に駆け巡るシャイン・テクニカル作戦は泡に消えた。

「おぉ、アッシュムーン殿。車両のメンテナンスをしていたのでござるな。大きい重火器でござるな……。ほぉ、幌の間から狙えるようにしたのでござるな」
「久しぶりの砂漠遠征じゃからな。念入りに整備させてもらっておるぞ。見よ、吸着式極光タイヤ……は取りつけられんかったが、シャイニングスパイクはきっちりと車体に取り付けてある。チーズメーカーの動きも鈍ってはおらなさそうじゃな。幌の間や車の後ろに取りつく者があらば穴だらけに出来ようぞ」
「すごいでござる! さすがアッシュムーン殿だ」
「さて、整備も完了、動きに問題もなし。いつでも出られるぞい」

 アッシュムーンに保障され、ヨウのシャイン・テクニカルに小山田 小太郎睡蓮寺 陽介邑垣 舞花ノーン・スカイフラワーが乗り込む。
 ファイアヘッズ・トランスポーターもシャインオブファイア【機装:サンドキャリッジ】にスクレーパーベルトを取り付けるとサジー・パルザンソンを乗り込ませ、ヨウの後ろについて追いかけるように走り出す。
 さらに鎧馬:瞬【アーマードエクゥ】と人騎一体した堀田 小十郎がそれに続くように手綱を操りヨウのシャイン・テクニカルに追随する。
 先導するヨウのシャイン・テクニカル内に座る舞花はマギアビジョンと位置把握での気配察知に意識を集中していた。
 射撃用ではなく戦場を見通す能力としてのデッドマスターも駆使して舞花は仲間達を導いていく。
 気配察知に特化させた力があれば賞金首となった青の四騎士であったインディゴラピスヒンメルとも出会えるのではないかという打算もあった。
 小太郎がどうやらヒンメルと話したいらしく出来れば見つけてあげたかったが、そう簡単に見つけ出すことは叶わない。
 当の小太郎は舞花にも伝えたように噂に聞いた上位個体の賞金首達……空船で戦ったヒンメルと相まみえられたら伝えたいことがあった。
 それはただの願いでしかないかもしれない。それでも小太郎は想いを紡ぎたかった。
 願わくば……リーラのように手を取り合える関係になる事を。
 その願いを叶えるためにも小太郎はあえてレゾンデートルで気配や魔力を敢えて最大にして敵の注意を惹くように気配を大きく広げていく。

「一気呵成に攻め込みます……貴方達の相手は、自分達です」

 そして乗り込んだ敵のアジト。
 舞花は変わらずデッドマスターでの観察力を活用して周囲の敵の位置を把握し、砂花の輝きが撃破目標とするリザードマンまでの比較的、敵の抵抗の薄い所を突くように強襲ルートを考えて運転手のヨウに助言しながらも上位個体組を探し続けた。

「ヨウ! 邑垣が、索敵をしておる。その指示に沿って進め! 道を切り開かねばならぞい!」
「敵陣を正面から突っ走るは戦士の誉れよな。クリスタル殿、遅れずついてくるでござる!」

 ヨウは舞花の指示に従って高等操縦の技術で持って、敵の攻撃を回避あるいはスピードを維持したまま方向転換し盗賊達を弾き飛ばす。
 周囲にリザードマンの姿ない。
 目標対象がいないのならば奥へ進むだけ。
 レゾンデートルの陽動でヨウとファイアヘッズの強行突破を支援し、迅速に目標の下へ到達する為、同時にヒンメルに小太郎という自分の存在を示し接触を図るために、小太郎はプレザージュでもインディゴたちの気配を探っていた。
 それでも彼らの気配は微塵も掴めない。

「車ごと突っ込んでくるなんて聞いてないぞ!」
「止めろ止めろ!」
「絶対にマザラム様の所に通すな!」
「ほっほ、この重火器に狙われれば不用意に顔など出せぬわい。この車について来させる訳にはいかぬからな」

 侵入者に気づいた盗賊団が現れればアッシュムーンが出鼻をくじくように、チーズメーカーを発射。
 テクノクラッカーの技術で機械化した盗賊の弱点へ狙いすませた支援砲火で足止めすれば気分もよくなってしまう。

