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終極のエデン アフター

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終極のエデン アフター
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【2】強者集う十字街



 ――セクターE、十字街。
 一種の闘技場と化しているこの場所では現在、「都市外調査第一次メンバー」選抜のため、総当たり戦によって実力を競う決闘が進められていた。


「一勝負しようか……同じくユニスに見出された先輩達……」
 そう言って桐ケ谷 彩斗は、自身と契約した偉人であるノワール・ネージュと共に、このデュエルに飛び入りで参加していた御子神・エリザペアと向き合う。
 同調者同士の戦いになるが、まずは同調を行わず、彩斗が御子神へと迫る。御子神もそれに乗り、決闘者同士・偉人同士がぶつかり合う。
 ノワールがグラビティフリーを発動させて自身を彩斗にかかる重力を緩和し、さらに彩斗がファストワークによって自身とノワールの速度を高める。
 二人は早いだけでなく立体的な動きで、それぞれ敵に立ち向かっていく。

「さあ、一緒に踊りましょう女王様、私のステップについてこれるかしらぁ!」
 ノワールが身軽に動き回り、エリザを翻弄しようとする。エリザはやや動きにくくはなったものの、「あら、随分と勇ましいですわね」と顔色は変えない。
 ノワールが構えていた傲慢の浮盾を投げて牽制し、エリザを自身の射程内にとらえると真・黒雪を構え、傲慢の性質を活かして威力を高めたロイヤルセイバーを叩き込もうとする。
 エリザはそんなノワールを近づかせまいと、砲撃によって抵抗した。ノワールは咄嗟に傲慢の浮盾で身を守る。さらにエリザが追撃をはかると、韋駄天の力を解放させて全速力でそれを回避する。
 一方彩斗は周辺の壁などの障害物を利用しながら、御子神を翻弄するように動く。それに簡単に引っかかる御子神ではないが、御子神の攻撃を彩斗は、配者の慚愧によって強化された観察力で見極める。
 敏感に相手の動きを察知し、結漿の外套を翻して目くらましをすると、素早さを活かして回避した。
 さらに、高められた動体視力をもって御子神の隙を突こうと動く。御子神はそれをどうにか切り抜けると、反撃にかかる――先の要領で避け切れないと見ると彩斗は、手にした黒牙の巨大な刃を使い、それを受け止めた。
 御子神の攻撃と彩斗の構えた刃とがぶつかり、二人が弾かれ合う。
 膠着状態が続いていたのを見かねて、ここで御子神とエリザが合流した。それに対抗すべく彩斗もノワールの傍につき、ディープユニゾンによって深く同調していく。
 両組共に同調した状態で、後半戦が始まった。
 御子神の動きからはまだ余裕が感じられるものの、彩斗は同調したことによってさらに素早さが高められており、俊敏に食らいついていく。
 偉能力を活かした攻撃に対処しきれないと見ると彩斗は、その場をノワールに任せた。ノワールがグロウスイッチによって、彩斗に代わり身体の主導権を握る。
「ふふ……アハハ!私達の美しさを示しなさい、彩斗!」
 傲慢の浮盾によって敵の攻撃を打ち消すと、再び彩斗に主導権を戻す。
 と同時に御子神が、「そろそろ終わりにしませんか」と追撃の構えをとっている。彩斗もここで勝負を決めようと、剣を構え直していた。
「勝者、敗者の力を束ね……十二星とは違う力を示す……!」
 黒牙を介した原典回帰によって彩斗は、冷笑の首飾による冷気を刃へ纏わせ、革命の旗を解放してその偉能力を強化すると、配者の慚愧をもって狙いを定めて斬りかかる。
 そして全速力で御子神へと突撃すると、ヴィクススラッシュによる一閃を叩き込んだ。二度は使えない戦法だが、冷気の影響により、さすがの御子神も完全に回避することができない――と思われたが。
 どうにかこの場を切り抜けるべく御子神が扱ったのは、同調したことにより真価を発揮するエリザの原典の力、スペイン無敵艦隊を焼き払った砲火攻撃だ。
 広範囲を焼き払うその熱によって、冷気の力は弱められ、軍配は御子神に上がったのだった。



 その後も実力を見せつけ続ける御子神たちに、最後に挑んだのはアルヤァーガ・アベリアだった。
 ここまで御子神たちが他の決闘者と戦っている間に、相手の基本的な動きを観察していたアルヤァーガは、砲撃をうたれる前に御子神たちに接近していく。
 天元の発破によって自身の背後に突風を起こし、風力を利用して一気に距離を詰めるとそのまま殴り掛かる。咄嗟に避けようとしたエリザに掠るが、相手はまだ余裕の表情だ。
 アルヤァーガはヒットアンドアウェイの戦法を取り、一旦下がってはまた隙を見て近づき、攻撃を仕掛けていく。
 反撃しづらい間合いに入られ防戦一方ではあるものの、かといって御子神とエリザも、簡単に勝ちを譲ってはくれない。アルヤァーガが距離をとった瞬間などを狙い、反撃も放たれる。
 アルヤァーガは違勅の手袋によって防御壁を張りそれに対応するが、防ぎきれなかった砲弾が掠める。それを、巡礼者の貝殻の力を解放させてすぐに癒していく。
 攻防は続き、アルヤァーガはやや劣勢を強いられている。しかし簡単には折れるまいと、原典回帰による形勢逆転を図った。
 革命の旗が偉能力を強化し、巡礼者の貝殻により傷が癒えていく。叛逆の執念により限界以上の力が引き出され、復讐の牙をむき御子神たちに迫る。
 御子神とエリザが、深く同調してそれに対抗する。しかしアルヤァーガが受けた物理的なダメージは、そのまま御子神にも返される――そこからはもう、どちらが長く持ちこたえるかの戦いだった。
 ぎりぎりまで拮抗したものの、最後まで経ち続けたのは御子神の方だった。
 さすがの御子神たちからも、序盤のような余裕は失せている。敗退こそしたものの、アルヤァーガは折れない姿勢を見せつけたのだった。




