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【覚醒のアーキタイプ】文明の衝突トーナメント―決勝戦、その前に!―

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【覚醒のアーキタイプ】文明の衝突トーナメント―決勝戦、その前に!―
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 それまで生身の訓練をしていた特異者達とは違い、幾嶋 衛司ラティーシャ・ドプナーミスティ・ベル共に【文明の守護者トパース】に乗り込む。
「ケチュア会長に、勝利たちのEXザフィーアと一緒に挑んでもいい?」
「構わないよ。あたしはそれでも負けない。お前達もそれでいいのか?」
 ケチュアは勝利達3人のほうに向き合う。
「特訓とはいえ、必ずしも1対1じゃなきゃいけないってことはないんじゃないかな? 決勝に向けて勝利たちの実力を間近で見たいし、可能なら連携が取れるかも試してみたいんだよね。そういう特訓をしたいんだけど、駄目かな?」
「確かにな。連携の練習も必要……か。いいぜ、やろうか」
 3人の快諾を得た衛司は、茶々を入れるのも忘れない。
「勝利も頑張れよー。マイアちゃんにカッコいいとこ見せないとね♪」
 ケチュアのほうもクリスタルカルに乗り込むと、戦闘が開始される。
「夢、記録のほうを、よろしく」
「任しておくっス。はぁ、やっと本職に……取材に専念できるッス! 特訓の記録もバッチリ撮るッス!」
 守山 夢はビデオカメラを片手に、衛司達を送り出した。
 連携の練習は至極単純だ。
 衛司は基本防御に務め、狙いが他に向いたら攻撃に転じる。
「攻めるばかりが戦いじゃない……ってね」 
 ミスティに【ドレッシングウィンド】をトパースにかけてもらうと、衛司は【コールドリーディング】でケチュア会長の動きを先読みして移動し、【ワイドビュー】で戦場を俯瞰する。
「【アナリティクス】でケチュア会長のクリスタルスカルの動きを分析します。さらに【プレディクショントレース】で見た未来の情報も含めて情報統合し、対策を練りましょう」
 ミスティが得た情報を元に、【タブレットモノリス】で【デフラグメンテーション】で情報を整理していく。
「マスター、分析結果と予知でのクリスタルスカルの動きです。……どう見ますか?」
「ケチュア会長は自分から攻めていくよりは、相手の出方を見る冷静タイプかもね、ミスティちゃん。だったら、いっそ物量で短期決戦もありかもねぇ」
「情報を制する者は戦いを制する、ですねぇ」
 ラティーシャの言葉に衛司は頷く。
「相手の動きを逐一把握するんだよ。何か罠がないか、【フールドリーマー】で分析し、常に一手先を見据えられるようにセット。【無線中継セット】で情報を勝利達にも送ってね。で、これからキミ達に何をして欲しいか、わかる?」
「もちろん、攻撃担当ですよねぇ?」
 ラティーシャは【千年杖】の闇の波動での魔法攻撃を担当し、情報を元にケチュアに向けて魔法弾を放つ。
 更にミスティは【外部FCS】の補助を受けながら【氷華の護身銃】による波状攻撃を担当した。
 続けざまの攻撃にケチュア会長は苦しそうな、だが嬉しさの韻を持つうめき声を漏らした。
「なかなかの攻撃、やるな」
 多人数での連携に、流石のケチュアも本気を出すしかないのだろう。
「おおっと! おおっとぉ!?幾嶋センパイ、ケチュア会長相手にまさかの頭脳戦を仕掛ける模様! ディスカバラーではないただのスカラーだからこそ、他の世界のアバターの力も活用しやすいという逆転の発想! 経験豊富なケチュア会長に、色男の知恵は通用するのか!? さあ会長の対応は如何に!」
