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機械帝国攻略戦 その後

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機械帝国攻略戦 その後
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盗賊退治 3


「どうだ! これだけのメタルゴブリンとメタルオークと戦う気概はお前達にはあるか? ないならさっさとここにある装置を諦めて尻尾を巻いて逃げ出すんだな!!」

 確かに先程の盗賊、機械化した盗賊に比べれば厄介な相手だ。
 だが、一度引き受けた任務を放棄することは冒険者である者にとって断じて許容できないことなのだ。
 各々が武器を握りしめ出方を窺っていると、どこからともなく重低音の声が響いてきた。

「なにやら面白ェことになってんじゃねーか! 俺達も混ぜてくれよ!」
「そうだね。あの巨体のデブとか吹き飛ばしたら楽しそうじゃん」
「あわわっ二人とも隠れていなきゃダメじゃないですか! 私達賞金首になっちゃったんですよ……!?」
「ならラピスだけ隠れていれば? 見つかりたくなかったんでしょ」
「う~それはお二人が無茶をしないようにですね……!」
「うへぇお説教は勘弁。目の前に楽しそうなごちそうがあるのに我慢なんかしてらんないね」
「その通り! やろうぜ! 最近コソコソしてばかりでいい加減飽き飽きしてたんだよ。ここらでひと暴れさせてもらおうぜ」
「インディゴまで……!? 分かりましたよぉ! 私も参加しますっ」
「ははっ逆に火を付けちゃったみたいでゴメンねー?」
「むー! 全然そんなこと思ってないのに謝られても余計にむしゃくしゃします!」

 まずは挨拶とばかりにインディゴがメタルオークに一太刀。
 ラピスとヒンメルはメタルゴブリンを瞬く間に瞬殺。

「なっなっ」
「俺達、案外強いんで、そこんトコロ頼むわ。せいぜい俺達を楽しませてくれよ?」

 インディゴはニヤリと笑ってみせた。
 その背後には恐らく機械化できるあの装置が鎮座している。
 その前にはマリアベル・エーテルワイズがにオータスシェルター・改で装置周囲を囲み、装置を守っていた盗賊は皆バインドクロスや聖浄の銀鎖で束縛・無力化されている。

「僕はマリアベル……マリアベル・エーテルワイズだ。“蒼の四本槍”、インディゴさんと見受けられる。一つ戯れ言に付き合ってもらえないか?」
「懐かしいな、そのセリフ。いいぜ。オレは元々お喋りだからよ。今日は気が済むまで付き合ってやっていいぜ」
「それはいい。僕はこの機械化装置を守るので精一杯。だからお願いできるかな」
「いいぜ。後ろを気にせず戦えるってのは気楽でいいもんよ」
「頼んだよ」
「任せな」

 インディゴにそう頼んだのは人間すら機械化させることが可能な装置を守るマリアベル。
 そして真希那が暴いたリザードマンがいる位置目がけてシーリングフラッシュ。
 詠唱破却出来ようと、そもそも魔法を使えなければ脅威度は下がると考えたマリアベルだが、リザードマンはレジストシーリングで抵抗することでマリアベルの思惑を外させた。

「おいおいそう簡単に沈黙できると思わねーことだな。どうするよ。装置を守らずオレと戦うか?」
「え、戦闘? 僕はするつもり、ないけれど。依頼に含まれていないからとか、そう言うの関係なくね」
「じゃああそこに転がってる奴らは何なんだよ」
「何って装置を守っていたからちょっと動けないように縛っただけだよ。僕は徹底して命は奪わないし、奪わせない。それを信条にしているからね」
「そうか、よ!」

