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逆襲のダークプリースト

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逆襲のダークプリースト
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生贄 1


 一撃で屠るつもりなのはノクシアとて同じこと。
 巨大化した女神像が現れたとしても変わらない。
 すでに傷を補うのに魔力を省けない状況まで押しやれているが、使い切ったのならば別の新しい魔力を補給すればいい。
 補給さえしてしまえば鎧は完全な状態に戻すことは可能だ。
 ザザがどうした。
 時折こちらの攻撃者に横槍を入れているが、そんなことで自分へ降りかかる災害を振り払えると思っているのか。
 現にビショップに押される形で距離を離されこちらに手を出すことを防がれたではないか。
 分断されたところでノクシアには痛くも痒くもないが。
 攻撃に構えてカウンターを狙ったところをすかされるくらいならばいない方が戦術を組みやすい。
 人間は脆い。
 軽く力を込めて剣を振るえばそれだけで吹き飛ぶ綿胞子のようだ。
 さて、できれば所有魔力の多い者を取り込めればいいが、こればかりは寄生しなければ分からない。
 わずかしか所有してない人間に当たってしまえばまた寄生先を探す手間がでる。
 手間には変わりないが、とにかく今はこの傷がついた鎧を修復するのが先決。
 まずは目の前のヒューマンとファーリーをどうにかせねば。

「ここで焦ってはいけない。手堅くいくぞ」
「ザザの妨害の可能性は下がった。ここで勝ちを急いでは悪手だしな」

 ジャンヌ・フラッグズが冠紋の大盾によるシールドカウンターで受け流すとレガリスフラッグ【白鋼聖槍】で反撃を繰り出す。
 突き出されてから次の行動に移るまでのラグを埋めるように双剣の使い手である桐ケ谷 彩斗が【コネクトスピリット】で活性化すると魔剣【黒闇】【暗黒剣】と暗黒剣で巧みに手数で押していく。
 時に片方を盾に、もう片方で斬りつけ、別のタイミングでは両剣で受け止めジャンヌに攻撃を任せ、ジャンヌが守りに回れば両の剣で苛烈に攻め立てる。
 二人の連携の後ろからはエレナ・ステリアが稲妻の矢【稲妻の矢】を装填したLFマークⅡ【ライトフィールドマークⅡ】でクールショット。
 電気を纏った稲妻の矢は鎧に着弾するが、貫通力に名高い稲妻の矢が弾かれてしまう。

「雷と光は同時に乗らないのですね……」

 エレナとしては稲妻の矢の弾丸にLFマークⅡの光を纏わせることで風属性の対策を取っていたつもりだった。
 だが、現実は稲妻の矢の属性が優先された。
 貫通力をとっても通常攻撃に装填するのは無意味に近い。
 それが分かればエレナは装填する弾を通常の弾に切り替える。
 サイレントショットを織り交ぜ意表を突く攻撃にするのだ。

「来るぞ!」

 力を込め始めた暗黒騎士の次の一手はとてつもない破壊力を持っている。
 全力で守りに回らなければ深い傷がつけられてしまう。
 ジャンヌはグレートウォールを展開し、彩斗はエレメンタルバリアを展開。
 二人とも屈強な肉体を持つ上に灰狼の鎧【ナイトオブレガリス】とホワイトロリカが闇属性の攻撃から身を守ってくれる。
 闇の剣圧に耐えた後方でエレナはLFマークⅡのモードを狙撃特化モードに切り替えた。
 連射モードのLFマークⅡだから弾かれてしまった可能性もあるので、今度は威力を高め耐性の上から叩くつもりだ。
 今一度稲妻の矢を装填し、今度はブリッツレイドを一点に集束してトリガーを引く。
 エレメンタルバリアでそれを防いでくるが想定内。
 ジャンヌは解放の灰玉【解放の紫玉】で強化すると全速力で突撃しレガリスフラッグによるアーマークラッシュを放つ。

「信者を守れ! 狙いが切り替わった!」

 洗脳状態にある信者はこれだけ激しい戦いが繰り広げられている状態でも意識が戻ることはなく、逃げることもせずにただノクシアに取り込まれるために棒立ちになっていた。
 そちらへ攻防の最中にさりげなく暗黒騎士が距離を詰めていたのをパスファインダーで春虎が気づき警告を上げる。