 夢は【アナウンスマイク】で実況するが、それは公平なアナウンスではない。
 時折、【ハンドマイク】で【応援】や【ブレイブボイス】を送り、衛司達に活力を与えている。
 もっともこれも頭脳戦の一環だ。
「総力戦か。面白いじゃないか。あたしも気張らなきゃね」
「ここでケチュア会長、防戦の一途です! これはもしかして、もしかがあるのか!」
 魔法攻撃に合わせるように勝利達が攻撃を仕掛ける。
 あっという間の攻勢に、他の特異者達は固唾を呑む。
 だが有利な盤面もそう長くは続かなかった。
「トパースちゃんからの魔力供給がときどきあるとはいえ~、その分稼働時間の限界が近いです。エージくん、そろそろトパースちゃんが限界みたいですよ~」
「あ、もう? 仕方ないな、じゃあ切り札、いっちゃおうか」
「はい~。了解ー~」
 ラティーシャは頷くと、【ドレッシングブライト】で自身を発光させた。
 ただでさえ戦闘で圧されているのに、突然の光にケチュアもたまらない。
「く……目くらましか!」
 目が眩んでいる隙にラティーシャは【ミラージュアーマー】で機体を消し、消えた状態から【ハイパーナチュラルミサイル】で奇襲を仕掛ける。
「ミスティちゃん、合わせましょ~合わせましょ~。全力ぜんか~い、はいぱ~な攻撃ですよ~!」
「……その間の抜けた感じはどうにかならんのか? まぁいい、こちらで合わせてやる」
 衛司はラティーシャの全力攻撃に合わせて【サイバーチャクラム】をプリントアウトすると、光に紛れ込ませるようにクリスタルカルに投げつける。
「これが最後の切り札……いっけぇ!」
 いけるか……誰もがそう思った瞬間、クリスタルカルは尋常ではない速さで攻撃をかいくぐると、トパースに突っ込んでいく。
 音速の移動攻撃に、あわや……というところで、今度はトパースが姿を消した。
「消えた!? ここでセンパイのトパース、まさかの消失! 一体どこに隠れたというのかっ!」
 隠れた、のではなかった。
 活動限界を迎えたトパースは、最後の動力を振り絞って直撃を避ける為にブーストして移動しただけだった。
 それでも完全に避けきることは出来ず、ミスティが【BMフィールド】で受け止めて、被害の軽減していなければ、運が悪ければ最悪の事態もあり得たかも知れない。
 沈黙したトパースから衛司達が降りる。
「いい線いったと思うんだけどな。これからはペース配分も考慮する必要がありそうだ。夢ちゃん。それ、あとでダビングして勝利たちや会長にも渡しといてね」
「了解っス!」
 ケチュアと勝利達は引き続き特訓をするようで、沈黙したトパースに見向きもせずに攻撃の応酬を続けていた。
 もっともそれはお互いに真剣になっているからであり、そこまで真剣になるほどケチュアを追い詰めた衛司達の功績が大きかったと言えるだろう。
「ま、本番はこんなことにはならないさ」
 そう言うと、衛司は夢やラティーシャ、ミスティに合図をし、後続の特異者に席を譲るのだった。


 衛司達や勝利達との訓練がひといきつく頃、霜月 八手は生身のままでクリスタルカルに挑む。
「ほう……守護者相手に生身で戦うつもりか?」
「対守護者武器を用いた生身でのの立ち回りを俺なりに考えてみた。通用するか……会長、よろしくお願いする」
 ケチュア会長は仕方ないという様子で承諾する。
「【リアリティクローゼット】展開!」
 八手は【ティルトアーマー】で飛行をすると、小刻みにクリスタルカルの周囲を回りながら近づいていく。
「なるほど、攪乱狙いか。人対守護者だと、それしかないだろう」
 感心したようなケチュアの声に八手は無反応だ。
【デッドオアアライブ】で死線を見極めながら、反撃を受けない距離から攻撃を加えていく。
