■プロローグ
――メール山。
その中腹で、今戦いの火ぶたが切って落とされようとしている。
そしてふもとの花畑では、大勢のプレイヤーが集まって巨大な中継モニターを見上げていた。
『いよいよ始まる、生き残りをかけたバトルロイヤル!
雪山に屍をさらすか、それとも勝ってドンカツか……
さあ行くぞ、マッチスタート!』
RWOの存亡にかかわる戦いになるかもしれないというのに、
セルジュの中継はノリノリであった。
もっとも彼はRENKINのアシスタントを務めており、これが真剣なのかもしれない。
なにより、ゲームは楽しいものでなくては――
ここにいる誰もが、きっとそう思っていたことだろう。