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終極のエデン アフター

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終極のエデン アフター
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【2】健闘を称えて



 壬生 杏樹と行動を共にする水瀬 茜は、自身のパートナーであるブランク・ストラテゴスと共に、エルヴィーラ・ランスロットペアとの決闘に挑もうとしていた。
 茜が以前から、二人と純粋な力比べをしたい、と望んでいたことを知っていた杏樹は、後方から勝負の行方を見守っている。

 エルヴィーラとランスロットが、並の参加者よりも手強いことはわかりきっている。通常の一対一の戦法をとっていては厳しい戦いになるだろう。
 茜はブレシィ・オブ・ライトによって自身の持つ武器を軽量化させ、サイトデリートの動きで素早く連続攻撃を仕掛けていく――茜が狙うのは、エルヴィーラだ。
 となれば、ランスロットの方を相手取るのはブランクの仕事だ。ブランクはグラントで茜の偉能力を活性化させ、さらにグラビティフリーで互いが身軽に動けるようサポートすると、自身はランスロットへと向かっていった。
 小竜公の黒甲冑・再誕を身につけ敵に向かい合うと、何故だか血が騒いだ。
 とはいえ、やはり一対一で戦うのでは分が悪い。ブランクはリヴィルバレットによって生み出した人形たちを使役し、ランスロットの動きに食らいついていく。
 スキルトレースによって茜と同じく素早い連続攻撃を可能にし、断罪の塊剣の重たい一振りを軽々と、連続してランスロットに振るう。
 まともにやり合うには厄介と見たのか、ランスロットは回避を優先して立ち回る。

 しばらく帯刀者同士、偉人同士それぞれの斬り合いが続く。流れを断ち切ったのは、ランスロットだった。
 ブランクと人形たちの包囲網を突破したランスロットが、ブランクたちを狙わずエルヴィーラとの合流を図る。
 茜はそれに気づくと、フォーフォールドによって四つの武器を展開させ、手数を増やすことでそれに対応していく。剣と剣とがぶつかり合う――ニンフィア・ユニットのサポートがなければ押し負けていたかもしれないが、まだ、持ちこたえる。
 すぐにブランクが割って入り、ランスロットを引き放そうとする。が、エルヴィーラが軸足を開いたのを、茜は見逃さなかった。
 ちらりと、エルヴィーラがランスロットの方を見る。そして次の瞬間にはもう、エルヴィーラとランスロットが合流し、息を合わせてこちらに攻撃を仕掛けて来ていた。
 エルヴィーラの動きからそれを察していたため、早めに回避に動けた茜だったが、敵が早い。完全には回避できないとみると、ホライゾンガントレットをはめた方の腕を上げ、なんとかそれを受け止め、弾き返す。
 二人はさらに茜に追撃を仕掛けようとするが、ランスロットの眼前にはブランクがいる。
 エルヴィーラが一瞬、再び一人になる。この機を逃すまいと、茜がマルティプリケイションで一気に畳みかけた。エルヴィーラを囲うように剣が発現し、四方八方から襲い掛かる。
 脱出するのは困難だ。エルヴィーラは見事な剣捌きで被害を最小限に抑えていくが、全てを防ぎきることができない。
 しかしまだ、立っている。
「……これで、ボクたちの勝ちだっ!」
 そしてエルヴィーラとランスロットが、一気に反撃にかかる。
 一矢報いることができた茜たちだったが、とうとうエルヴィーラたちの力に押し負けてしまった。

「茜ちゃん、お疲れ様!」
 杏樹が駆け寄り、戦闘を終えたばかりの茜たちの傷を、碧の癒しで治していく。それからチョコミントスムージーを、茜とブランクだけでなく、エルヴィーラたちにも配った。
「美味しいし、疲労回復効果もあるよ」
 と差し出されたスムージーを、エルヴィーラが「ちょうど喉乾いてたんだ、ありがとう!」と受け取る。
 スムージーを味わっているエルヴィーラたちに、茜が声をかける。
「エルヴィーラちゃん、ランスロットさん、ありがとうっ!
ワタシ達ももっと強くなれるよう頑張るよ、そしてまた一緒に戦う事があったらよろしくね!」
 それに、エルヴィーラが大きく頷く。
「その時までに、ボクらももっと上を目指すよ!」