「機は熟した」
 敵との距離が30メートルを切った辺りで【ウエストアンカー】を射出し機体に突き刺す。
「やるな……。だがみすみす近づけさせない」
 ハエでも払うような仕草をするクリスタルカルに対し、八手はアンカーを繋げたまま、直線移動から曲線移動に切り替えた。
 空振りしたクリスタルカルに一気に接近すると、所持していた【ガーディアンバスター】を鞭形態に変え、腕の関節部分に巻き付ける。
「小癪な」
 うっとうしいとばかりにクリスタルカルは左右に腕を払う。
 挑発するように八手は攻撃を軽く加えるだけで、すぐに攻撃射程圏内から逃げてしまう。
 直接の被害はないが、ヒット&アウェイにケチュアはしびれを切らせる。
「その攻撃は悪手だ」
 それを実践するかのようにケチュアは構える。
 八手の狙いはまさにその瞬間だった。
 自身の秘術である深淵骸装を展開して黒き鎧と同化すると、最大威力の攻撃の態勢に入る。
「ディスラプトラッシュ!」
 出鼻を挫くようなカウンターに、クリスタルカルは思い切り被弾する。
「俺の目的は達した。これ以上戦っても危険なだけだ」
 八手はこの時点で追加攻撃することはなく、退いた。
 彼の目的はあくまで味方守護者の為の揺動、奇襲を想定しているだけであり、倒すことは考えていなかったからだ。


 飛鳥 玲人ニーナ・ステラと共に【 月光の守護者セレニテス】に搭乗し、訓練を再開した勝利達と共にクリスタルカルに対峙した。
「兄さん、どうしますか?」
「会長は相当な実力者だ。迂闊な攻撃をすれば反撃の糸口を与えてしまう、かといって何もしないままではジリ貧になる。だからまずは……」
「情報集めですね」
 玲人は【コールドリーディング】で観察しケチュアの動きを観察する。
「【戦闘分析】結果出ます」
 防衛に回りながら、敵機体の動きを分析していく。
「機体飛行。レーザーで牽制します」
「ニーナ、【スロートワイヤレス】で勝利達と連絡を取ってくれ。攻めるときにはタイミングを合わせよう」
「クリスタルカル、EXザフィーアに照準を定めています!」
「よし、今だ。挟撃するぞ!」
 玲人達は【バトルバンカー】でクリスタルカルの背後に回る。
「【パワーアタック】で腕の出力を上げ威力を上乗せします!」
 ケチュアに向けて様子見から一転、攻撃を仕掛ける。
 だが玲人の誤算はこのあとにあった。
「兄さん、見向きもせずに勝利さん達に向かっています!」
「……これは……まずいぞ! 勝利達を守るんだ!」
 攻撃の手を止めると、ニーナは【レッグアクセル】を使い加速し。先回りして庇うように勝利達とケチュアの間に割って入る。
「【クリエイション】! 【オリハルコンの板】を大盾に生成、勝利達にはその間に体勢を整えるように伝えろ!」
 ケチュアに攻撃を加えられかけた為か、EXザフィーアはすぐに動こうとはしない。
「リーゼロッテはアクリャにアバターチェンジして日が浅い。焦りや戸惑いがあるのかも知れないな。……ニーナ、通信をつないでくれ」
「わかりました」
「……リーゼロッテ、聞こえるか? らしくない……という言い方は少々おかしいのかも知れないが、大丈夫か? 君達の中で一番状況を冷静に判断が出来るのはきっとをリーゼだと思う。自信を持てって……己を見失うな」
 その言葉が通じたのか、それとも別要因でもたついていたのかは分からない。
ただ、通信のあと、EXザフィーアは体勢を立て直し、移動を始めた。
「兄さん、今度はこちらが危険です! 牽制の為に放った射撃がラストミステリーで躱されました。攻撃されます!」
「観察したデータからタイミングを予測してくれ。至近距離からの【フレアーボム】で迎撃するぞ!
