■プロローグ
――ワールドホライゾン。
三つのコースに出場者が並び、今や遅しと出走を待っていた。
彼らの背後にあるのは、あらゆるものを引き寄せるブラックコーヒーホール。
落ちれば涙が出るほどの苦みに襲われることとなるだろう。
しかし、落ちてもまだチャンスは残っている。
そしてこのレースは、速さを競うだけの競技ではない。
「肝心なのは、どのチャンスに賭けるかよ!」
「賭け禁止ニャ!」
かけくじを売りさばこうとしていたウェンディを、
さんぜんねこがねこパンチで止めた!
「何すんのよー! 始まっちゃうじゃない!」
「大人しく観戦するニャ!」