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機械帝国攻略戦 その後

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機械帝国攻略戦 その後
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■エピローグ■



――砂漠地方南部、湾岸都市ラボエ。

「クラーケンってこんな味なんだねー。ってか君、食べて平気なの?」
「機械化されてるといっても、半分以上は生身よ。
 魔力補給だけでも支障はないけど、せっかくなら美味しい物は食べたいじゃない」

 対抗心を燃やし合っていたカリンとヴァイスだったが、いつの間にか横に並び、普通にクラーケン料理を一緒に食べていた。
 
「アイリーン、その変なヤツ、何?」
「昔、転生者が作り方を伝えた麵料理なんだって」

 アイリーンが持っているのは、イカ焼きそばならぬクラーケン焼きそばである。
 アガサが作り方を知っていたというが、教会は転生者由来の文化も記録しているらしいが、ソースを一から作るのは手間だったらしく、塩ベースであった。

「ふぅん。……ちょっとしょっぱくない?」
「そう? 味が薄いよりもいいと思うけど。エールにも合いそうだね」

 カリンが焼きそばを受け取ると、アイリーンはカリンとヴァイスの間に入った。

「夕陽が綺麗だねー」
「そうだね。こうやって海の夕焼けを見るの、いいよね」
「……いい景色ね。こういうの、わたし見た事なかったわ」

 そう言ったヴァイスの顔は、どこか寂しそうだった。

「魔界って、やっぱりこうくらーい感じなの?」
「まぁ、そうね。明るくなんてないんじゃないかしら」

 教会勢の事を気にしつつ、ヴァイスは言葉を選びながらカリンに告げる。
 
「……まぁ、わたしが魔界のことなんて気にしてもしょうがないんだけど」
「魔界は闇の世界、なんて言われてるけど、本当のところはどうなんだろうね。
 ヤバいのは結構いるけど、なんだかんだんだ話せるのはいるし、それに」

 魔界の民も、世界が分かたれる前は今のような姿ではなかった。
 魔界で生き延びるため、環境に適応する中で“魔族”となった。

「人伝に聞いた話だけどねー。ただ、過酷な環境で生き抜いてきたっていう自負があるから、魔族は人族を下に見ている。
 そんな感じみたいだよ」
「へぇ……まぁ、確かにあのブロンソンとかいう人は態度はともかく、結構話せる人だったからね」

 カリンが口にした名前に、アガサたちが反応した。
 魔人ブロンソン。おそらくは既にこの地を去ったであろう、上級魔族のダークプリースト。

「それでも、魔族は基本的に相容れない存在です。
 分かり合えるなどという甘い考えは身を滅ぼすと、頭に刻んでおいて下さい」
「そうね。“分かり合える魔族”なんてのは、きっと魔界じゃ爪弾きにされてる変わり者よ」

 挑発的にヴァイスが笑うが、アガサも彼女の正体には気づいているのだろう。
 そのヴァイスはアイリーンの顔を見ているが、彼女もまた何で自分に聞く? みたいに首を傾げていた。

「カリン、随分と楽しんだみたいですね」
「あ、ハイネ! 仕事は終わったんだ」
色々とありましたが、まぁ何とか戻って来れました。
 とはいえ……勝手なことをしてくれたんですから、後で少々付き合ってもらいますよ」

 仕事から解放されたハイネが、水着姿のままやってきた。

「う、うん、ごめん。とりあえず焼きそば、食べる?」

* * *


 それからしばらくして、陽が沈んだ頃。

「やあ、リーシアちゃん。どうしたのかな?」
「とぼける必要ないよ、アイリーン。君の正体を私は知っている」

 リーシアはアイリーンを呼び出し、二人で海を――内海のウェール教国の方をじっと、見つめた。

「あたしもリーシアちゃんが何者か、知ってるけどね。
 その喋り方も見た目も、あの子から引き継いだのかな?」
「その認識で間違ってないよ。彼女との約束だからね。
 もっとも、精霊というのは契約者の影響を大きく受けるものだ。
 彼女が私に、自分に代わることを望んでいたのだから、私はこうなったのさ」

