【ラディア領へ】
巨大な輸送用のエアロシップが、ゆっくりと浮上していく。
それに伴い、隠すために施していた砂地用の塗装がはがれ、その姿が露わになっていく。
そんなときに近くをグランディレクタ軍のエアロシップが通ってしまったことは不運だとしか言いようがないだろう。
巨大なエアロシップを発見したグランディレクタ軍は僚機であるスカイライダーを複数機輸送用エアロシップへと向かわせる。
「敵戦力はあれ一機じゃ。スカイライダーさえ倒せば何とかなるじゃろ。
そっちはそのまま浮上しラディア領へと抜けておくれ」
避難用エアロシップの近くの上空に停泊している
アッシュムーン・セラフはそう伝えると、自身はスカイライダーの方へと接近し、“テーザーカノン”を用いて敵スカイライダーを牽制した。
「私も手伝うわよ」
さらにそれを援護するように蓮花もエアロシップを用い、敵エアロシップへと接近する。
セラフの攻撃に気を取られていた敵は一瞬対応が遅れ、蓮花の接近に対し攻撃をすることができなかった。
「貴方達の目的は遺跡の方でしょうに……欲張りな相手は嫌いだわ」
蓮花はその隙を見逃さず、機関部へとプラズマウェイブを放つ。
機器類に不具合が生じたのか、敵エアロシップはふらふらとその場で揺れ始める。
「悪いけど……頭上注意よ」
さらに、ふらふらしているエアロシップ目掛け、雷落としが直撃、エアロシップは黒い煙を吐きながら地面へと落ちていった。
程なくして、母艦の墜落に動揺したのか、スカイライダーはその動きに精彩を欠き、セラフのテーザーカノンに撃ち抜かれる。
「これでもう安全ね」
特異者達の活躍により、避難民を乗せたエアロシップは無事にラディア領へと到着した。