クリエイティブRPG

■エピローグ■

　――ワールドホライゾン、広場

「さぁ、ミリアム君、ギリアム君、謎の仮面エロ、お仕置きの時間だ」

　ハート形のチョコレートの塊は特異者たちによって解体され、ミリアムが倒されたことで“メルティ・シュガー”の効果は切れ、チョコレートに変えられていた特異者たちは元に戻った。
　首謀者であるミリアム、共謀者であるギリアムと謎の仮面エロは、広場で簀巻きにされていた。

「や、やだなぁ、ジョニーちゃん、ちょっとしたウィットの利いたジョークじゃない。分かってるくせにぃ」
「Of course。だけど、みんなに迷惑を掛けたのは事実だから、相応の罰は受けてもらう！」
「ミリアム姐さんをヤるなら、オレをやるニャ！」
「ミリアム！？　ミリアムさんを止められなかった私にも責任はある！」
「ギリアム！　謎の仮面エロ！　いいえ、ここは私が！」
「「どうぞどうぞ」」
「なんでよー！？」

　ギリアムと謎の仮面エロは一度は止めに入るが、ミリアムが改めて申し出るとあっさりと譲ってしまった。
　ジョニーは先に宣言通り、ミリアムのお尻をぺんぺんした。
　譲り合ったとはいえ、ギリアムと謎の仮面エロもお尻ぺんぺんを受けることになる。

「痛い～。お尻がひりひりする～。お嫁にいけない～」
「その時はこの私が」
「それはないない」
「なんでだー！？」

　おそらく赤くなっているであろうお尻をさするミリアムに、謎の仮面エロが優しく囁くが、ミリアムはあっさり断ってしまった。

「まぁ、なかなか楽しめましたわね。ワールドホライゾンの特異者の絆、見せていただきましたわ」

　シャーロット・アドラーは集まった各世界の人物たちを見渡しながら感慨深く呟いた。
　彼女が知っている顔やストレンジャーもいるが、その気配や立ち姿から、いずれも並々ならぬ者たちであることは分かる。
　中にはスチームアーマーと似て非なる巨大な機械鎧を操る者や、セージのような強力なマナを操る者もいた。
　先程の戦いは、そういった者たちとの絆を垣間見た気がした。
　そう思うと、自然と口元がほころんでいた。

「忙しいのに呼び立ててしまって済まないが、おかげでワールドホライゾンの危機は救われた。お礼と言っては何だけど、今度はくつろげるよう、パーティーを準備しよう。もちろん、ミリアム君とギリアム君、謎の仮面エロの提供でね」
「その時は都合が合えばわたくしもまた来たいですわね」

　ジョニーは星川　鍔姫やTRIALのキョウ・サワギ、リーゼロッテ・マルセイユ、ケイ・ギブソン、水元　環は元より、駆け付けたルキアにユリウスにセイレーンにメリッサにシャオリー、ウリエラ・サブロフ、鴨　希一、ミランダ・ヴァレンシュタインに吉田規夫のクローン体にアメリア・朱雀院、トワイライト、ブリギット、ミサキ・ウツミにマリナ・アクアノートにヴァイオレットにアンティ、ユリア、アデルにサンドリヨン、タクミ、Ｍｉｓｓ．キラー、キリュウ・ヤスハラにエーデル・アバルトにルーニャに、改めてワールドホライゾンに遊びに来るよう約束を取り付けた。
　また、ＲＷＯにアクセスしていた、高杉　大介やイサミ・フォックス、オリヴィア・ヴァレンシュタインにヴェルディアにルージュ・コーデュロイにもメールで同様の連絡を入れた。
　いずれも、来られなくなるような緊急性の高い用が入らない限り、大丈夫だろう、と応えた。

　こうして、ミリアムの恐るべき『糖類補完計画』は、特異者たちによって阻止され、ワールドホライゾンは平穏を取り戻した。
　来たるホワイトデーは、ゆっくりと過ごせる……といいな。