「こうなりゃ魔法で押し留めろ!」
「フッそう簡単に私のシャイン・テクニカルを止めることは出来ぬでござるよ!」

 ウォーロックの機導式など死の嗅覚で感じ取り、機導式【耐黒防壁】を車体に展開し防げばよろしい。
 ヴァンガードの物理的な攻撃も機導式【多層結界】を使用して被害を減らし、そのままドリフトをかましながらヴァンガード盗賊を吹き飛ばしつつ回避というよりも車体の体積を生かした轢き逃げで舞花の指示に従って奥を目指す。

「ハードコアも相まってよほど硬いでござるが。最良は避けることでござるな! ぶつかった場合はすまぬ!」
「ほっほ、前に立ちふさがるなら、遠慮せんからの。スパイクも十分に機能しとるし、スピードも落ちてないわ。恐ろしいじゃろう? ハッハッハ! ほれ、幌を外せ! チーズメーカーで道を切り開いて見せようのう!!」

 アッシュムーンはフューリープルーフゴーグル【サンドプルーフゴーグル】を装着し、風の抵抗から目を守りつつ幌を外させ援護攻撃の技術で持ってチーズメーカーを使い暴れに暴れていく。
 もう正体を隠して撃ち込む必要は感じられないのだから。

「なら向こうのサンドキャリッジだけでも止めてやる!」
「あら、ヨウさんが無理なら私の車ならやれるとでも? では少し痛い目に遭ってもらいましょうか」

 ファイアヘッズもクリスタルハードコア【CC:ハードコア】の魔力をシャインオブファイアに流し、車体に魔力によるシールドを展開して防御力を上げた状態でインピードノイズを放射。
 動きの悪い機械化した盗賊に向かって加速させた車ごとマスアタックを繰り返す。
 変に機械化なんかしたばかりにインピードノイズが耳に響くのだ。

「後で修理する手間に泣くことになるのは確定なのですが……。この修理代は誰に請求したものか。ヒンメル達の情報代を売り払って、砂花の輝きの武器・防具の修理代に当てたいですが……しかし、それをやってしまえば確実に信頼は得られませんからやはり別の補填を考えましょうか」
「クリスタル! ここのリーダーのところまで連れていけ! 奴を撃破するのは俺がやってやるぜ」
「今のところその情報はないですね。強行突破を図っている最中ですから、ここで派手に暴れていれば自ずと向こうからやって来るのでは?」
「むっそれも悪くねぇな。おっしゃー! 出るぜ!! はっはァー!! さぁ、戦うかぁ!」

 サジーはファイアヘッズの車から降りるとすぐに巨大化のキシリットを服用し、すぐさま鬨の雄叫びを上げた。
 グレートデーンアクス【ブラックバットラックス】を握りしめ軽々と振り回せるのは巨大化したこの体と狂戦士の膂力、そして機導式【強靭Ⅱ】のおかげだ。
 邪魔をするなとばかりに例え何者であろうとも、頭の上から叩き潰し、あるいは横から広く薙ぎ払ってしまう。
 どれだけ攻撃をぶつけられても、斬りつけられてもマキアスシェルアーマー【機装:マキアスアーマーV1】の耐久性とスピリットオブガッツで立ち続けるまさにごり押しの戦士であった。

「機械兵から奪ったこのマキアスシェルアーマーでの耐久は確かに優れているが、それに勝るのは何だと思う。血と……それにより猛る意思、スピリットオブガッツだ。俺の心は不屈だ! 何度でも立ち上がる。お前を叩き潰すために!」
「ダメだ! こんな巨人じゃ相手にならねー!!」
「車もエクゥもな!」
「誰かこいつらを止めてくれー!」
「祈りをここに……打倒を以て、赦しを示さん」

 小太郎はレゾンデートルで引き寄せられた盗賊に向かってプレザージュで危険予知し、パニッシュメントクロス道を切り拓きリザードマンを探していく。
 この盗賊団は首魁たる魔族によってまとまっているだけの烏合の衆。
 ならば早急に打倒してしまえば後々戦いやすい。
 今だけはヒンメルのことは頭から追い出す。
 どれだけ盗賊達との打倒を協力できるかもしれないという希望があっても。
 会えない存在に気を削ぐことは戦闘中ではそれだけ死に近くなるということだ。
 本当ならばヒンメルに会って話をしたい。
 彼らが機械族の悪評が立たぬよう人をなるべく害さないよう動いているように感じたから。
 傷つけあった事実は覆らずとも……これからもそう在らねばならない決まりはないのだから。

