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戦場を奔る三重奏~ヤーパン海決戦~

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戦場を奔る三重奏~ヤーパン海決戦~
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■プロローグ ~0850:開戦前、両陣営の動向~■



 偵察から戻ってきたペシュカ(Pe-2)の周りに、戦闘姫Yak-9と爆撃姫Tu-2Sが集合する。
「アクシスパワーズの教導官と武姫たちは小島Aに集合しつつあります。小島Bには進攻していません」
 戦闘が予想される海域の地図を出しながら、ペシュカが方針を武姫たちに伝える。
「アクシスパワーズが小島Bを占拠した場合は方針を転換しますが、それまでは小島Cの制空権確保に努めつつ、相手艦姫へ爆撃を行ってください。危機に陥った同胞へのサポートを忘れずに、ペシュカもフォローに入ります」
 妹たちへ的確に指示を送って、最後にひとつ、ペシュカがこれだけは守ってください、と前置きして告げる。
「相手武姫や教導官を戦闘不能に追い込んでも、追撃はしないように。破壊することが目的ではありません、勝利することが目的であることを忘れないでください」
 はい、と返事をした妹たちに頷いたペシュカの通信機が反応を示す。
「こちらペシュカ」
『真那だよ! こっちはいつでも出撃できるよ! そっちはまだ?』
 真那(戦艦“武蔵”)の元気すぎる通信にペシュカが一瞬顔をしかめつつ、平静を装って返答する。
「女性の支度には時間がかかるものなのですよ。こちらも準備整いました」
『よし! 真那と艦姫たちを小島Cに向かわせるよ!』
 大雑把な方針だったが、ペシュカは特に口を挟まなかった。この戦いは小島Cとその周辺を占拠した方が勝ち。アクシスパワーズが小島Bを拠点とし、崖を隠れ蓑にこちらの補給基地を攻めてくる動きを見せたならもう少し慎重に検討したが、それをしないのであれば取るべき戦法は一つ、総力戦。
(一度の決戦で決着がつくなら、その方が妹たちの損失も少なくて済むもの)


 ――同時刻、アクシスパワーズも小島Aに拠点を設置し、小島C、その先の“ライジングプロスペリティ”マトリクス補給基地の占拠を目的と定め、教導官と武姫を展開し始める。艦姫のチーフ、ナデシコ(戦艦“大和”)を中心とする艦姫隊、飛姫のチーフ、メッツァー様(メッサーシュミットBf109)を中心とする飛姫隊を主戦力として、脇をジュリー織田信長が固める。
(相手より先に小島Cを抑えられれば有利になるはずだ。……まあ、そう簡単にはさせてくれないだろうな)
 視界の先にわずかに見える小島を見つめ、剣持 真琴も出撃の準備を進める。おそらく“ライジングプロスペリティ”は小島Cの西側から車姫を上陸させ、艦姫が北と南の崖になっている島と小島Cの間を進み、飛姫が制空権確保を狙いながら支援爆撃、そのように仕掛けてくるだろう。
(こっちも似たようなもんだ、いかに被害を出さず、相手を退かせられるかが勝敗を分ける。
 命まで取るような真似はしない、でも、負けるわけにはいかない)
 この海戦にもしも敗北すれば、“アクシスパワーズ”本拠地のある大陸に上陸されてしまう。そして陸の守りの要である車姫のチーフ、ミシェル(ティーガーⅠ)はレガリアを失い、生命維持装置によってかろうじて生きている状態である。
(誰も死なせない。それが俺の戦いだ)


「いよいよですわね。……ナデシコ様、真那様と再会できるといいですわね」
 戦闘前の哨戒を終え、戻ってきた航/“ギガント”ギガの発した思いに、エスメラルダ・エステバンも同意の頷きを返した。
「……言葉を、かけた方がいいのでしょうか」
 エスメラルダの視線の先、遠くを見つめるナデシコは妹との邂逅を前に緊張しているようにも見えた。気持ちを楽にしてほしいと思いつつ、しかしここで下手に言葉をかけて、ナデシコの決意に水を差しはしないかと気にしてしまう。
「無理にする必要はないと思いますわ。ここまで来れば、やるべきことは皆、わかっていますもの」
 ギガの言葉に、エスメラルダはなるほど、と頷いた。確かに、ここまで来てナデシコの妹、真那を取り戻さないなんてあり得ない。激戦は免れないだろう。そのために補給と治療の準備は万全にしてきた。
(ナデシコ様。神格兵器の中で眠っている真那をきっと連れて帰りましょう)
 心の中で語りかけ、出撃準備を済ませる。ギガには小島から小島への移動の支援を担当してもらう。航姫の搭載量があれば、負傷した武姫を後方に下げるのもスムーズになるだろう。
「お任せください」
 頷き、ギガが離陸する。
「では……行きましょうか」
 エスメラルダも海に出て、波をかき分けながら艦隊に合流を果たす。


「さて、いよいよね。ミシェルの分までバンバン、落としてあげるんだから!」
 空に上がったメッツァー様が霊兵装の具合を見るように飛び、問題のないのを確認する。
「メッツァー様、露払いは任せてくれ。
 あんたは思うがままに飛んでくれ、俺がキッチリと護衛してやる」
「ええ、そのつもりよ。龍之介教導官、カッコよく決めておいてメッツァー様より先に撤退なんてしちゃダメよ?
 ちゃんと、頼りにしてるんだからね」
「はは、そこまで言われたら役目を果たさないわけにいかないな。しっかり身体を暖めておこう」
 九十九 龍之介と軽く会話を交わしてから、メッツァー様はナデシコの上空へと向かう。
「ナデシコ、今度は絶対にあなたの妹、取り戻すわよ。三度も負けたらあなたにフルバースト撃ち込むから」
 メッツァー様の言う三度の負けとは、妹を守れなかったこと、妹の自爆を目の当たりにさせられたこと、そして妹を再び失うこと。
「メッツァー様のフルバーストは痛いですね……。ですがご安心ください、そのような無様な真似は晒しません」
 ナデシコの背後に展開される、46センチ三連装砲を始めとする霊兵装。万全の状態で展開されたそれらが、青い光を立ち昇らせる。
「大和型戦艦のあるべき姿を、真那に思い出させてあげます」


 アクシスパワーズ、ライジングプロスペリティ、双方が配置につき――。
 決戦の火蓋が切られようとしていた。


■目次■

プロローグ・目次

0910:小島C南方海域
0920:小島C北方海域
0930:ペシュカ交戦
1000:戦闘跡地にて
1030:小島C東端
1100:小島C占領戦
1130:小島C南方海域制圧
1200:小島C北方海域制圧
1300:VS真那艦隊 1
1300:VS真那艦隊 2
1300:VS真那艦隊 3
1400:敵補給基地占拠 1
1400:敵補給基地占拠 2

エピローグ
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