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機械帝国攻略戦 その後

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機械帝国攻略戦 その後
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盗賊退治 4


 インディゴは楽しんでいた。
 賞金首になってからも戦いの連続であったが、狙われたから反撃する(売られた喧嘩を買う)のと自分の意志で戦いに参戦するのでは全く感じ方が違っていた。
 今はただただ戦闘で発生する様々な高揚感に身を委ねている。
 無詠唱で魔法を使うからどうしたというのだ。
 こちらは機導もさることながら高い剣の実力も持つ実戦のプロだ。
 やりようはいくらでもあった。

「よぉ元気そうで何よりだ。お前らとの共闘でこんなヴュステラント聖十字章なんか貰っちまったよ。その恩は返させてもらうぜ」
「そうか、それは悪かったな」
「全然思ってないだろ、この指名手配犯」
「わふ? インディゴさん達が指名手配……?」

 アレクス・エメロードの言葉に引っかかりを覚えたのはルルティーナ・アウスレーゼだった。

「はっ!? 四本槍なのに剣を使ってたからですねっ! 嘘ついたりするから、指名手配されるんですぅ!」
「………………」

 空風が吹くとはこういうことか。
 ルルティーナの発言に誰もが言葉を失った。

「……わふ? なんで皆さんそんな残念そうな眼でわたしを見るんです?」
「これだから駄狐は……」
「あー! アレクスさん、また駄狐って言いましたね! わたしのどこがダメなんですかっ! こんなに毛並みも艶々で、もふもふしっぽの狐さんなのにっ! そだ、カルシウム採りましょうカルシウム。そしたら、不機嫌そうなアレクスさんもきっと明るく───あ、痛ったぁい! 今度は、げんこつしましたね!? おバカになったらどうするんですか!」
「はっ今更だろ。ちょっと煩いから黙ってろよ」
「いーやーでーすぅ! だいたいアレクスさんはいつもいつもわたしをなん「黙らないと狐鍋」
「ぴいいいっ! 狐なべはだめですうぅぅ───へぷっ!?」

 アレクスから逃げるべく前方へ走るルルティーナ。
 だがここは戦場だ。
 現状に気づいていないのは彼女だけだ。
 遠距離からのリザードマンの無詠唱術式で吹っ飛ばされたルルティーナは「わぴゅっ!」と変な声と共にぽてっと倒れてしばらく気絶した。
 それでも戦闘は続く。
 それだけなら全くよかったのだが。
 ルルティーナはしぶとかった。屈強な肉体を甘く見てはならない。
 すぐに気絶から舞い戻りアレクスを睨みつけた。

「痛ったあい、ですぅ! 天賦がなかったら大怪我でしたよ! もうっ! 誰ですか! わたしを吹き飛ばしたのは! って、いつの間にか戦闘始まってます~!?」
「ようやくかよ……全く……はぁ」
「わふ~! わたしも混ぜてくださぁい!! ………わふ?」

 勢いよく宣言したかと思えばじぃ~っとリザードマンを見つめ始めるルルティーナ。
 その目は異様に光っていた。

「な、なんだよ……気持ち悪い目で見てきて」
「半分機械の蜥蜴さん………あはっ♪ かぁいいですぅ! 珍しいですぅ! いざ、リリカル~コメーット! ……に、とぅっ!」

 かぁいいモードに突入した彼女はリリカルコメットを作り出し飛び乗る。

「おっもちかぇりぃ!!! でーすぅ!!!」
「はァ!?」

 リザードマンに隕石ごとダイブし爆発したのにルルティーナはリザードマンから目を離さない。
 だってかぁいいから。

「さぁ、いっきますよう! 二重機装、テネブリスコア、全開ですう!」

 二重機装(武器)で2つのグラシアスソード【機装:ナーゲルリング】でCC:テネブリスコア【CC:テネブリスコア】を全開にして接近戦にかかる。

「な、なんだ!? アイツに捕まっちゃなんねー予感がビンビンに伝わってくる!! 近寄るんじゃねー!!」
「いーやーでーすー。こぉんなかぁいい半分機械の蜥蜴さんはおもちかえりするのですから!」
「勘弁してくれ!! お断りだ!!」
「こちらこそお断りをお断りです! いいですねぇ、この融合したパーツ……惚れ惚れしちゃいますぅ」

 無詠唱で機導式を放っていくがルルティーナは諦めない。
 絶対にお持ち帰りするために。

「いいよ、ルルちゃん! あのリザードマンはとっ捕まえてリーラちゃんに賞金首になっちゃったインディゴちゃん達、三人の減刑と市民権獲得を連合議会に願う交渉材料にするから。みんなもできるだけ殺さないで生け捕りにして欲しいな」

 【リトルフルール】のリーダーにして戦戯 シャーロットはそんな考えを共有させた。
 最低でも【リトルフルール】だけは生け捕りを目指して。

「まさかあの時の2人が賞金首になっちまうとはねぇ。ボーデン解放の立役者なのは伝えたつもりだけど……束縛を嫌ったか、ヒンメルって子が人族と仲良くって方針には賛同できなかったか……かねぇ?」

