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アバターリミット2022

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アバターリミット2022
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【自分という強敵2】


「よし! やろうか!」
 気合を入れて紅虹の剣を構えた心美・フラウィア。これから戦うのは自分――超えなくてはいけない自分だ。
 いつもであれば赤の系統の術式を使う心美だが、今回はソリス・ルクスを使うことで白の系統の付加魔法を使うことにしていた。その理由はひとつ。今もそうだが、普段つけている紅雷のマントには炎が効きづらく、大きなダメージを与えることは出来ない。
 勝つ為にはいつもと違う事をしなければ――別の方向から“自分”を攻める事で新たな“自分”を見ることが出来るかもしれない。
 心眼による回避で攻撃を回避し、相手も使うソリス・ルクスによる攻撃に対応する。もちろん、自分もあの攻撃を受ければ元も子もないだろう。
 相手は攻勢に出ているが心美自身は回避に徹した後に一気に間合いを詰め高速の5連撃を狙う。相手も心眼による回避をしてくるが流石に全てを避けきることは出来なかったようだ。
 しかし、このまま攻め切るのは難しく一進一退の攻防――いや、徐々に心美が押され始めていた。
「私が最も得意とする技――これで決着をつける!」
 相手もまた紅焔で決着をつけようとしているようだ。
 炎の力を持つ技。普通であれば相手に大きなダメージを与えることが出来ない。しかし、魔切の戦術書を使えばどうなるか。その炎を払う魔力を切り裂けるのではないかと考えた。
 ぶつかる紅焔。弾ける炎。そして、そこには膝をつく心美の姿があった。
「成功して良かった……」
 倒れたのはコピーであった。相手の炎を避ける魔力を切り裂き心美は自分に勝利を収めた。

 戒・クレイルラファル・スフレはお互いに笑い合うとそれぞれ別れる。2人はそれぞれ個人でこの挑戦に挑むことになっていた。
 戒は正面の自分を見る。そこにいるのは常に100%の力を持った自分自身だ。普通はそんな事はありえないからこそ、ここを乗り越える事で見えることがある。
 最初は蒼炎の竜剣の剣撃でお互いにっ様子を見て間合いに入らないようにしていた。しかし、このままで決着がつかない事は戒自身も、相手も分かっているだろう。
 どこかで前に出なければいけない。相手は自分だからこそ、いつ前に出てくるのかが予想出来る。
 ほぼ同時に間合いを詰めた2人だったが、少しの差でコピーの方が速かった。そして、それは準備が少しでも早く出来る事を示している。
 相手も全能のモノクルをつけているので、その差を弱点だと見抜いたのかもしれない。
 そして繰り出されたのは通常攻撃――ではなく、どんな防御力を持っていてもダメージを受けるアフターブレイブブレイクだ。
 その威力は凄まじく戒は大ダメージを受けてしまう。しかし、倒れない。チャンピオンの不屈の精神を持って耐えることが出来た。
 コピーはこのまま決着をつけるために巨大な竜の顎を召喚させる。
「こうなるのは……分かってましたよ」
 ダイレクトニューロリンクにて先読みをしていた戒は突きを繰り出すが――簡単に避けられてしまった。そう、コピーもまた先読みをして戒の動きを読んでいた。
(そうか……僕だったらそういう狙い方をしてくるのが分かったのか)
 こうして戒は竜の顎に飲み込まれてしまい、決着となった。
 ラファエルはというと、相手の動きを見ながら魔力を高めていた。
「準備完了ですぅ! 行きますよっ」
 ここまで風祓の翠晶にて潜在能力を解放させ、更に元素との同調を強めていた。旅芸者のベレー帽を被り、情熱的な表現のサパテアートを踊りながら活性化させていく。
 相手もまた同じようにして自分自身を強化していっているが、勝負はこれからだ。
 ラプソディアを乗せたミラージュ・レヴューによる歌舞。周囲の様子が変わり、風精霊の祠が見える。これが見えるという事は相手の自分もまた同じように自分にこの風景を見せているのだろう。
「芸は心の動きの投影――これが私の姿なんだと分かりました。でも、ラファルは進まないといけないんですぅ」
 風は強くも弱くもあり。災害を起こすこともあれば、恵をもたらすこともある自由なもの。
 ラファルとコピーはそんな自由な歌舞にてどちらが魅了されるのかの勝負となっていた。しかし、その決着も近づいていく。
「え、どうして――」
 段々自分の意識が違う所にいくような感覚を覚える。
 コピーではあるが自分である事には変わりなく――しかもそれは最高のパフォーマンスが出来る自分自身。ただのコピーではないのだ。
 もし、自分自身が100%の力で支えられたのなら――それが目の前にいる、ということになる。そう気付いたラファルだったが、その動揺が精神の揺らぎとなり魅了される結果となるのだった。