「洗脳した人を取り込み糧にする……わかりやすくていいわ、迷う必要がないもの」

 アンネリーゼがアラウンドガードで割り込みシールドカウンターで大盾を押し返す。
 今はまだアンネリーゼの中では魔族と人間の関係に答えは出せていない。
 だが、ただそこにある悪となら、真っ直ぐに対峙できる。
 守る者がいて、その者たちに被害がでるというのならば守ればいい。
 分かる範囲、動ける範囲で、できることをする。

「あたいの炎の舞に見惚れちまいな! あんたらはちょっと疲れてたんだよ」

 後ろではシェリルが信者にミラージュ・レヴューで洗脳を上書きして正気に戻るように踊り始めた。

「疲れてたんならしゃーないなぁ。うちらが道案内したるで。一緒に逃げような」

 ロージィもミラージュ・レヴューを奏で始め、徐々にザザの洗脳に対抗するように演奏と演舞が信者の心を揺さぶっていく。
 霞がかった意識の中でなにかが動いている。
 そちらへ行った方がいいのだろうか。
 自分は誰のためにこの身を捧げようとしていたのだろうか。
 杭のように撃ち込まれたザザの命令が抜けていく。

「そろそろ起きる時間だよ。目を覚まして」

 綾瀬 智也の白鋼聖槍とメルゴーブスコエ・バレーのシルバーストライカーにオータス・エウロギアを施してから動き始めたので出遅れたが、ローグステップで接近してきたエレナ・フォックスがマインドキュアで完全に洗脳から解き放つ。
 混乱から散り散りに逃げなかったのはシェリルとロージィの演奏と演舞に心が掴まれていたから。
 だからこそ、正気に戻った信者たちはエレナの言葉に従うことができた。
 エレナが連れて逃げたのはウーティア・アクニスがマスキングしておいた隠れ場所。

「まさか汚染された同胞を見る機会がこようとは思いもしませんでした……。どのような過程を得て今の人格になったかは不明ですが、この世界に生きる者に仇なした以上、あれはもう敵です。崇拝する神ではありません」
「我々はあれを神だと思っていたのか……」
「神の力が弱いから、苦しむ者が減らないのだと思っていたが、あんなのに力がついてしまえば、それこそ人界が滅んでしまうではないか。なんということだ」
「悔い改めるのは終わってからにしてよ? まだ脅威が過ぎ去ったわけではないんだから」

 ノクシアは信者を取り込むことを諦めてはいない。
 コレクトペンダントと加護の祭服で強化した天導の大杖で作ったオータスシェルターでもいつまで保つか分からない。
 責任感から身を投じられては元も子もない。
 暗黒騎士の鎧を回復させるわけにはいかないのだ。
 彼らの罪を問うのはそれからでも一向に遅くはない。

「そうです。私もまた皆さんを守るために遠慮は致しませんので」

 ウーティアはマスキングした隠れ場所から出ていき独奏家のコートの裾を整え、旅芸者のベレー帽の位置を直すと飽響の提琴で柔らかく暖かい音色を響かせるとラプソディアによる魔封の歌を奏でていく。
 逃げた信者がマスキングで見えなくなっても逃げたことは分かる暗黒騎士はエレナのオータスシェルター付近に狙いを定め破壊を試みる。

「彼らには手を出させませんよ。魔力ストックになんてさせませんから」

 信者の数だけ闇精霊が戦える状態になどさせてはこちらのリソースがいくらあっても足りなくなってしまう。
 智也のブルーメイル【ナイトオブレガリス】で闇を纏った攻撃は軽減できる。
 メルゴーブスコエと共に【ドラゴンフォース】を発動させた智也が水精の大盾【冠紋の大盾】でナイツパリイング。
 弾かれた衝撃で跳ねあがった剣を振り下ろすよりも先にメルゴーブスコエの破脚三連によって足払いから宙に浮かせた。
 そのまま智也がアーマークラッシュでメルゴーブスコエの間合いに押しやる。
 その先ではメルゴーブスコエが天竜のロザリオ【英雄のスカプラリオ】で強化されたシルバーストライカーをスケイルスキンで竜化させ不動穿砕で待ち構えていた。

「裁くのはともかくあれに関しては鎧ごと破壊するのが手っ取り早そうだからな。破壊させてもらう!」
「まずはその剣を持つ腕をもらい受ける!」

 メルゴーブスコエの拳と彩斗のゴッドベインが一点集中で肩当目がけて叩き込まれる。
 内部を浸透する衝撃と外部からの六方向同時攻撃によってもともと焔子によって腐敗されていた鎧はついに肩から先を失わせた。
 中身の信者の身体はボロボロであった。

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