 四人がスムージーを飲んで一息ついている、その間。杏樹が今後の成功を祈って弾き鳴らす鳴弦の儀の音が、周囲にこだましていた。



 イルファン・ドラグナはパートナーであるシャウルス・フェルミエと共に、エルヴィーラとランスロットに挑もうとしていた。
 エデンには降り立ったばかりのイルファンたちにとって、二人と戦えることは学びを得るための好機でもあった。
「ランスロットの契約者……どのような豪傑かと思えば、可憐な少女とはな」
 イルファンの言葉にエルヴィーラが、「それってバカにしてる?」と口を尖らせた。しかしイルファンは首を横に振る。
「侮るつもりはない。君は……強いのだろう?」
 言われてエルヴィーラは、自信ありげに口角を上げて見せた。

 決闘が始まる。イルファンとシャウルスは、互いの死角をカバーするよう意識しながら立ち回る。
「イルファン・ドラグナ――推して、参る!」
 イルファンはグルードレンズで効率的な動き方を見出し、セントラルリングによって強化された偉能力を駆使して、敵に迫る。
 グルードレンズの対象を相手に切り替えて隙を探り、それを突くようにしてヴェロシティブレードを放ち、衝撃波を叩き込む。
 エルヴィーラは俊敏にそれに対応するが、次の瞬間にはイルファンの次の一手が迫っている。ファストスロウによってすぐに次の動きに移っていたのだ。
 反撃の間もなく、エルヴィーラはイルファンの二手目への対処に追われる。イルファンの射程は通常時のそれよりも長く、それに対処していると反撃が届かない。
 さらにイルファンが、ブレシィ・オブ・ライトによる素早い連撃を放っていく。全てを防ぎきることはできないが、エルヴィーラも粘り強く応戦し、どうにか体勢を立て直していく。
 ランスロットの方はというと、シャウルスのサポートによって連携を乱されていた。
「私の名前は沖田……じゃなかった。シャウルス・フェルミエ、推して、参る……」
 そうイルファンに続いたシャウルスは、ソードアシストユニットのサポートを活かして器用に刀を振るいつつ、リヴィルバレットで生み出した人形たちにランスロットの動きを妨害させる。
 断界の太刀を介して原典回帰を発動させ、欲深き捕食者の力によって相手の体力と魔力を奪いながら、冷笑の首飾によって纏わせた冷気で相手の動きを封じようと試みる。
 ランスロットは止まることなくシャウルスに応戦しているが、かなり動きにくくはなっているようで、なかなかエルヴィーラのサポートに回れずにいる。
 それを突破しようとランスロットがシャウルスに斬りかかる。避け切れない――が、シャウルスは身に纏った光臨の盾鎧の力を解放させ、守りを固めて踏みとどまる。

 ランスロットがシャウルスの妨害を受けている間、契約者たちの方では帯刀者同士の斬り合いが続いていた。
 イルファンが戦闘で負った傷は、シャウルスの楽土幻想Ⅱのおかげで癒されていく。そしてイルファンが、相手の隙を探り出し一気に畳みかける。
「我が剣閃――貴女らに見切れるか?」
 とイルファンが再びファストスロウを仕掛け、「それならさっきも見たっ!」とエルヴィーラが対抗する。
 しかし続けざまに、イルファンのヴィクススラッシュによる不可視の一撃がエルヴィーラを襲う。
 ――が、ようやっとシャウルスの妨害を退けたランスロットが割って入り、無傷とまではいかないまでも衝撃を軽減させた。
「まだまだわきが甘いわね」
 と言うランスロットも息が上がっているようだが、そのまま加勢し反撃にうつる。それを見たエルヴィーラも再び立ち上がり、全力でイルファンたちに挑む。
 切り札を破られたイルファンたちは、素早い剣捌きで応戦を続けたものの、ランスロットの的確なサポートによってとうとう打ち破られた。


 少し安堵したように息を吐くエルヴィーラに、「良い勝負であった、いずれまた」とイルファンが手を差し出した。エルヴィーラもその手を快く握り返した。
「面白かった……また戦いたい」
 とシャウルスも言い、両手を広げる。エルヴィーラは少し気恥ずかしそうにしながらも、その腕にすっぽりおさまってハグをした。
 それから、ランスロットと二人で次の決闘へと向かおうとする。
「貴女達は、これからどうするつもりだ?」
 イルファンの問いに、今一度エルヴィーラが足を止めて振り向いた。壁の外への道が開かれた今、二人はどこを目指すつもりなのか――。
 しかしそれにエルヴィーラは、
「ボクは自分にできることを、精一杯やるだけだよ!」
 とだけ言い残して、再び背を向けた。その背中と、隣にいるランスロットの背中とを、イルファンは見つめる。
「次に会う時は、同調者になっていそうだな……」