 すでに自分のコピーと戦いある程度の時間が経っている者がいる。それは叉沙羅儀 ユウだった。
 何故長期戦に持ち込んでいるのか。それは、自分の戦い方のスタイルからだった。
(どのくらい消耗したのでしょうか……)
 周囲には毒生成にて周囲に毒霧を発生させている。そして、防御や回避と行った受けの姿勢を取って戦っている。このスタイルで勝つためには長期戦に持ち込み、魔力切れを狙うか一撃必殺で倒すほかない。
 彼女はそれが分かっていたので、相手に攻撃を誘うことで消耗戦を仕掛けていた。
 アクア・マグヌス・減にて展開された水の刃で攻撃させ、それを魔力の消耗を抑えて凌ぎきる事を優先としていた。しかし、想定外の事が起こっていたのだ。
 相手のユウもまた同じスタイルで戦ってきており、消耗戦を挑んできていた。そして、ある程度時間が経った今思った事は1つだった。
(このままでは私が先に――)
 相手は100%の状態である自分自身。同じ戦法を使ってくるのであれば先に消耗をするのはオリジナルのユウだ。
「仕方ないですね……今ではなくても、いつか――」
 この状態では負けが分かってしまったユウはここで断念する。しかし、自分の可能性を知った今前に進み続けるだけだ。

 フェイルノートのサキス・クレアシオンが2人。空気が張りつめており、いつ戦いが始まってもおかしくはない。
 そして、先に動き出したのはオリジナルのサキスだった。
 瞬息走術で一気に後方へと走りって距離を空ける。しかし、それをコピーも同じく瞬息走術を使って間合いを詰める。
 お互いの間合いに入った時による攻防が続き、サキスは移動先で地面に足がついた瞬間にリープシューズで空中へと飛び上がり頭上を取る。そこにコピーもまたリープシューズを使って跳躍し、攻撃を狙った。
 オリジナルの最高パフォーマンスを持つコピーのため、回避しきれなくなる場面などが増えてきている様にも思えてきた。
「……消耗が激しいのは私のほうか」
 強すぎる相手ではなく、今もお互いにノーダメージというわけではない。しかし、相手は最高のパフォーマンスを持つ自分なため、攻撃の威力や回避反応も上手だ。
 自身を加速させ、そのスピードで敵を狙う。そのスタイルを取る自分が目の前にいて、その自分が自分を超えてきている。
 クロックアップを使ったコピーは目にもとまらぬスピードで迫ってくる中、応戦する為にサキスもクロックアップを使う。攻撃を片手で防ぎ効果終了の瞬間に加速と減速の力による一瞬の間。
「これで――」
 クロノキャンセラーによってサキス本人とコピーは影響は受けない。そこで減速の影響を受けるスターゲイザーを投擲し、相手を乱す作戦だった。
 しかし、相手は消耗したサキスを仕留めに来ていた。そして決着――閂によるダメージでサキスはその場に倒れる事となった。