 リザードマンは気に食わないとばかりに「水雷」を「連唱Ⅱ」。
 マリアベルが守護光壁で防げば、インディゴが前に出る。

「ラピス! ヒンメル! お前らはメタルゴブリンとメタルオークの相手をしな! 俺はコイツが良い!」
「はぁーやれやれ。自分だけ好きなのを選んじゃってさ。分かったよ! さっさとトカゲ野郎の方に行っちゃえば?」
「はわわ……わ、私もメタルオークをやるのですか……!? メタルゴブリンだけにしてくださいよ……」
「誰がひとりでやれって言っていたんだよ。ボクが抑えておくから数だけはいるメタルゴブリンをキミがやればいいじゃん」
「で、でも……ヒンメル長期戦には向かないじゃないですか。そう簡単に3体全部の相手をするのは無理ですよ」
「うぐっそれならキミだってひとりでメタルゴブリンを倒す気? 冒険者を利用すれば倒せないことはない。インディゴだってそう思ったからボク達にこっちを任せてくれたんでしょ」
「そうでした! あああの……本当に申し訳ないのですが、手伝っては貰えないでしょうか……? やっぱり……賞金首になっちゃった私達とは手なんか組みたくなんてない、ですよ、ね……?」
「何を言うかと思えばそんな問題無きに等しい! この装置が手に入れば医療器具として凄く役立ちそうなんだ。手伝うに決まっているだろう! もっとポジティブに考えた方がいいぞ!」
「あ、ありがとう……!」

 そう答えたのは【モデスト・グッド・ピープル】の弥久 ウォークスだった。

「フン。手を貸すのは当然でしょ」
「ちょっとヒンメル!」
「ハイハイ。ごめんなさーい」

 ウォークスはこの装置があれば戦闘の負傷だけでは無く、エンジニアの仕事現場で指や腕を落とす事故があった場合も、この装置が上手く医療に実用化できればどこぞの魔王の様に改種の秘宝で種族を変える手段も必要無くなる。
 まあ、あれは古の遺物、新しく作られているものでは無いが。
 機械は使う人次第で兵器にもなり得るが、そうではない未来だって作れる。
 だからこそ、この装置を回収したいと【モデスト・グッド・ピープル】は目論んでいた。
 白森 涼姫もその装置や技術を研究・応用して義手や義足、後々、目や耳と言った感覚器官や肺や心臓といった内臓器官といった医療目的の部分機械化などが出来るかもしれないと希望を抱いてマリアベルの結界の中で目利きを利用して設計図などの資料が技術書などに関する物が無いか調査を始めている。
 機械知識(砂漠地方)を頼りにアジトまで向かい、向かってくる敵にはテクノクラッカーを、味方の機装にはレディオアラートで警戒し、修繕と目まぐるしく働きながらデコトラ【機装:ヴァーゲンブルク】を走らせてきた。
 荷台にはレストアボックスとハイレンチなどの整備用のパーツが乗せられており、そこから道具を取り出してどうにか分解できないかと器用な手先をもって必死に取っ掛かりを探していくが回収することが非常に難しい、むしろ無理そうだなと気づいてしまった。

「ああもう! せっかくここに医療技術を発展させるヒントがあるのに。絶対にこの装置は壊させないわよ! 未来の希望のためにも」
「応とも! モデスト・グッド・ピープル、略してモデスト、行くぞ!!」

 ウォークスは俺は囮兼接近戦担当として灯火の鎧【イグニスメイル】で赤く光って目立ち、ゴールドバックラーでピッカピカのカッチカチになって立ち塞がる。
 走り出すのはフレデリカ・レヴィからの援護を受けてから敏速の指輪で駆け出すつもりだ。

「メタルゴブリンやメタルオークを見ちゃうとあまり良い印象がないけど要は使い方よ。今はまだ難しくても、調査や研究を進めていけば義手や義足なんかの代わりに使えたりするかもしれないわ。これからは人族と機械族の融和が進んでいく事になるんだし」

 フレデリカがウォークスが立ち塞がったのと同時に機装:シュテルンツェルト【機装:ツァオバースタープ】で魔力弾を放ってウォークスが敵に接近しやすいように牽制に入った。
 その後のもCC:トニトルスコアで強化した機導式【水雷】で水雷塊を放ってウォークスが敵に接近しやすいように援護に回りウォークスが接近戦を仕掛けやすいように間合いに入る時間を稼ぐ。
 ウォーロックの魔法攻撃は聖銀のローブ【聖銀のローブ】と天導のタリスマン【コレクトペンダント】の力で強化した反射結界で反射させ、物理的な攻撃はウォークスの灼炎のイーラとマキアスガントレットで高めた筋力で機装:ブレイクナーゲルリング【機装:ナーゲルリング】を振り回すミラ・ヴァンスが防いでくれると信じてフレデリカは魔法を反射させていく。
 そうして時間を稼いでくれるフレデリカの援護射撃を受け、敏速の指輪で素早くなった動きで、ウォークスはミラと共に敵に接近するとレガリス流剣術で灼炎のイーラを振るう。

