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エルベ砂漠の戦い

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エルベ砂漠の戦い
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【オアシス周辺の戦い】


細かい砂を巻き上げながら、砂漠地帯をサイフォス先行型が駆けている。
その後ろにも、同じくサイフォス先行型が二機、僚機として付随していた。

「細かい作戦は無しだ、シザー! ハラル! お前たちも自由に敵を叩いてやれ!
 戦利品は倒した奴らのものだからなぁ! ここら一帯を地獄に変えてやれ!」
 
「ハッ!」

途中で別地域を哨戒していたファイアヘッズ・トランスポーターを含む部隊と合流し、合計6機となったサイフォス先行型の部隊は、程なくして敵機が確認された地点へと到着した。
そこには移動を続けようとしているファントム小隊がまだ残留していた。

敵もサイフォス先行型が移動してきた音を聞きつけ、こちらには気づいた様子。

「降伏してください。そうすればあなた方に危害は――……」


ファイアヘッズの降伏勧告が終わるよりも早く、敵のファントムは戦闘を仕掛けてきました。
敵機がこちらに向かってくる姿を見ながらもファイアヘッズは慌てることなく試作機ヘルと呼ぶ自身の機体に内蔵されたマシンショットを出し、的確に相手の弱点を突くべく、エイムショットを放ちました。

さらに、敵がバランスを崩したことを確認すると、ステイシスライトニングを放ち、僚機と共にシュツルムアタックを繰り出しました。

「ロン、スカジ行きますよ!」

タイミングを合わせた見事な陣形攻撃によって、ファントムは無力化された。
それを受けて、残っていたファントム達は、その場で立ち止まる。

「お前だけにいいかっこはさせないぜ!」

敵ファントムの動きが止まった瞬間、サジーは大斧をもって敵へ向かって駆けだしていた。
そして敵が反応するよりも早く、ファントムの下半身に向かって狂戦撃を繰り出す。

「う……うわぁあああ!」

ボロボロになった味方ファントムを見て、残りのファントムは逃げ出す。
やがて、他に敵兵がいないことを確認すると、残されたサジーはつまらなそうに斧を担ぎなおした。




それと時を同じくして、オアシス近くにも敵部隊が迫っていた。
避難民を見下ろすようにして、2機のファントムが立っている。

「こんなところにまだ隠れていたとはな」
「こいつらを連れていけば、少しくらいは金になるだろう」

ファントム達の目は残されていた若い女性の避難民へと向いていた。
女性たちを捕まえようと、ファントムの足が一歩前へ出る。

「なぁに、殺しはしねぇ……」



その様子を、別の目が遠くから見つめていた。

「テレサ、敵だ。距離は2000砂丘を下ろうとしてるため下方修正5度だ」

「よっしゃぁ! まってろ夢のハーレムライフ!」
砂丘を勢いよく下ろうとしたファントムは、その言葉を最後に、頭部がはじけ飛んだ。
強い衝撃とカメラを破壊されたことにより、その場で前のめりに倒れこむ。

その横でファントムを運転していたトルーパーは何が起こったかわからず、目を丸くしている。

ファントムの頭部を破壊した弾丸が飛んできたはるか後方。
テレサ・ファルシエが小口径艦砲を構えていた。

避難作戦が始まってすぐにすばるから連絡を受けたテレサは、少し離れた岩場に迷彩塗装を施した空挺洗車で隠れていただった。そして別の場所で隠れながら敵の位置を探っていたデザートコマンダー平松 揚羽の連絡を受け、見事な狙撃を決めたのである

「さすが揚羽さん。情報ばっちりです」

「当然だ。私も戦闘に出るぞ。援護してくれ」

「了解です。長い時間暑い中で耐えていた甲斐がありましたねぇ」

揚羽は、別の場所を見張らせていたオオカミ乗りを呼び戻すと、自身もペガサスに跨り、飛び立った。
敵ファントムはそれに気づくと、メックマシンガンを乱射するが、低空でジグザグと飛行する揚羽には当たらない。
さらに数発撃ったところでテレサの狙撃によって上腕部を攻撃され銃を落とした。

「――参る」

揚羽はペガサスの上でレーザースピアソードを構えると、インファイトで一気に距離を詰め、事前にテレサと打ち合わせをしていた通り、ファントムの脚部を攻撃した。
片足と片腕に損傷を負ったファントムはバランスを崩し、砂丘をそのままゴロゴロと転げ落ちていった。

その衝撃でトルーパーが意識を失ったのか、倒れたファントムは起き上がることはない。


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