■プロローグ■
――パフォーマンス大会開始直前。
埋まり始めた観客席や楽屋での賑わいを眺めながら、
烏扇はアイドルへの挑戦状を叩きつけてきた
信長に尋ねる。
「この紅白戦、仮にお前たちがアイドルに勝ったらどうするつもりだ?」
信長は一瞬きょとんとし、すぐに豪快に笑った。
「そりゃあ悔しがって貰うつもりだ。
そうすれば来年のこの催しも、リベンジを目指すアイドルの熱気で更に熱くなるだろう」
「なら負けたらどうする?」
「更に己を磨くのみよ。紅組だけでなく白組たちも俺達の実力におののいてより高みを目指すに違いない。
そうすればやはり互いに切磋琢磨が出来るというものだ」
「……お前はバンドよりもプロデューサー業のほうが向いているんじゃないか?」
天下を獲ろうとした男の器につられて、烏扇もまた大きく高笑いをするのだった。
■目次■
1ページ プロローグ・目次
2ページ 【1】幕上がりましてございます!~白組1~
3ページ 【1】ライトアップユアセルフ~白組2~
4ページ 【1】しろがねのランウェイ~白組3~
5ページ 【1】燃えよ五重塔~白組4~
6ページ 【1】プレイバック・フルール2021~白組5~
7ページ 【1】幻想を行く人~白組6~
8ページ 【3】~観客席から応援合戦・第一幕
9ページ 【3】~観客席から応援合戦・第二幕
10ページ 【2】【大晦日の幕開け 紅組1】
11ページ 【2】【炎の嵐 紅組2】
12ページ 【2】【己が世界に誘うのは 紅組3】
13ページ 【2】【彩られたステージ 紅組4】
14ページ 【2】【新しい年の夜明け 紅組5】
15ページ MVP審議中……
16ページ エピローグ