 お互いの連続攻撃がぶつかり合うこの場。ジェノ・サリスは100%状態の自分自身と相対している。
 体内の闘気の流れを矯正し威力を高めた殴打により、懐に飛び込んだ最小動作で最大の威力で放つロックラッシュの連続攻撃を放つ。
 戦う相手もスタイルは同じ。発勁にて無駄な動きを省き、ローリングガードで相手の連続攻撃を防ぐ。
「俺はここまで――いや、更に上に行けるという事か」
 ジェノもコピーもここまでの戦いで無傷ではない。ただ、どちらがダメージを受けているのかと言えば、オリジナルの方がダメージは大きかった。
 同じ戦闘スタイルであればその反応、威力が上の者が勝つのが道理。だが、この消耗もジェノは無駄にする気はなかった。
 狙うのは受けたダメージを強力にして返すディバインカウンター。これを当てることが出来れば勝機は見えてくるはず。
 次が勝負と考えたジェノは相手が攻撃をしてくるのをローリングガードを使って受け流すと、そのまま懐へと飛び込む。そして――。
「終わりだ」
 今まで受け続けたダメージをコピーに向けて放つ。その威力は直撃すれば誰でも戦闘不能になってしまうだろう。そう、直撃すれば、だ。
 膝をついているがコピーはローリングガードでダメージを受け流し致命傷を避けていた。
 限界までダメージを受けていたジェノ。まだ動けるコピーによる一撃にて地面へと伏す結果となる。

 一家全員で参加しているのはアルヤァーガ・アベリア達だ。それぞれ別の場所にて挑戦しており、個々で戦いが始まろうとしている。
 アルヤァーガは神聖機装を2種生成して、DuSにて片手で扱えるようにし同時に2つまで操作をしておくように準備を行う。
「相手の体勢を崩す。まずはそこからだ」
 オリジナルと複製品のステラを持ち、ドゥケレのオリジナルと複製品は自動攻撃システムをONにしておき、相手を狙ってもらう。
 自分のコピーもまた同じ戦法で来るようだ。すでにステラを自身が操作に、ドゥケレからの攻撃がこちらへと飛んでくる。
 すぐさま回避を行うとステラの大気干渉と使ったエアハンマーを超高速で相手へと射出する。これで相手の体勢を崩そうという作戦だ。
 相手を吹き飛ばし体勢を崩している間にドゥケレの闇槍の射出をしながら接近――してきたのは、相手もそうだった。
 コピーは吹き飛ばされはしたが、アルヤァーガが自動攻撃システムにて攻撃してくる所を回避している間に体勢を整える。
 敵のエアハンマーがこちらへと飛んでくるため、どうにかそれを避けたが今度は向こうから近づいてくるのが見えた。
 ここからは接近戦の戦いとなる。ステラで隙を作ろうと試み、ドゥケレの闇槍の突きにて相手を攻撃。こうなればジリ貧になってくるのはオリジナルのアルヤァーガの方であった。
 お互いにダメージを受けているが、相手の方が一枚上手でありこちらの方が消耗が大きい。そして、このまま倒れるのは彼の方となる。
 アルヤァーガが戦っている間に鍔迫り合いが起きていたのはテスラ・プレンティスだ。
 武器の秘めている力を十全な状態で引きだす事が出来る彼女は誓約の守護剣の力を引き出し、更に刀剣の相手に強くなるソードアシストユニットを持って自分自身と対峙していた。
「やぁっ!」
 1度距離を取った2人だったが、すぐさまテスラはボルテックスフローを放って、お互いの間合いの中心に空気の渦を生み出す。