「全く、何であんたは何時も危険な橋ばかり渡ろうとするんだわさ!」

 グラディエーターのミラはキルストリークで効率よくメタルゴブリンを駆逐していくが、ナイトのウォークスではそのようにはいかない。
 それらを埋め合わせるように灼炎のイーラが熱を帯びた刃で溶断しながらクインタプルスラッシュで削れるだけ削る。
 メタルゴブリンも持っている武器も棍棒や剣に偽装した遠距離武器の機装で、基礎的な機導式を組み込んだ機導を使ってくるので油断できない中、ラピスは双剣型の機装を操り、剣舞の動きで美しく舞うように生身の種族では不可能なトリッキーな動きでメタルゴブリンを瞬く間に瞬殺していく。
 メタルオークの方も力自慢のヒンメルがスピードとパワーを生かした戦い方でメタルオークを翻弄している。
 メタルオークの方とて巨体に見合わず強化型の機導式によって見た目の割に俊敏に動き回るため攻撃を当てるのは中々に難しいのに、ヒンメルにはそれを感じさせない動きでメタルオークの拳を受け止めそのまま投げ飛ばし、別のメタルオークを足払いし、倒れたメタルオークを足場に最後の一体に踵落としを決めていた。

「ちょっとさ! なんで皆してメタルゴブリンばっかりと戦っているのさ! ボクだけ重労働なんだけど!!」

 ヒンメルがそう文句を言うのも無理はない。
 比率がそう気づけば偏っていたのだから。
 だが、その甲斐も合ってメタルゴブリンの数は殆ど残っていない。
 同様にヒンメルの体力も残り少ない。

「済まない! フレデリカとミラの機導式で一気に押し切るぞ!」
「よろしく頼んだよ! こっちだって疲れてきてんだから!!」
「あわわっわ、私がメタルゴブリンを潰しきれないばっかりに……! すぐに一掃しちゃうからもう少し持ち堪えて! ごめんなさい!」
「とにかく手数で勝負よ!」

 フレデリカは狙いをメタルオークを中心に持っていった【機導】トニトルス・アルクスで一気に畳みかければ、ミラも残り少ないメタルゴブリンに向かってキルストリーク。
 ミラの機装:ブレイクナーゲルリングの特徴でもある「貫鉄」や「破防」なしでも機械族や強固な体を持つ魔物相手にある程度有効打を与え得られる機装に、CC:テネブリスコアを埋め込み、もとよりあった「貫鉄」や「破防」へ更に「破防Ⅱ」と「貫鉄Ⅱ」を刻み込み相手の物理・魔力的守りを突破する力を増幅させ共に「浸透Ⅰ」によって内部にダメージと共にCC:テネブリスコアの魔力汚染効果を浸透させ内外同時にダメージを与えてやった。

「最後のシメは俺の熱で変形してしまえ!」

 フレデリカの【機導】トニトルス・アルクスもヒンメルによって削られていたメタルオークを雷を纏った水矢を形成して連射することで多数の水矢を受けた相手は感電・ショック状態に陥らせ身動きできなくなったところをウォークスが灼炎のイーラの熱で手指や足の関節にガンガン叩き付けて溶断せんとクインタプルスラッシュを叩き込んでいく。
 力量からして冒険者パーティで言うところの3パーティ分程度はあったメタルゴブリンとメタルオークを倒しきれたのは殆どが元青の四騎士であったラピスとヒンメルのお陰であろう。
 【モデスト・グッド・ピープル】だけではパーティ不足で押しやられていたやも知れない。
 ギリギリの戦いだった。

「涼姫、装置の回収はできそうか?」
「無理ね。分解難しそうだし、それらしい資料もなし。機械化できた盗賊は運が良かっただけみたい」
「なら、あのリザードマンが討伐されるまで死守する必要があるのか」
「そうなるわね。悪いんだけどもう少し協力してくれない?」
「私はいいですけど……」
「ボクはパス。どれだけ魔力を消費させられたと思ってるの」
「それは本当に済まないことをしたと思っている。幸いこの周囲は彼女のオータスシェルターで守られている。その中でゆっくり休んでくれ」
「そうさせてもらうよ」

 装置の回収はできないが、それでもこの戦いで護り抜くことができればきっと医療道具として機械化する装置に認識を変えることもできるかもしれない。
 だからこそ、インディゴはこの場にラピスとヒンメルを残してくれたのかもしれない。
 当の彼は身体に機装とコア・クリスタルを埋め込んだリザードマンとの戦いに燃え上がっていた。

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