■プロローグ■
――レガリス王国、アーバイン。
「ここにいて良いのだぞ、ジギー」
「君は民から慕われている。見た目も人族に近い。だが……私のこの姿は民衆を怯えさせるのでな」
魔王ヴェイロンが倒れた後、アーロンは行き場のなくなった魔族を迎え入れた。
……民に手を出さないことを条件に。
しかし、魔族の本能抗える者は、上級魔族でも決して多くはない。
多くの者は粛正か追放する羽目になってしまったが、一人だけ自分の意思で出て行った者がいる。
「……残念だ。だが、無理に引き留めはしない」
「世話になった。もし安息の地が見つかったら手紙を送ろう。あれば、の話だが」
* * *
「アーロン様宛です」
「ほう、ダレストリスか。噂には聞いていたが、そうか……」
アーロンの元にジギーから手紙が届いた。
自分は皇帝ダレストリスの元におり、兵士として仕えている、と。
「なかなかに興味をそそられる男だ、ダレストリス一世とやらは。
だが、帝国との交易のためには、まず先にあの女狐と話をつけねばな」
■目次■
プロローグ・目次
【1】空を泳ぐ鮫1
【1】空を泳ぐ鮫2
【1】空を泳ぐ鮫3
【1】空を泳ぐ鮫4
【2】隊商を巡って1
【2】隊商を巡って2
【2】隊商を巡って3
【2】隊商を巡って4
【2】隊商を巡って5
【2】隊商を巡って6
【3】戦闘と探索1
【3】戦闘と探索2
【3】戦闘と探索3
【3】魔族はどこに
【3】魔力反応のもとへ
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