 引きずり込まれる前にとコピーは前に飛び出してくるのに合わせて、テスラもまた間合いを詰める。
 影操にて生み出した剣を使って、擬似的な二刀流を使い手数でどんどん攻めていく。しかし、相手もまたボルテックスフローからこちらを崩しにかかってくる。
 そして、このままでは決定打に欠けるとテスラはバックステップで一旦距離を詰めた。しかし、相手はそれで止まらなかった。
 相手の剣技は自分よりも上でありながら、手数で攻めていた彼女だったが、今度は徐々に攻め込まれ始めていた。純粋な剣術勝負を挑んだテスラだったが――最高のパフォーマンスを持つ自分の相手の方が完全に上。
 強すぎる相手ではないが、格上の相手ではある。ここは強引にでも完全変異で強力な一撃を、と考えたのだがそうはいかなかった。
 相手の完全変異の攻撃を剣の結界で防ごうとしたのだが、威力を殺しきれずに吹き飛ばされる。そして、そのまま決着となるのだった。
 シュナトゥ・ヴェルセリオスはというと、中距離から遠距離で射撃勝負をコピーとしていた。
 ただ撃つだけではなく、時折ホーミングアローを放つことによって狙ってくる事を意識させる。逆に相手のホーミングアローに関しては色相観測にて元素の色を確認し迎撃をしていた。
「下……!」
 同じく元素の色で地急の性質を持った矢が地面から放たれるのを察知して回避。
 戦いは一気に決着をつけるのではなく、射撃手として相手を削り、追い込んでいくというものになっている。そのため、どちらか先に削り切られてしまうことで勝敗がつくだろう。
(疲労……消耗が大きい……! どうする、まだ回復を――)
 家族が絶体絶命に陥った時に、自分と家族どちらを回復するべきかという状況にならないためにも――彼女は気力で立ち続けている。
 距離が離れているので様子は分からないが、きっと相手もそうなのだろう。しかし、相手の攻撃の激しさは変わらずホーミングアローがこちらを狙ってくる。
 限界まで到達した自分はこれほどまでに戦えるのかと思う反面、これ以上戦えば負けも見えてしまっていた。
「……くっ……!」
 悔しさがにじみ始めた彼女だったが――勝てないと察すると、引くことを選ぶのだった。
 挑戦に挑んでいる4人目の家族は灰崎 聖だった。
 彼女はソードアシストユニット、キンコウにて剣術の戦闘能力に特化させた戦い方を選んだ。そして、マシラの草鞋と忍びの歩法での速度で最高のパフォーマンスの自分を迎え撃つ。
「僕らしく僕に勝ちます!」
 勝つのであればこのスピードを持った自分自身に勝たなければいけない。相手も同じだからこそ、それを超えなくては意味がない。
 一気に間合いを詰めた聖は横一文字に一閃。そこから相手の動きを見て次に繋げる事を考えていた。
 後ろに引くのであれば睦美流伍ノ型・飛石で更に間合いを詰めての追撃。相手が防御をした場合には終世界の剣の力を解放させることで相手の視界を奪い、死角へ移動した後に終刀を放つ準備をしていた。
 コピーが起こした行動は――その攻撃を体勢を低くして回避し、下から上への斬り上げてきたのだ。
 相手がこれが出来たのは彼女と同じく剣術戦闘能力が非常に高いためだと考えられる。逆に下がったのは聖の方となった。
 そして、逆にそのままコピーに飛石で接近され――自身がやろうとしていた攻撃を逆に受ける事となる。短期決戦で決まるだろうこの勝負はコピーの聖の勝負に終わった。


