■プロローグ■
――楽園シャングリラ、アーク、王都レンスター
「王都レンスターも寂しくなりましたわね」
ロミア・レンスター王女は、かつての規模の2/3程度まで減っている王都レンスターの様子を見ながら、嬉しそうな寂しそうな、複雑な笑みを浮かべていた。
“外法の者”と各騎士団による楽園シャングリラへの入植は、未だこの地にのさばる青いバルバロイ――
バルバロイ・サヴィジ――の妨害や、赤いバルバロイ――
バルバロイ・アマゾナス――の襲撃があったものの、それでも進められており、王都レンスターだけではなく、アークそのものからこのように住民が楽園シャングリラを第二の故郷にすべく進めている。
「
マグナ・マテル……
以前エルフのカレン(香蓮)が言っていた邪神……ロディニアにいる
竜人(タラスクス)が抗う術を探している……」
ロミア王女はひとり呟き、そして自分の肩を思わず掻き抱いた。
マグナ・マテルの名前を口にした途端、悪寒が走ったのだ。まるで因子が、その存在を否定するかのように。
「バルバロイ・サヴィジ、バルバロイ・アマゾナスを倒した今、楽園シャングリラはわたくしたちのものになったはずなのに……」
今、
ウォルフ・ランバージャックたちが、
イペタムが伝えた、
アマゾナス・マグナートが目標にしていたという
バンラッティー廃坑の調査へ向かっている。
何事もなければそれに越したことはない、と祈るロミア王女であった。
■目次■
プロローグ・目次
【1】騎士団の駐屯地で過ごす
・人々の日常1
・人々の日常2
・人々の日常3
・人々の日常4
・人々の日常5
・人々の日常6
【2】入植を支援する
・進出と探索1
・進出と探索2
・進出と探索3
【3】バンラッティー廃坑を調査する
・暗闇の中へ1
・暗闇の中へ2
・暗闇の中へ3
・暗闇の中へ4
・暗闇の中へ5
エピローグ