■プロローグ■
――セントラル・セクター、中央管理塔
「さて、今回はわしがモニタリングじゃな」
セッティングそのものは
ユニス=アクエリアスが行ってくれていたため、今回の
獅子 サイガの制御室での仕事は、偉界に異常が起こらないか監視するだけであった。
前とは違い、今回は偉界の中での様子を映像として見ることができるようになっている。
(しかし……これは劇場かの? ユニスの前にいるのは、前回の報告にあったカリオストロという偉人か)
偉界の案内役を自称する偉人。
会話の内容も聞き取れるが、何らかの試練を課すつもりらしい。
偉界に記録されている偉人はあくまで情報体に過ぎず、こちらから干渉しない限り元となった人物の姿で顕現することはない。
だが、カリオストロはユニスが偉界の門をくぐる前から、ステージを用意して待っていたかのような口ぶりだ。
(奴は本当にただの偉人か。それとも、偉界のシステムに何らかの変化が起こったのか。
……わしもちゃんと見続ける必要がありそうじゃな)
どうにも油断ならない偉人の存在に、サイガは警戒を強めるのであった。
■目次■
プロローグ・目次
【1】武は誰がために
【1】祓うべきもの
【2】想いを背負い
【2】変わってしまう世界に
【3】救うためのエゴを持ち
【3】世界の歪み
エピローグ