 反発者である成神月 真奈美は長期戦を避け、開戦直後から狂乱の快楽の力を借り、防御を捨て攻撃に専念した戦闘スタイルで一気に攻め込んでいく。
 初見の真奈美に対し、まずは出方を窺おうとしていた対戦相手は意表をつかれたようだが、なんとか頭を切り替え真奈美の攻撃に対抗する。
 瓶割を手に斬りかかる真奈美を弾き飛ばそうと、相手が反撃を叩き込む。真奈美は身につけていた試製偉能防護衣のおかげでダメージを抑え、どうにか踏みとどまった。
 と同時に、反爆によるカウンターを放って逆に敵を弾き飛ばした。
 多少の反動はあるが、もとより防御は捨てている。とにかく距離を詰め、間合いに入ったら斬る。それを繰り返す。
 しばし攻防が続いたが、真奈美があとちょっとのところまで敵を追い詰めるのに、そう時間はかからなかった。
 真奈美はトドメをさすべく瓶割を構え直すと、瓶割に宿る憤怒の力を解放させ、切れ味鋭い一刀を放つ。
 敵はそれを見切る――が、真奈美はただ斬りかかったのではなかった。原典回帰を発動させていたのだ。
 独裁終焉の暗器による追撃が敵を襲うと共に、剣闘士の兜によって真奈美の筋力が強化され、さらに欲深き捕食者の力によって、相手から体力や魔力を奪いとった。
 一度倒れた相手は、再び立ち上がろうと踏ん張ったが、トドメの大技を決めてなお余力を見せる真奈美を前に、とうとう敗退した。
 それは反発者として、これまで“次”を見据える余裕がなかった真奈美が見出した、新たなる可能性だった。



 ジェノ・サリスはパートナーである偉人のラフィーナ・セレニティーと共に、このデュエルに挑んでいる。
 決闘が始まるとジェノが、配者の慚愧によって観察眼や動体視力を高め、前衛につく。
 一方ラフィーナは後衛からのサポートに回った。とはいえ、離れすぎて援護できなくなることがないよう、程よい距離を保つ。
 対戦相手もこちらと同じく、偉人と契約しているようだ。敵の前衛は好戦的な様子でジェノに攻め込んでくるが、ジェノは斬徒剣を手に立ち回り、鋭い観察眼を向けて相手の動きに対応していく。
 互いに後衛に手出しをさせまいと、前衛同士のぶつかり合いが続く。しかしジェノが、先に相手の隙をついて後衛へと剣を伸ばした。
 ジェノの視力の問題だけではない。後方のラフィーナが、感覚共有によってグルードレンズで見た情報を伝えつつ、偉能力分析を行っていたのだ。
 敵も咄嗟に反撃しようとするが届かず、避けきれない。が、まだ決定打には至っていないようだ。しかしラフィーナのサポートを受けたジェノの攻撃を、これ以上避け切るのは難しいだろう。
 パートナーが負傷しサポートを失ったこともあり、相手は一旦下がって態勢を立て直し始めた――自分たちが劣勢であることをわかっていて、次の一手を打ち出そうとしている様子だ。
 と、周囲にヴァイオリンの音色が響き、敵の視線がそちらに向いた。
 ラフィーナが、救済の弦楽器を奏でている。一度ラフィーナを見やってしまった相手は、寵愛の簪の魅了によって、ついそちらに意識が向いてしまう。
 ならばこちらから先に片付けようと、敵がラフィーナの方へと向かってきた。ラフィーナはそれを、トラッシュノイズを放って弾き返す。
 負けじともう一撃、と敵が身構えるが、その眼前を何かが遮る――相手が立て直していた隙に、ジェノも同調者として、新たな一手を打っていたのだ。
 ジェノは栄具・抗神の竜紋とのディープユニゾンを試みていた。ジェノの姿が、あっという間に巨大な竜へと変わっていく。
 これには、どこか戦いを楽しんでいる様子さえあった相手側も、目を丸くして驚いている。
 さらにジェノは、原典回帰を発動させて自身の力をさらに高めていく。
 ただでさえセントラルリングを身につけているジェノの偉能力は、配者の慚愧や転輪の卒塔婆、そして抗神の竜紋と、原典である斬徒剣の相性の良さや特性も相まって、原典回帰と共にぐっと力が引き出される。
 あたりには未だラフィーナの奏でる弦楽器の音色が響き、さらにジェノの偉能力を強化している。
 深く同調している分その変化は素早く、次の瞬間には巨大竜が敵へと襲い掛かる。
 敵もこれを決着の時と見たのだろう、逃げることを諦め捨て身の戦法をとった。自身もろとも吹き飛ばす勢いで偉能力を発動させ、正面からジェノにぶつかる。
 互いの力がぶつかり合い、周囲が爆風に包まれる――ようやく視界が開けたその場所では、相手の方が先に倒れていた。
 ジェノも負傷しているものの、ラフィーナがすぐにそれをヒールフィールドで癒し、その場に踏みとどまった。
 一方敵の方は、再び立ち上がる気配はない……どうやら、勝負はついたようだ。



