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新クレギオン

亡霊の守る場所

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亡霊の守る場所
【!】このシナリオは同世界以外の装備が制限されたシナリオです。
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・亡霊という名のキャバリアー 4


 レイラ、リック、ライオネル、時雨の四人がかりで相手をするフォーチュン・マキシマ社だったが、ペンタクラン・ファミリーのキャバリアー、ダイジャスティスは健在だった。
 多少ダメージを受けているものの、耐久面だけでいえば、壊れかけだったファントムとは比較にならない。

「やっぱり、撃ちあいは無謀か……!」

 ファントムと同じだ。
 真正面からキャバリアーと戦うなど、無理がある。
 ダイジャスティスから静謐な、しかし信念に満ちあふれた確かなタヱ子の声が響く。

『ペンタクランは決して家族を見捨てません。アレイダ全域をペンタクランが家族にしてしまえば落伍者は生まれない。無法、悪徳と謗られようと私は私の正義を信じる。……家族を守るのが私の正義と夢よ! 動け、ダイジャスティス!』

 初めて、ダイジャスティスが吠えた。
 いや、まるで咆哮したかのように、一斉に各機関が唸りをあげて出力を増し、戦闘状態へ移行した。
 ダイジャスティスに搭載されているジャスティス・セーフティが、タヱ子の正義を認めフォーチュン・マキシマ社の面々を敵として認識したのだ。

『立ちなさい、ファントム! まだお前の牙は折れていないはずです! 望むなら勝ち取りなさい! ……戦いの先にしか、平穏はないのだから!』

 タヱ子の渾身の叫びがファントムへと送られる。
 意味のない言葉のはずだった。
 ファントムのパイロットはとうの昔に死んでいて、残っているのは崩れかけた遺骸のみ。
 今のファントムを動かしているのは自動操縦プログラムだ。
 ……ならばこれはいかなる偶然か。
 あるいは、運命の悪戯か。
 まるで燃え尽きる蝋燭が一瞬、一際大きく輝くように、ファントムが再起動を果たした。
 動きだしたファントムは機体を回転させて取りついていたフォーチュン・マキシマ社の面々を弾きとばすと、プログラムされているとおりに、一番の脅威であるダイジャスティスへと向かっていく。
 ブランチセレクターによってタヱ子は悟った。
 もうファントムは数秒後には燃え尽きる命。
 ならばとタヱ子は結論付けた。
 自らの手でその命を終わらせようと。

『……くっ』
『アイハブコントロール!』

 頭痛をこらえるタヱ子に代わり、一時的にジョニーが操縦を受けもった。
 フォーチュンマキシマ社の面々が一斉に発射した対装甲ロケットランチャーのロケット弾を、同じく対装甲ロケットランチャーを発射して撃ちおとす。
 ジョニーはジャスティスソーラーフレアバスターの発射手順を踏み、準備を進めていく。

『照射承認確認。コンタクト下げます。エネルギー、チャンバー内で正常に加圧中。ライフリング回転開始。シアーの解放、タイミングは自分に。照準補正完了。……お嬢、撃てますか』
『……っ、ええ、問題ないわ。これより、ダイジャスティスはファントムの鎮圧を行います。……フォーチュン・マキシマ社の皆さんは、死にたくなければ離れなさい』

 ジャスティスソーラーフレアバスターの大型砲口に、太陽フレアのごとき鮮烈な輝きが灯っていく。
 解放されれば、射線内にあるものすべてを平等に焼きつくすだろう。
 慌てて、フォーチュン・マキシマ社の面々が射線から逃げていく。
 トリガーの操作権がジョニーからタヱ子へ回された。
 あとは、発射するだけだ。

「やらせはしない……!」

 リックがあらぬ方角へ、対装甲ロケットランチャーを撃ちこむ。
 その先には、ペンタクラン・ファミリーの輸送船があった。

『おいおいマジかよ!』
『……仕方ないです!』

 解放されたフレアが、ファントムではなく放たれたロケット弾を消しとばす。
 同時にダイジャスティスがファントムの渾身の体当たりを受けて、大きく弾き飛ばされ姿を消す。
 そして自らを省みない特攻によって再びファントムは機能停止に陥り、今度こそ壊れた。

「……今だ、確保しろ!」

 レベッカの指示で、離れていたフォーチュン・マキシマ社の面々がファントムに殺到しようとする。

「なんとかなったか……?」

 安堵の息をつき、リックはそれを見送った。


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