 柄へと触るとチャキリと童子切が鳴る。納屋 タヱ子は目の前にいる自分を見据えていた。
 そして、今日のタヱ子はいつもとは違う様子だった。
 戦いが始まるとコピーは距離を詰めて刀で攻撃を仕掛けてくる。タヱ子はそれを武術経験を生かし、流水円舞でその攻撃を受け流していく。
「今日はそういう気分でないんです」
 流水円舞から受け流しカウンターを狙うことも可能ではあるが、彼女はそれをせずに受け流すだけで相手の間合いから離れる。
「~~♪」
 タヱ子は戦いながら地球の唄を歌いながら、コピータヱ子をリラックスさせようとする。
 いつもであれば奪い、相手を倒す方法を取るタヱ子。相手の方が強いため無傷とはいかない。それでも、奪い殺すのではなく、与え生かすことを選んだ。
 地球人の特異者は傲慢だと言われ、地球人の本質は傲慢なのかもしれないと考えた。ならば、与え生かすのもまたタヱ子の“今の”気持ち。
 戦いの決着ではなく――タヱ子の気持ちを感じとったタヱ子が刀を下ろすことで終わりを迎えた。そう、彼女は地球人を更に超えた事を意味した。

 阿羅漢と阿羅漢との勝負。小山田 小太郎は目の前の自分自身に打ち勝たんとしている。
 空即是色、無心無想――そこからたどり着く無我の境地。そこから感じ取っている気は客観的に感じられる自分の気であることを確かめる。
 手甲の色即是空による激しい攻防。小太郎と小太郎は間合いに入ってきた自分の攻撃を自動的に察知に防ぎ、反撃を行う。その反撃を更に相手が察知し防ぎ、反撃――乱れない心がそこにはあった。
 本気での攻撃はもちろんだが、中には牽制としての一撃も混ざる。それにしっかり反応し、精神を切り替え活路を見出さんとしていた。
 小太郎はぐっと拳を防いだ瞬間に力加減が若干弱い事に気付く。
「はぁっ!」
 その違いを彼は見逃さず、隙を察知に敵の攻撃を掻い潜る。そして、強力な一撃である明鏡止水をコピーに放った。
 しかし、小太郎は気付く。本質を捉えたと感じたそれは、相手が一枚上手だったことで防がれてしまう。そして、ほんの一瞬の気付きの思考を狙われる。
 気付きというのは無心とは程遠い。であれば、自身の本領は発揮出来ないのだ。
 カウンターを放たれた小太郎はそのまま大ダメージを受ける事となる。そして、思う。まだまだ自分自身は未熟なのだと――。


「“白騎士”イルファン・ドラグナ――推して、参る!」
 最高のパフォーマンスを持つ自分自身に向けてイルファン・ドラグナが名乗りを上げると、ノアズアークに乗り戦闘を開始させる。
 降霊術のアポストロスを使い、ミカエルポゼッションとキャリバー・オブ・メサイアを憑依させる。
 今戦っているのは自分だが、それは決して一人ではない。こうして、力を貸してくれるからこそ戦えているのだとイルファンは感じている。
 ダアトの啓典により消耗が激しいため、戦いは長くならない。もちろん、それはイルファンと全く同じ能力を持つコピーも同じだ。
 メルカバーの影が敵に襲い掛かり、こちらにも襲い掛かってきた。シャドウメルカバーの突撃だけではなく、憑依してゴッドブレスで戦っていく。
 相手は自分。どういった戦術を持って挑んでくるかは分かっている。だからこそ、超えなければいけない相手だった。
 イルファンはセブンスヘブンを発動させメルカバーを足場にして加速し、コピーへと攻撃。それをコピーもセブンスヘブンを使って回避をした。
 激しい戦いが繰り広げられるが――先に限界を迎えたのはイルファンであった。


 鳳凰の姿をした霊力が2つ。距離を離して向かい合っていた。
 神纏に包まれる遠近 千羽矢は、唯一の弓導師として“もうひとり”の弓導師と相対する。
 鳳凰輪廻にて自身を永久機関とし、緋弓箭の弦を強く引き――炎流矢をもう一方の自分へとはなって行った。
 戦いは炎流矢の応酬となり、その爆発は着弾点にて次々に起こっていく。マギアビジョンで霊力の流れを見つつ、危険な場合は風の衣で対応する。
「……っ!」
 しかし、徐々に相手の照準が正確なものになって行っている事に千羽矢は気付いた。もちろん、自分自身も相手を狙い撃つ正確さは増しているだろう。その差は元から相手の方が正確にこちらを狙っていたことに繋がる。
 先読みが出来るのは相手も同じだったため、その能力を最大限に発揮出来ている相手の方が先にこちらに攻撃が届いた。
 彼の想いや願い。それを叶える為にも――。
「……俺は。“弓導師”、遠近千羽矢だ! ……誰にも、何にも。俺の矢は、阻ませない!」
 今までよりも強く引かれたその矢は自分を狙う。
 これまで受けた攻撃で刻印が刻まれているのは分かっている。それは相手も同じ。来ることが分かっているのならば、押し返せばいいだけ。
 導きの刻火は同時に放たれ、それぞれがお互いへと向かっていく。全てを解いて覚悟を決めた千羽矢の一撃は――。
「……まだ、……何かが足りない……のか?」
 コピーの力量が上回り千羽矢の矢を貫通する結果となり、負けが決まった。

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