「でもそれでは……!」
「自分を犠牲にするくらいの気持ちがないと、会長に一矢報いれまい」
「……わかりました。兄さんについて行きます。【呪術防護盾ア式】準備! 【アームディフェンス】で被害を軽減します! そのあと、勝負を決めてください!」
 決死の覚悟を決める玲人とニーナ。
 だが彼らのフレアーボムが放たれることはなかった。
 何故ならケチュアもまた、危険予知に長けていて、この先の危険を知っていたからだ。
 
 
 玲人達から距離を取ったケチュアを待ち伏せていたのは、】暁天の守護者サード・ニュクスを駆る柊 悠人と、その同乗者であるエテルナ・シルフィードマチルダ・エヴァンスだった。
「接近の音。この駆動音、おそらくケチュア会長よ」
 聞き耳を立てていたマチルダが、いちはやくクリスタルカルの接近を察知した。
「会長! その胸、借りさせてもらうぜ!」
 悠人はプラズマライフルとアクリャの刀をオパリオスに持たせ、様子を伺う。
「来たぞ、悠人! 出会い頭に攻撃を仕掛けてくるつもりだ!」
 クリスタルカルがお構いなしに迫ってくるのを確認すると、エテルナが声を上げる。
「よし! まずは牽制だ。射撃を中心に敵の動きを止めながら、様子を伺うぞ!」
「いや、まずい! 様子見をしている余裕はないぞ!」
 その言葉が早いか、それとも回避の動きが速かったか。
 エテルナの咄嗟の判断でサード・ニュクスがその場から飛び退いた。
「助かったぜ、エテルナ。って言うか、強いとは思っていたがマジか。あっちの機体のほうが、機動力が圧倒的に高ぇじゃねえか」
 悠人は射撃用武器よりも有効だと判断し、即座にタイムロスを防ぐためにライフルと刀はその場に放り投げ、トライアルソードを双剣状態にして持つ。
「こっちより早いってこと、逃げても意味がねえってことだよな。攻撃に転じるぜ」
 相手が視界に入る前に【ドレッシングサンダー】を発動させ武器に帯電させ、待ち構える。
「来たわ、エテルナ。【チャージ】をしておくわね。攻め入る隙を作って!」
「任せておけ! 弾丸の雨をくらいな!」
 視界に入った瞬間、エテルナの【スーパーナチュラルミサイル】がクリスタルカルへと降り注ぐ。
 勿論、ケチュアが簡単にそのような攻撃を受けるはずがない。神速の動きであっさりとかわす。
 その結果は悠人達も充分に予測していたことだ。
「予想通り、避けたわね。悠人、頑張って! ここがチャンスよ!」
「おう、任せておけ!」
 マチルダの【応援】を受けると、それを力に変えて悠人は相手との間を詰めた。
「ほう……能力差があるとわかって、あたしと真っ向から勝負か。つくづく、この訓練では楽しませてくれる」
 ケチュアの言葉など、悠人達の耳には入らない。
 相手に更なる隙を作る為に、早いところ電撃で痺れさせなければいけない。
 だがあっという間に体勢を整え直したケチュアは、その剣をあっさりと受け止める。
「どうだ? あてが外れたか?」
 次の瞬間、悠人の背中に冷たいものが走った。
【インテュイション】で危険を感じた瞬間、その勘に従って【デッドオアアライブ】でその場を回避する。
 目の前で、クリスタルカルの横薙ぎの一閃が空を切った。
「いい反応をしている。あたしが相手じゃなきゃ、勝てただろう」
 距離を取って仕切り直しになるが、まともに対峙して奇襲が利かないぶん、今のほうが劣勢と呼べるだろう。
「どうする? 悠人。いちおうミラージュアーマーを展開するが、それでも厳しいぞ?」
 エテルナの言葉に悠人は笑った。
「いや、それで充分だ。防御力だけを上げてくれればいい。さっき、危険を感じて俺は攻撃を避けた。つまり危険を感じるほどの大技を仕掛けてくれば、そこに隙が生まれるということだ。その一点を突く。スラスターを全開にして突進し、両手剣形態にしたトライアルソードで相手を突き刺す」
「わかった。じゃあ次の一撃が勝負だね」
 マチルダは再びチャージで武器の強化を行なうと、攻撃に備えた。