 真毬 雨海も壁外調査のメンバーに選抜されるべく、決闘に挑んでいる。
 そんな雨海の対戦相手はというと、開戦直後に突如として燃え広がった炎によって、行動範囲が狭められていた。
 雨海がまき散らした焔霧雨が、大量の火の粉を発生させていたのだ。さてどう動くかと相手が思案するうちにも、炎は少しずつ燃え広がっていく。
 とはいえ炎に進路を妨害されているのは、雨海の方も同じことだ。敵は長期戦になる前にと、一気に畳みかけようとした。
 が、その行動を阻むのは何も炎だけではなかった。
 足元に電撃が走り、敵が足を止める。雨海が、雷の蛛網を張り巡らせているのだ。「くそっ……!」と態勢を立て直そうとするが、炎と雷の蛛網の両方を避けて通るのはなかなか難しい。
 もたもたしているうちに、雨海の攻撃が迫る。地表を這うようにして腐食の泥波が放たれ、じわじわと敵を追い込んでいく。
 このままじっとしていても負けるだけだということは、相手にもわかったのだろう。ついには炎も雷も多少のダメージは気にせず、真っ直ぐに雨海の方へ飛び込んできた。
 雨海としては、近接戦は避けたいところだ。太陽神のレリーフの力を解放し、炎を放って敵を追い返す。いよいよ雨海に手が届かぬまま、敵は炎と雷の蛛網の渦に飲み込まれる。
 ここまで来れば、もう十分だ。雨海がトドメを決めるべく、炎遷の環を発動させる。
 敵を囲っていた火の粉がたちまち密集し、人型になって中心に集まっていく。相手はその火力に飲み込まれ、その場に倒れ込んだ。
 正面から正々堂々、という形でないとしても――。
 雨海はこの決闘で、確かな実力を見せつけたのだった。



「さて、初めての同調だけど気分はどうかな? ロミオさん……いや、シェイクスピア」
 幾嶋 衛司は、パートナーであるロミオ・モンタギューに語り掛ける。
 二人は今、ディープユニゾンによって深く同調し、十字街での決闘に挑もうとしていた。
 ロミオと同調した衛司に、「ふふ、今は衛司がロミオですな」と普段は“ロミオ”を名乗る偉人が言う。
「さあ、舞台へ! 演出はこの“ウィリアム・シェイクスピア”が請け負いましょうぞ!」

 対戦相手は小柄な女性のようだが、この戦いに参加しているくらいだから、それなりに実力者なのだろう。表情を見るに、向こうもやる気は充分だ。
 相手側が先に攻め込んでくると、衛司は大剣形態のアルタールージュを構え、ブレードプロテクトで守りを固めてそれを受けていく。
 同調状態にある間、主導権は衛司にある。ロミオはサポート役に徹し、グラビティフリーによって衛司にかかる重力を緩和していく。
 相手もただ攻撃しているだけとは思えないが、仮に毒や呪いの類いが盛られていたとしても、ウィッカーコートが衛司を守ってくれる。
 おかげで軽い物理的なダメージだけで済みそうだ。それをロミオが、ヒールフィールドを発動させて癒した。
「女だと思って、加減でもしてるつもり?」
 なかなか反撃してこない衛司を敵が睨み、「いいや」と答える。
「俺が手加減をしてキミが笑うとは思えないからね。キミの笑顔のためにも、全力で相手をするさ」
 そう語る衛司の手には、結婚指輪が光る――自身が失礼な行動をとれば、それは大切な人にとっても恥になる。本気で戦いに挑んでいる相手に対し、手抜きをするつもりは決してない。衛司は、敵の隙を探っていたのだ。
 しかし、敵はなかなか隙を見せなかった。さてどこで反撃するかとタイミングを探っていると、状況を変えるべくロミオが動く。
 グロウフラッシュによって、周囲に閃光が放たれた。突然のことに敵は驚き、目を閉じて半歩下がる。
 そして相手が見せた隙を利用し、衛司がインファールによって敵の弱点を見極める。そこを突くようにして、全力で反撃を叩き込んだ。
 すっかり油断していた相手は、視界が戻るより早く反撃を食らい、一気に弾き飛ばされた。
「決める時はスマートに一撃で……その方がカッコいいよね♪」



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