ワールドホライゾンにある小世界。
その無人島の浜辺で、
フェリシアは水着に衣装を重ね、マイクを構えていた。
界霊
サイレンの魔詩をかきけし、退けるためだ。
「魔詩をまともに受けた場合、睡眠の深さはかなりのものよ。
私自身、起きるのに相当苦労したしね」
プロフェッサー・ソルフォードは言いつつ、持ってきたコンピュータとにらめっこしている。
サイレンの調査に向かわせた無人機がスリープモードに入って再起動しないのだ。
「本当にね……」
「だから、あなたたちの役目は重要よ。
界霊を止める特異者の歌がどんなものか、面白いサンプルが取れるはずだもの」
「そっちは目的じゃないでしょ。
……じゃあ、行ってくるわね」
そして――ボートに乗ったフェリシアと特異者たちは
沖にいるサイレンを目指して出発したのだった。