 そこかしこで、決闘は続いている――。
 些か殺伐としてはいるものの……十字街にとっては、これが平和な証とも言えるだろう。
 少なくとも、勝者・敗者の区分でいがみ合うようなことはぐっと減った様子だ。
 新たな一歩を踏み出したエデンの姿にどこか喜びを覚えながらも、小山田 小太郎もまた自分自身の新たな一歩のため、疋田 豊五郎と共にこの十字街での決闘に挑んでいた。

「都市外調査に全霊を懸ける為にも……エルヴィーラさん、今一度自分らと戦ってはくれませんか?」
 小太郎からの誘いに、エルヴィーラとランスロットは乗った。
「負けるつもりはありません……全霊を以てお二人を打倒します」
「ボクらも負ける気はないからね、望むところだ!」
 小太郎の宣言に、エルヴィーラも決して手抜きはせず真剣勝負で応える。

「我らが修練の成果、お二人に示します」
 小太郎は自在槍・十文字を構え、エルヴィーラに迫る。無心無想で心を落ち着け、無我の境地に至ってエルヴィーラの攻撃を捌く。
「お前と同じ戦場に立ったのは景兼であり俺ではないが……やはりお前は俺が越えねばならぬ相手故な」
 と豊五郎もランスロットに立ち向かい、小太郎との共闘を開始する。
「お前たちの剣は既に見た……後はそれを越えるだけだ」
 豊五郎はグラビティフリーによって自身と小太郎のが身軽に動けるようサポートすると、豪王の操槍を振るって応戦する。
 クールアシストで戦況を見極めながら、豊五郎が共に敵の攻撃を捌いていく。豊五郎のサポートもあり、小太郎はエルヴィーラの素早い攻撃にも食らいついていく。
 しかしこのままでは、ほぼ拮抗状態で活路が開けない。
 状況を変えるべく、エルヴィーラがランスロットの助力を受けて一気に畳みかける。しかしその一閃は、小太郎が羽織るエクスサブリガの影響であまり威力を示せない。
 とはいえ、小太郎たちがやや押され気味なのも事実だ。しかし小太郎は、簡単に諦めようとはしない。豊五郎も、
「面白い……それでこそ、乗り越える価値があるというものだ」
 とやる気を見せる。
 そして戦況を変えるべく、今度は小太郎たちが攻める。
「無心を経て、狭間へと至る……全てを見据え、無我極致の一撃をここに示します」
 小太郎の攻撃に合わせて豊五郎がクロスレイドを放ち、連携してエルヴィーラたちに攻め込む。小太郎が付けているルブキェスリングのおかげで、偉能力の伝達がスムーズに行われる。
 しかし攻撃されることがわかっているならばと、エルヴィーラは冷静に防御の構えをとる――が、
「敢えて言おうか……その構え悪しきなり、と……!」
 と豊五郎が言ったかと思うと、確かに防いだはずなのに、エルヴィーラたちに小太郎たちの攻撃が命中し、後方へと弾き飛ばされた。
 インファールで弱点を探り、無我の境地に至って放たれた小太郎たちの攻撃は、“ノーボーダー”――二人のコンビネーションをもってすれば、敵の防御の構えさえ吹き飛ばしてしまう攻撃だったのだ。
 しかしその分だけ、小太郎たちの負荷も大きい。これで撃破できなければ、この後の戦況は一気に厳しいものとなってしまう。
 ――エルヴィーラは、立ち上がらない。が、ランスロットは違った。
「これで終わりよ……!」
 と背後にランスロットが迫り、大技を使って消耗していた小太郎たちを一気に打ち倒した。

 勝敗が決すると、小太郎はエルヴィーラたちと、自身のパートナーである豊五郎に礼を告げた。
「外の調査も、共に頑張りましょうね」
 と言う小太郎に、「これだけ強い人が集まってれば、壁の外でもやっていけそうだね」とエルヴィーラが言う。
 それは、ランスロットがいなければ勝てなかったであろう小太郎に向けた言葉でもあり、今日戦った他の者たちにも向けられている言葉なのだろう。
「ボクもまだまだだってわかったし、頑張らないと!」

 新たな一歩を踏み出した決闘者たちは、壁外調査に向けてそれぞれの課題を見つめながら、まずは無事に調査メンバーに選抜されることを祈るのだった。


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