■プロローグ■
いよいよイベントが始まろうとしている会場の舞台裏。
アイドルに呼ばれたゲストたちも集い、進行についての打ち合わせが進む中――
「お、おじさまっ。おじさまにも共演依頼が、えっと」
「本当ですか! フフフフ、嬉しいですねえ。私、木馬太郎、全力で生徒の期待に応えてみせますよ」
似合わないガッツポーズを決める
木校長。
しかし喜ばしいはずの知らせを持ってきた花子はどこか戸惑った表情だ。
「それで花子、私はどのように皆さんの引き立て役になれば良いんですか?」
「その……
竜の姿になって欲しいと」
「……竜」
二人にとっては予想もしなかったオファーに、校長と花子は真顔で顔を見合わせた。
――校長もといスレイプニルの本来の姿は、山一つ分もあるドラゴンなのだ。
二人は同じ動作でくるりと振り返り、一般的な大きさのステージを見つめ冷や汗をたらたらと流したのだった。
■目次■
1ページ プロローグ・目次
2ページ 【1】異世界ロマン部門 1
3ページ 【1】異世界ロマン部門 2
4ページ 【1】異世界ロマン部門 3
5ページ 【2】一芸披露部門 1
6ページ 【2】一芸披露部門 2
7ページ 【2】一芸披露部門 3
8ページ 【3】先輩アイドル部門 1
9ページ 【3】先輩アイドル部門 2
10ページ 【3】先輩アイドル部門 3
11ページ 【3】先輩アイドル部門 4
12ページ 【4】観客として楽しむ
13ページ エピローグ