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新クレギオン

亡霊の守る場所

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亡霊の守る場所
【!】このシナリオは同世界以外の装備が制限されたシナリオです。
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・内部を探索する者たち 1


 グレイブそのものがロストテクノロジーの塊なだけあり、中央の建物以外にも目を引くものが多い。
 ルキナ・クレマティスも、そんな『それ以外』に興味を引かれた者の一人だ。

「グレイブの拠点化やキャバリアーの鹵獲などは、興味のある者がやればいいのです。それより他のロステクを探しましょう」

 三大組織に所属している者たちは、やはりその恩恵を受けられるだけあって、その連携力はかなりのものがある。
 ゆえにルキナは、彼らに先を行かれないため、あるいは一歩先を行くために、無所属の者同士で協力し合うことを選んだ。

「見つけたロステクは、それをもっとも活かせる人に渡してください。いないとは思いますが、ロステク欲しさに土壇場で裏切らないでくださいね」

 賛同してくれた者たちを疑うつもりはないが、一応念押ししておく。

「私は三大組織の構成員と鉢合わせた場合の説得役を務めます。クニベルティさんは片っ端から調査してロステクを探してください。ライアーさんは説得交渉が決裂した場合や、万が一敵対的な自動機械が残っていた場合その排除を。オリヴィアは……そうね、ここのネットワークにアクセスしてセキュリティを解除したあと、データを片っ端からコピーしなさい」

 ひととおりの指示を出したルキナは、フロートバイクのアクセルをふかした。
 もう一台のフロートバイクが、そのあとを追いかける。
 跨っているのは、オリヴィア・アルベルトだ。

「ククク……どんなロステクが見つかるか。想像するだけで心が踊るな」

 二台のフロートバイクであちこちを回るうち、ルキナとオリヴィアには少しずつ内部の状況が見えてきた。
 長い年月をかけて自然に侵食されてしまい、わかりにくくなっているが、中央建物以外にもいくつか建物があるようで、それらは当時の人々の生活痕跡を窺うことができた。
 いわば、居住区跡地とでもいうべきか。

「……ほう、この端末はまだ生きているようだ」

 何気なしに触れたコンソールが光を放ったことにより、オリヴィアがにやりと口元を歪める。

「セキュリティは……大したことはないな」
「ここからなら潜れそうだね。手伝うよ」

 トスタノ・クニベルティがシンカーを取りだし、接続を試みる。
 オリヴィアも自作デバイスや自作PCを利用して、二人でネットワークに潜りこんだ。
 ハッキングに成功する。

「やっぱり簡単だ」
「日常的に使う代物にまで、自分たちもアクセス困難になるようなしかけを施しはせんようだな」

 データを吸いだすため、オリヴィアが脳神経とマスターキーを接続すれば、電子音と共に、自動音声が各所の扉で電子ロックを解除したことを知らせた。

「地図があった。送るぞ」

 オリヴィアから、ルキナへ地図情報が転送される。

「航行システムについてのデータに……航星ログ……あ、これ航路設定だ。コピーしておこう」

 トスタノは、情報の海から望むデータを見つけだしていく。
 三人の話題は、自然とこの小惑星グレイブについての話題へと移っていった。

「それにしても、凄いね。完全重力があるよ、ここ」
「そうですね。自然も豊かですし」
「豊かを通りすぎて、もはや飲まれかけているがな」

 最初に話したトスタノへ、ルキナとオリヴィアも同意する。

「早く帰ってもっと詳しくデータを解析したいなぁ。いろいろ新発見があるかもしれない。そしたら、僕の名前が雑誌かなにかに載ったりするかも!?」
「名誉よりはロステクを取りたいものですが……。こればかりは運次第でしょうか」
「我は両方だ! 両方ほしいに決まっている!」

 うきうきとトスタノが楽しみにしながらデータをコピーしたチップを握りしめ、ルキナは苦笑しながら周囲を見回す。
 コンソールから取るものを取ったオリヴィアは、最後に閲覧情報をでたらめに書きかえた。
 居住区跡地を抜けて一行が向かったのは、自然区画だった。
 草木が茂った自然あふれる場所で、どこからか川のせせらぎが聞こえてくる。

「うわあ、すごい綺麗な場所なのですよー」

 もしものときのため、いつでも戦闘指揮ができるように備えているアデリーヌ・ライアーも、目の前の光景に思わず自分の役割を忘れてはしゃいだ。
 ……まあ、実際こんな外れた場所に自動機械がうろついていることは少なく、いるのは元々いた動物が繁殖して野生化したものがせいぜいなのだが。

「見渡す限りの自然風景……雄大ですねぇ~」
「そうだね。ロステクじゃないけど、この景色も同じくらい価値があるよ」

 アデリーヌとトスタノが、自然風景に目を奪われている。
 とくに探索が得意というわけではないアデリーヌは、完全にルキナ、オリヴィア、トスタノのあとをついて回るだけだが、それでも十分満足そうだった。

「ねえ、せっかくですし、お散歩していきましょうよ~!」

 一歩先を進んでいたアデリーヌが、ふり返ってルキナとオリヴィアを誘う。

「そうですね。少しくらいなら、よいかもしれません」
「いいだろう。つきあってやる」

 二人からも反対は出ず、しばらく観光となった。


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