■プロローグ■
――ザンテンブルク教会。
「こんにちは。今日も賑わってるわね」
「元機械帝国絡みの依頼がたくさんありますからね。
リーラ市長も色々と手伝って欲しいみたいで、紹介できる案件はたくさんありますよ」
クリスタは山積みになっている依頼書を
ベアトリスに見せた。
「それで、マリオン商会からも出す依頼があるんです?」
「そうね。すぐに、というわけじゃないけど、私が北部に戻ってもいいよう、こっちの仕事を任せられる人員をある程度確保しておきたいわ」
今は断絶の境界も弱まっているが、いずれはまた砂漠地方と北部地方との繋がりは断たれる事となる。
そうなる前にベアトリスは北部地方に戻る必要があるが、彼女がいなくなってもマリオン商会は存続できるよう、彼女は引継ぎを行っている。
「“機械族歓迎”ですか」
「ええ。最近、うちに熱心に通う子がいてね。
元々うちは扱ってるものがものだから、種族は問わず、適性がある人であれば構わないのよ」
「仮に魔族であっても、ですか?」
ベアトリスが頷く。
「さすがに表に立たせるわけにはいかないけど、人族と友好的に接したいというのであればね。
魔界の知識は、敵対的な魔族と戦う上でも役に立つわ」
敬虔な輝神教徒だったら不快になるかもしれないが、クリスタはそうではない。
ベアトリスらしいなと思った程度だ。
「それじゃ、これは掲示板に出しておきますね。
あ、変な奴はちゃんと突っぱねとくんで、そこは安心して下さい」
「ええ。それじゃ、宜しく頼むわね」
■目次■
プロローグ・目次
【1】ザンテンブルクでのしばしの日常1
【1】ザンテンブルクでのしばしの日常2
【2】マキアシュタット
【2】リーラとの面会
【2】復興作業
【3】いざ出発! 強行突破の砂花の輝き
【3】盗賊退治1
【3】盗賊退治2
【3】盗賊退治3
【3】盗賊退治4
【3】盗賊退治5
【3】盗賊退治6
【4】クラーケン狩り
【4】油断ならぬバカンス
【4】あくまでも食材
エピローグ