「盗賊達を野放しにはできないし、蒼の四本槍の面々と手を取り合える……少なくとも敵対せずに済むのなら、それが一番だろう。確かに危険が伴うが……後は彼方が小太郎さんの“呼びかけ”に応じてくるか次第。私はどちらに転ぼうと皆に迫りくる脅威から護り、道を切り拓くのみ。だから小太郎さん達は、その想いを……その信念(イノチ)を貫いてくれ。その為の道は、私達が抉じ開けるとも。そうだろう、陽介?」

 小十郎はぽつりと言葉を吐き出し、道を切り拓くために前線に立つ。
 道中小太郎がレゾンデートルで敵の注意を惹くために群がる敵を、彼は守護壁:幻想演武【冠紋の大盾】によるグレートウォールにて遮り護る役目を担っていた。
 そして強行突破し突入した今、やることと言えば。

「アイツなら車じゃねー! まとめてかかればやれるぞ!!」
「守護の剣は、皆を護る誓いと共に……その祈りを届ける一助となろう」

 強行突破は今も続いている。
 ならば己はそんな彼らを守るのが役目。
 人騎一体となった鎧馬:瞬で仲間の間に入り込みグレートウォールで護り抜くこと。
 ヨウとファイアヘッズの車が止められないのならと盗賊が小十郎の鎧馬:瞬に群がるのも無理はない。
 どのような結果になろうとも、機械族を掌握する盗賊達を退けその首魁たる魔族を打倒する役目は必ず果たすために小十郎は機装:守護の剣【機装:ナーゲルリング】を取る。
 小十郎の守護壁:幻想演武【冠紋の大盾】を構えたグレートウォールを抜ける盗賊はどこにもいない。
 固く堅牢でありながら仲間のピンチには【機導】守護の剣で「加速Ⅱ」して割り込むと「自動迎撃」の防御結界の展開を加速させカウンターを繰り出す。
 防御を最大の好機に変えて、小太郎やサジーの攻撃に繋げるために。

「っへ、言うじゃねぇの。まぁ小十郎の言う通りだ……いっちょ、頑張りますかね!!」

 陽介も小十郎の言葉に触発されるように、ヨウの車に乗りながら機導による魔力の回復支援に当たった。
 機装:灯火の杖【機装:ツァオバースタープ】の【機導】『illuminate your path』で。
 「硬化Ⅱ」の物体強化及び防御時の機装への負荷軽減に「強靭Ⅱ」の魔力のオーラによるダメージ軽減及び筋力増強を咥えた機導式。
 その二つの『強化系』機導式を含んだ「魔力補給Ⅱ」の魔力回復を施す魔力弾を放つそれはとても負荷の大きい機導式だが、それをカバーするように灯火の杖とCC:デュラブルコアの特性にて両立させた完全支援型機導で陽介は全力でサポートする。
 陽介の機導が魔力を補充する魔力弾だとすれば、ノーンの方は完全に幌の外れた荷台の上からヒーリングビーム改【機装:ホワイトコーリング】の機導である回復光線を戦う者者に撃って撃ってガンガン癒していた。
 「治癒」と「光線」の機導式を合わせることで実現したハイスピードで回復着弾ロスを減らす。
 時折大サソリのアヒージョを口に含み魔力を補充し全体を支える。
 魔力、体力面を二人がかりで支え合う陽介とノーンであった。

「ヨウの車は揺れが少ないから特に技術がなくても乗ったまま機導が使えるから助かるぜ! さあ、パレードはまだまだ続くぜ!」

 パレードの演出が如くフォルテで灯火の杖を操り、機導の魔力弾とその演出で陽介は皆を元気づけていく。
 その陽気さで陽介は強行突破をノーンとは違った方向性で支えていた。
 コアに魔力をストックしておき、もしもの時のためのローズエリクシルも持ち込んでいる。

「皆への支援の灯火は絶やさないぜ!」

 3つの強行突破隊は盗賊達を蹴散らしながらどんどんとアジトの奥へと進んでいった。

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