 そう呟いたのはシェリル・スカーレット

「それなりにやり合ってるから禍根がないとはいえないけど、機械族なら利点を示せば合理性を取ってくれたら幸いさ。ってことでいつも通りバフかけにいくぞ!」

 ラプソディアからのコール&レスポンスで仲間内の掛け合いを行い強化し、全体にコール&レスポンスが行き渡ったと感じたら次は狙いをリザードマンの方へ向ける。
 風祓の翠晶で魔力耐性を吹き飛ばし、四元の杖【操素杖】とノームジャケットで強化した重圧力場で動きを封じにかかり、そのまま魔封の歌で集中をかき乱し術を封じにかかる。
 また沈黙にさせる魂胆かとリザードマンもレジストしようとするが歌というのはたった一人に向けて歌っていたとしても効果は広範囲に渡るものだ。
 先程のようにレジストシーリングだけでは沈黙から守れなかった。

「ちっ」
「あとは煮るなり焼くなり好きにしな。火霊だけにね。インディゴくん、魔族が機械族に手出しできなくなるよう、しっかり教えてあげるといいと思うさね。ははは」
「それも悪かねーな! あまりにも魔法に関して無知すぎてほとほと困っていたところだ。もっと俺を楽しませろよ!」

 無詠唱だとしても詠唱を省いているだけで詠唱そのものは0と1の狭間に存在する。
 無詠唱攻撃というのは万能ではないのだ。
 「重圧」に「浸透」を乗せた「炎刃」を乗せた剣でワールスラッシュによる加速でリザードマンの皮膚に様々な傷を与えていくインディゴ。
 シャーロットはその隙にアレクスのオータスシェルター内から飛び出しナイトレイドで強襲聖雷砲にショックアロー装填しデッドマスターを撃ち込む。

「機械化したら機械化したで、ショック状態って弱点ができるんだよね☆」
「畳みかけろ!」
「任せられた」
「大和さん、行くですよ!」
「いっけー! ざくざくおっかけだぶるびーむ!」

 一番に魔法をで仕掛けたのはアウラ・ウェンティス
 びりびりのつえ【機装:紫電の機杖】による【機導】ざくざくおっかけだぶるびーむを撃ち込んで痺れさせる。
 「追跡」の付いた「光線」を「連唱」し、その光線は「旋風Ⅱ」となって斬りつける。
 びりびりのつえその物が電気を帯びた機導杖となっているため【機導】で機械族の魔力耐性を突破し、機械の身体をショック状態に陥らせることが可能なのだ。
 後々ヒンメルとも話してみたいと希望を残して。
 ラピスとは気が合いそうだし、「いんでご」はしゃべってておもしろいからまた話したい。
 アウラは三人の賞金首が賭けられた状況から彼らを庇護したい欲を持っていた。

「なーんで機械化なんかしてくれちゃってるんですかねぇ……機械化してないならエレメンタリストで来れたのに……」

 この盗賊団の一番強いところで上級冒険者というのもどうなのだろうか。
 それだけの強さがあれば普通に生きていくこともできただろうにと思わずにはいられないのはアイ・フローラだ。
 その感情を押さえ込んで戦闘では機導式【毒牙】で物理攻撃に対して弱体化を狙って何度も黒い霧のような蛇を放っていく。
 シャーロットとアウラによってショック状態になっている上にシェリルの重圧力場で動きを封じている今がチャンスなのだ。
 今のうちに流し込めるだけのCC:テネブリスコアも織り交ぜた腐食の術式を噛みつかせる。

「威力を上げすぎて殺してしまうことのないよう、集束の度合いを加減するのは初めてか? 敵の防御を打ち破る一撃で昏倒させるのが基本的な方針になるな」

 そして草薙 大和草薙 コロナはシャーロットの命令通りリザードマンを殺さない程度に痛めつけ捕獲するために大和は威力を上げすぎて殺してしまうことのないよう、集束の度合いを加減しつつ、敵の防御を打ち破る一撃で昏倒させる術式、衝撃を一点に集束させ、凄まじい威力を誇る一撃を繰り出す【機導】術式:集爪裂刃でリザードマンの昏倒を狙う。

「難しいことをシャーロットさんは言いましたが、ようは敵の攻撃を抑え込みつつ、一人ずつ斬り伏せていくだけですね」

 コロナも同様に大和の集爪裂刃と入れ違いで【機導】集爪散刃を繰り出し威力を見せつける。
 同じ刀でありながら名称の違うクリークスメッサー:アムニス【機装:クリークスメッサー】とクリアブレード:イグニス【機装:クリアブレード】。
 組み上げた術式も「衝撃波Ⅱ」と「集束」は等しく同じで「貫鉄」と「破防」が交互にレベルの違う術式となっているだけのほぼ同じ構築式をCC:アムニスコアとCC:イグニスコアに刻んでいる。
 リザードマンのピンチに駆け付けてきた盗賊も二人の連携とその威力に警戒心を抱かせた。
 痺れと重力から抜け出すまで彼らはリザードマンを守るように攻撃を仕掛けてくる。
 だがそれでいい。
 矢面に立つことこそが二人に与えられた役割。
 あとは丁寧にシャーロット達の援護を受けながら集団と斬り結ぶだけだ。
 大和はトータスシールドで攻撃を受け流し、コロナや後衛の面々の攻撃に繋げるという手段も、積極的に使っていくのに対し、コロナは敏速の指輪で素早く攻撃の威力を少し落としつつも移動スピードを大きく引き上げ、相手を撹乱しながら確実に一人ずつ斬り伏せていく。
 そしてアレクスがヒールオールで回復することで全体を支えていた。
 インディゴはどのパーティとだけ連携するなど考えずに戦いやすい場所で戦っているパーティに乱入して場をかき乱している。
 とても自由な戦士だった。

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