「……そろそろオレに訓練の時間を回してもいいだろう?」
 悠人達が勝負を決めようと覚悟した瞬間、そこに割って入った者がいた。
 夏輝・リドホルムと、そのサポート役の妹尾 春那だ。
「オレ達と金剛石の守護者アルマースがチャンスを作る。もっとも、そのまま勝負を決めてしまうかも知れないが。さあ、会長。お相手仕る」
 夏輝はアルマースの装甲に特殊フィールドを発生させ、更に細氷の羽衣を纏わせる。
「念には念を、よ。相手はケチュア会長だもの」
 更に春那が【フォースコーティング】を施し、3重の守りを固めた。
 彼女自身も金剛石の戦衣とウィスパードを纏い、自らを強化して万全のバックアップ態勢を整えておく
「ふっ、心配しなくとも非戦闘員のみ狙うなど、野暮なことはしない」
 ケチュアは立て続けの強者に喜びを隠さない。
 一気に間合い狭めてこようとするが、夏輝はそれを拒否する。
「全方位から畳みかける攻撃を仕掛けるわ!」
 春那はアルマースの腕を自在に【サブコントール】し、戦闘を仕掛ける。
 ケチュアの動きは凄まじかった。
 完全に被弾覚悟で避けようともしないのは、彼女が不死鳥の力を得ているからか。
 瞬く間に近接戦に持ち込まれる。
「それならそれで構わない。ここからはアルの強固な防御力を背景に防御戦術を仕かける。元より、その為に防御を固めていたのだ」
 ファントム・ネイルを使い、夏輝は攻撃を捌く。
 撃ち漏らした攻撃も春那がカバーしていく。
 そしてその撃ち漏らしは意図的なものだった。
 夏輝達に隙が出来たと判断したのか。
 そうでなくとも、ファントム・ネイルの攻撃を受け続けるのは得策ではない。
 ケチュアは十八番であるヒールドロップを繰り出す体勢に入った。
「アルマースヘッドにより演算。【コンセントレーション】で集中する!」
 夏輝のかけ声と共に、【重力場形成】が施される。
 ヒールドロップの初速が遅くなり、そこに最大の隙が生まれた。
 夏輝は迷わず【ドレッシングホイール】をアルの足の裏に形成し、回転速度を上げて蹴り上げた。
 その蹴りは春那の【レッグアクセル】で強化された為、ケチュアのヒールドロップにもひけを取らない威力を発揮させる。
「む、相殺か」
 衝突の火花が散った。
 まさか真正面から受け止められると思わなかったらしく、クリスタルカルはバランスを崩す。
 そこに今一度、【ドレッシングホイール】を用いて機体の足を車輪に変え、再び【レッグアクセル】を強化させる。
「くっ……」
 たまらない、と即座に感じ取ったのか。
 ケチュアはマタカに対策を取るように指示しようとするが、春那がその前に【記憶の奔流】の情報飽和攻撃でマタカの判断を邪魔する。
「ツインアクリャやEXリアクターよりも主との絆が全て。それを証明するわ、今、ここで! 主を支えるアクリャには、今まで支えてきた誇りと意地があるのよ!」
 隙が出来た瞬間を、悠人達も見逃さない。
 守護者に付属している双剣を装備し、クリスタルカルに突き刺さすと、【ドレッシングサンダー】の雷撃を与えようとした。
 その時だった。クリスタルスカルの機体が消えたと思うと、サード・ニュクスとアルマースの二機が勢いよく吹き飛ばされた。
 そして、なんと飛ばされた二機はクリスタルスカルに“受け止められた”のだ。
「な、なにが起こったんだ……」
「こいつを見出さなきゃ、危なかったね。【ラストミステリー・パーフェクト】、完成だよ。
 みんな、助かったよ」
 この瞬間、ケチュアはメンフィスのシヌへ王に並んだ確信を得ていた。
 
 訓練は終わりを告げた。
 全力を使い果たした特異者達に比べ、訓練が終わったあともいつもと変わらぬ表情を見せている。
 いや、奥義を見出したことで、いつもよりも喜びに満ちているようにさえ見える。
 これによって決勝戦がどうなるのか……それはまだ、分からない。


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