三千界のアバター

ワンダーランド

≪ワールド・ピース≫月光に煌めく鏡の王国

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≪ワールド・ピース≫月光に煌めく鏡の王国
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道を開く為に

 開け放たれた小屋の扉の向こうに広がる空間を前に、コートキューが斧を肩に担いで立ち塞がる。彼の周りにはクマのような動物型のジャバウォック達が立ち並んでおり、更にその周りには人型のジャバウォックの姿もあった。
「お前達が助けにきた姫君ってのはこの中だ、ま……そう簡単に通しゃしないけどな!」
 斧を一振りすると、手始めとばかりに最前線にいた水谷 大和へ向けて一撃を放った。咄嗟の事ではあったものの大和も【幻影の翼】を発動させて一撃を回避する。
「くっ……ただの脳筋タイプでも無さそうだな」
「向こうはやる気充分みたいね。なら、こっちもそうさせてもらうまでよ!」
 大和のパートナーであるリア・アトランティカは【魅惑の美声】でコートキューや周囲のジャバウォックの動きを鈍らせようとした。
 クマや人型のジャバウォックは目に見えて動きが鈍くなりつつあるが、コートキューにはあまり効き目が見られない。
「ディーヴァの歌声ですか、うん……少々厄介ですね。でもまあ、大して支障はないでしょう。さあ、姫君を助けに来た騎士諸君! 1人ずつもいいですが、まとめてかかってきても構いませんよ?」
 エギーの声に人型のジャバウォックも動きを見せ、小人の状態であるエギーも小さな身体を活かして姿を隠し、特異者達を挑発した。
「随分余裕を見せるものだな、それなら……こちらもさっきのお返しといこう」
 大和は『氷剣スノークイーン』の冷気を常時解放しながら、コートキューへ斬りかかろうとするがクマのジャバウォックが大和に向かった。リアも【魅惑の美声】を仕掛けて援護するものの大和への攻撃を止めるには至らない。
「させません……!」
 強化された『アーマードペガサス』に騎乗した乙町 空が、大和とジャバウォックの間に滑り込み、威力を上げた『ジャック・ドリル』でジャバウォックに一撃を加えた。
 その間に大和は再び【幻影の翼】で斧を回避しつつ、間合いを詰めてコートキューの懐に入り込むと【ワイルドハント】を発動させて闘気を当てようとした。
「斧の間合いを制したのは良い判断だと思うぜ、だがよ……当たらなきゃ意味無いよな」
「なっ……」
 大和の闘気は斧で防御され、防がれてしまった。コートキューは大和の印象通り、頭の回る脳筋の片鱗を見せる。その間にもクマのジャバウォックは特異者達の動きを邪魔するようにコートキューやエギーの周りを固めていく。『氷剣スノークイーン』を構え直した大和は、コートキューの腕に冷気を当てながら動きを鈍らせようと攻撃を続けながら、大和とリアへ近付くクマのジャバウォックを退ける空へ声をかけた。
「さっきは、ありがとう。助かった」
「いえ……私はこのままクマのジャバウォックを引き付けます。その間にコートキューさんへの攻撃をお願いします」
 空の言葉に頷いた大和は、動きを鈍らせたジャバウォックへ【シャウトアウト】を発動させたリアの援護でコートキューへ再び斬りかかっていった。



 ◇   ◇   ◇



 空が近接戦でジャバウォックを退ける傍ら、後方からの援護として強化した『センスオブレリーズ』で銃撃する邑垣 舞花はコートキューとエギーの行動に1つの疑問を浮かべていた。
「それにしても、巻髪さんが必要と言いながら……ある意味、私達を招き入れているのは不可解に感じます。そうするべき“理由”があるのでしょうか……?」
 『帽子屋の腕時計』の効果で周囲の動きを把握しやすくした上で、【クールアシスト】による冷静な分析を発揮させながら射線上のジャバウォックに狙いを定め、命中弾で牽制していく。
「いえ……その辺りの目的も城内に潜入する皆さんが解き明かして下さるでしょうし、今はまず、巻髪さんの救出が叶うよう、精一杯お手伝いさせて頂きます」
 空、そして舞花が周りのジャバウォックを的確に減らしていくとコートキューもそれに気付き、軽く舌打ちした。
「後方援護の奴らってのは……目障りだな」
 大和の『氷剣スノークイーン』を防ぎながら、リアの【魅惑の美声】や舞花の『センスオブレリーズ』の銃撃を牽制するため、コートキューは大和から間合いを取る為後方に下がり、遠心力を付けて斧を投擲武器のようにリアや舞花へ向けて投げつけた。
「ちょ、斧を投げてくるなんて……!」
 リアは咄嗟に【川の流れのように】を発動させて斧の軌道から何とか回避し、舞花も向かってきた斧へ直接銃弾を当てて逸らそうとした。2人に大きな怪我は無かったものの、周囲にいるジャバウォックが一時的に自由に動けるようになると空の一撃からも逃れてコートキューへ向かおうとする特異者へ攻撃の矛先を向けた。
「いけない、このままではっ……」
 空は『ヴァルナの護符』で、彼女の周囲に水を纏った半透明のフィールドを発生させ、フィールドに触れたジャバウォックが動きを鈍らせたところへ強化した『欠けし月の小盾』と【盾のルーン】で防御力を高めた状態にした。
「味方の皆さんの、邪魔はさせません……!」
 動きを鈍らせたジャバウォックへ乗り込むように引き付けた空は、【ブレイドダンス】で多くのジャバウォックを流れるような動きで退けていく。

 空や舞花、リアの援護と同時に大和とレイン・クリスティへ続くようにコートキューへ立ち向かう特異者が彼らに続いたのだった。

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