 竜神の巫女で現在も変わらずに存在しているのは、アクロノヴァただ一人。
 もっとも、彼女もまた原書に繋がれた魔王であるため、かつてと同じというわけではない。

「十三番目の魔王。
 世界の全てを愛する君が、世界を壊す業を背負わなければならないとは。運命とは残酷なものだよ」
「そうかな。あたしは別にそう思ってないよ」

 アイリーンは微笑んだ。

「変えられないものなんてない。あたしはそれをよく知っているからね」




【機械帝国攻略戦 その後 完】


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担当マスターより

▼担当マスター:クリエイティブRPG運営チーム

マスターコメント

『クリエイティブRPG』運営チームです。
「機械帝国攻略戦 その後」のリアクションをお届けいたします。

パブリックシナリオは、アクションを投稿しているか、
アクションを投稿していなくても「・アクション投稿しなくても登場を希望」の項目にチェックを入れた場合、基本的にリアクションに登場しています。
基本的にPCは1シーンに登場していますが、シーン分割の関係で数ページに渡って名前がある場合もございますので、リアクションを読み進めてご確認頂ければと思います。

個別コメント、称号が付与されている場合はお知らせがありますので、併せてご確認ください。

今回、下記の方々が各種報酬の付与対象となりました。
※今回は追加貢献点とザンテンブルク冒険者手形のみとなります。ご了承下さい。


■追加貢献点(今回は一律2点となります)
★パーティ(GA)
※シナリオに参加しているPCで加点されます。

砂花の輝き
ズィールユニオン


■ザンテンブルク冒険者手形1枚
GAの場合もアカウントにつき1枚となります。
★パーティ(GA)

サンドリップル
六文字隊

★個人
天峰 真希那(SAM0006655)様
エリカ・クラウンハート(SAM0057001)様
マリアベル・エーテルワイズ(SAM0010518)様
桐ヶ谷 遥(SAM0001072)様
綾瀬 智也(SAM0039884)様
キョウ・イアハート(SAM0004239)様


最後に今回のリアクションを執筆したマスターからのコメントをお送りします。


【1】【3】 担当:冬神雪羅

この度は『レヴァナントクロニクルⅡ 機械帝国攻略戦 その後』に参加下さりありがとうございます。
改めまして、【1】ザンテンブルクで過ごす【3】盗賊・魔族退治を担当しました冬神雪羅です。

【1】のような完全自由行動というのは久しぶりにやらせていただいたように感じます。
プレイヤーの皆様ごとにNPCへの思い入れはそれぞれということですね。

【3】では人間の盗賊、機械化した盗賊、メタルゴブリンとメタルオーク、そして無詠唱で魔法を使えるリザードマンと多種多様な敵を相手取りつつ、奇跡的にインディゴ、ラピス、ヒンメルが共闘してくれるという熱い展開にGMも胸が高まりました。

またの機会がありましたら、参加してくださると嬉しい限りです。
それでは失礼します。

【2】【4】 担当:陽下 捻

【2】【4】を担当いたしました、陽下 捻と申します。
戦後の出来事ということで平和な日々を過ごせそうかなと思ったらそうでもなく、【2】では戦後復興にてんてこまい、【4】ではバカンス先で大事件という大変な慌ただしさでございました。個人的には旅行先で天災食らうのトラウマになっているので【4】のほうが精神的に来るのではと思っています。
【2】は自由度が高めで色々なことができましたが、参加された方みなさま共通でマキアシュタットという街に住まう人々への優しさに溢れたアクションばかりでした。リーラも優しい人ばっかりで戸惑ってそう。
と言っても機械族の問題は解決したわけではないようですので、リーラはこの先も悩みながら視聴を続けることになりそうです。こればかりはスパっと解決する方法がなく、時間が必要になることですから仕方がないですね。
【4】はどうしようかなと思いました。触手と水着。こんな相性のいいもんはない。
そういったリビドーを抑えつつ、食欲に転換することで何とかリアクションを書きました。
正直に言いますと、このパートクラーケンそっちのけで水着NPCとの握手会になるのではと思いましたが、そんなことはなくクラーケンはしっかり撃破されました。チャンスだったのにな、クラーケンくん……。

それでは、この度は当シナリオにご参加いただき、ありがとうございました。
またの機会がございましたら、どうぞよろしくお願いいたします。