クリエイティブRPG

ワールドホライゾン

アバターリミット3

リアクション公開中!

 0

アバターリミット3
リアクション
First Prev  23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 | 32 | 33

■エピローグ■



 ――アーキタイプ、TRIAL。

「はいはーい、みんなおっつかっれさーん。無事に戻って来れて何よりよん」

 界域の深淵から浮上したノーチラス号は、無事にTRIALへと帰還した。

「とりあえず界域酔いとか、具合悪い人いたらすぐ言ってねー。
 うちの最新設備でちゃんと療養させてあげるから」

 船から出てきた特異者の多くは強い疲労があるように見えた。
 とはいえ、心を失ったり、“向こう側”に行ったまま帰って来れなくなった者がいないあたり、上々と言えるだろう。
 ホライゾンの特異者たちが出たのを確認すると、リサはブリッジにいるグリムやヴォーパルたちの様子を見に乗り込んだ。
 
「リサ・グッドマン。二度目はない。こんな馬鹿げたことは今回限りだ」

 グリムがリサを睨む。アンジェリカを守り抜いたようだが、顔色が酷く悪い。
 ワンダーテラーの力でどうにか凌いだようだが、創造による空間改変の負担は途轍もなく大きかったようだ。
 アンジェリカの方は一見平気そうに見える。

「――エクスマキナ。それが表なのか裏なのかは分かりません。
 機械仕掛けの生命のアバター……おそらくは、わたしたちのルーツに関係しているものでしょう。
 わたしはそれを認識しました」
「五名の特異者が境界面に接触。ゲートを開き、“向こう側”との接触が行われました。
 次元変動値は……」
「うんうん、ありがと。データファイルでちゃんと確認するから、まずはゆっくり休んでねん」

 リサはヴォーパルから観測データを受け取ると、アンジェリカと共に彼女を介抱しながら船を降りた。

(特異者の子たちが見た世界は、必ずしも今回観測された“向こう側”の裏世界とは限らない。
 それは可能性の一つ。ゲートを超え、実際に確かめるまでは確定しない。
 さて、“向こう”と“こちら”はどのくらいズレた世界なのかしら……)
 
 リサは口元を緩めた。

* * *


 ――???

「この感覚は……存在しなかった何かが、三千界に現れた」
「新しい世界が誕生した。あるいは、新たな力が目覚めた……というわけではないのか」

 シヴァは三千界に起こった異常を感じ取った。
 アヌビスが訝しげにシヴァを見やる。

「違うな。唐突に表れた。ブラフマーがかつて閉ざした、“次元の扉”に何者かが触れたようだ」

 二人のもとに、赤い髪の女性がやってきた。
 バイザーを外し、あらわになった素顔はヴォーパルによく似ている。

「蒼の鍵守たちか。大方、私に対抗する力を求めてだろうが……」

 シヴァの髪が逆立った。

「このまま野放しにしておくわけにはいかん。
 世界新秩序計画を完遂し、この三千界に真の安定と安寧をもたらすためにも。
 蒼の鍵守派との決着を急がねばな。闇鳩、光祈」

 二人の特異者を見やる。アマネはここにはいないが、じきにアーモリーの問題も片付く。

「力は取り戻せたのか?」
「まだかかる。トリシューラの力は使えない。だが……ワールドホライゾンを崩壊させるだけなら、現状の我々で事足りる。――ロイ」

 アヌビス――ロイが拳を打ち付けた。

「ワールドホライゾンとTRIAL。我々は両方を相手取ることになる。
 我が友ロイ。TRIALは任せる」
「最優先は?」
「リサ・グッドマン。ただ一人、トラヴィスと渡り合えた特異者だ」

 蒼の鍵守たちは、潰そうと思えばいつでも潰せる。
 だが、そう悠長に構えている時間は終わりだ。
 甘く見ていると、こちらの想定を上回る力を発揮することは、これまでの観察から分かっている。
 万全の状態で、確実に始末する。

「では……決戦の準備を進めるとしよう」



【アバターリミット3】完

First Prev  23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 | 32 | 33
担当マスターより

▼担当マスター:クリエイティブRPG運営チーム

マスターコメント

『三千界のアバター』運営チームです。
「アバターリミット3」のリアクションをお届けいたします。

スペシャルシナリオは、アクションを投稿しているか、
アクションを投稿していなくても「・アクション投稿しなくても登場を希望」の項目にチェックを入れた場合、基本的にリアクションに登場しています。
基本的にPCは1シーンに登場していますが、シーン分割の関係で数ページに渡って名前がある場合もございますので、リアクションを読み進めてご確認頂ければと思います。

個別コメント、称号が付与されている場合はお知らせがありますので、併せてご確認ください。

今回以下の方々に報酬をプレゼントいたします。

【1】世界に認められた方:世界との親和性が上がったその証明となるアイテム

猫宮 織羽(SAM0012805)様
リルテ・リリィ・レイネッセ(SAL0017925)様
池田 蘭(SAM0063147)様

【2】裏側から力を授かった方:裏側のスキルやアイテム

天峰 ロッカ(SAM0000564)様
草薙 大和(SAM0007867)様
風間 瑛心(SAM0034980)様
青井 竜一(SAM0005058)様
戒・クレイル(SAM0007396)様
高橋 蕃茄(SAM0053853)様
焔生 セナリア(SAM0047271)様
ローレンティア・ベルジュ(SAL0069524)様

【3】境界面に達した方:新たな裏側に由来するスキルやアイテム

柊 恭也(SAM0000017)様
キョウ・イアハート(SAM0004239)様
イルファン・ドラグナ(SAM0021401)様
愚者 行進(SAM0045539)様
夏輝・リドホルム(SAM0034773)様



※配布は5月中を予定しております。

最後に今回のリアクションを執筆したマスター陣からのコメントをお送りします。


【1】限界実験に参加  担当:小月恵

いつもお世話になっております、小月恵です。
前回の「アバターリミット2」までと異なり、
今回は各世界の強敵(の再現データ)と戦うというものでした。
皆様それぞれ強い思い入れがあるのをアクションから感じましたが、
それゆえに成否判定を下す難しさがありました。

今後もこういう機会がありました時は、よろしくお願いいたします。


【2】アバターの裏側に挑む  担当:藤村悠生

お世話になっております。【2】パートを担当させて頂きました、藤村悠生です。
三度目の裏側ということで、ご参加くださった皆様も戦闘そのものだけでなくご自身のスタイルについてとてもしっかり練ってきてくださっており、いつも以上にご参加者様の人柄や、見据えている方向がわかるアクションが盛りだくさんで、改めてお一人お一人の魅力を味わいながら読ませて頂きました。
最適化されたアバター、超えるべき自分自身との戦い、本当は気持ちとしてはお一人様ごとに10万字ずつ書きたいくらいの難しい課題が含まれているパートでした。そこをぎゅっとしながらなんとか少しでも生き生きとお返しできるよう執筆にあたりましたので、お楽しみ頂ければ幸いです。
皆様をまた書かせて頂ける機会がありました際には、どうぞよろしくお願い致します。


【3】裏三千界観測ミッションに参加する  担当:冬神雪羅

この度は『アバターリミット3』に参加下さりありがとうございます。
改めまして、【3】裏三千界観測ミッションに参加するを担当しました冬神雪羅です。

裏世界と戦うシーンでしたが、できるだけ戦闘描写が映えるよう、楽しんでくれるよう、想いを込めて書き綴らせていただきました。

それではまたの機会がありましたら、参加してくださると嬉しい限りです。
それでは失礼します。