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ミラクルランドと新たなる魔道少女☆【最終話】

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ミラクルランドと新たなる魔道少女☆【最終話】
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「右手側から接敵、戦闘の余波が来るかもしれません」
 永見 玲央はドローンを操り、周囲の様子を永見 博人へと伝えていた。
「じゃあドローンを移動させて……それにしても最後の最後で総力戦ってことは、たぶんあっちも余裕がないってことだよね」
 博人は言葉を紡ぎ、考える。あちらからすれば順調であった流れが瞬く間に変わってしまったことだろう。そしてこれ以上の被害が出ないうちに総力戦でこちらを叩きたいはず――だからこそ、博人と玲央はドローンを持ち込み情報をかき集めていた。
 周囲には彼の放ったドローンたちが待機しており、搭載された機能で敵方の動きをスキャンしている。膨大なデータを博人の持ち込んだカードケース型超小型PCだ。
 カイジーンと魔道少女達の戦いの邪魔にならぬよう留意しながら、スキャンするのは心壊れた魔法少女達についてである。
 彼女らは魔法少女らしく、特定の属性に精通しているらしい。
 操る光や魔法は見事なものであり色事に属性の統一感が見受けられる。おそらく、以前活動していたときの名残なのだろう。
「……闇属性だけは、あの女王様のところにきた魔法少女だけなんだね」
 それ以外の属性は大方揃っていたが、負のエネルギーをこれでもかと扱っているせいか、はたまた特異者の行動のおかげか、カイジーン達の数は徐々に減っているようだ。
「お義父さん、そっちのデータも回してくれる? こっちの魔道少女たちの様子も見たいんだ」
「博人が作り上げたゲームのプレイヤーですか」
「うん、皆がどれくらい動けているか知りたいんだ」
 そうして想い馳せるのはゲームを作り上げていた時のデスマーチ後――ではなく、販売後の反響についてだ。
 あのゲームは魔道少女たちの導入としては好評であり、またストリーマーが取り上げてくれたお陰で売り上げも好調であった。聖獣たちによれば、発売後は忙しなく魔道少女の勧誘に走り回っていたという。
「ゲームの内容をかなり魔道少女たちに寄せたから、なんとなく能力の把握はしてくれていると思うんだけど……」
 それでも実戦とゲームには大きな差がある。
 しかし0ではないのだ。知識と共に動けばきっと良い未来へ歩むことができるはず。そう博人は信じ、近くに居た聖獣たちへ声を掛ける。
「ドローンの動きに合わせて、魔道少女たちを導いてあげて。劣勢っぽいなって思ったら、お義父さんのほうに声をかけてね。退路を作るか、少し手助けできると思うから」
 博人の言葉を聞いた聖獣たちは小さく頷き、魔道少女たちの元へと駆けていく。
 それを見送り、博人は小型PCに集められた情報に目を通していった。
「得意属性になるように動いてくれているかな? あ、でもこの子は苦手なところにいってる。多分、ゲームをあんまりしてこなかったのかな……」
 ゲームを遊ぶものが全てゲーマーな訳ではない。今度作る事があれば、是非とのその辺りをフォローできるようにしていきたいなと考えれば、妙案が次から次へと浮かんできた。
「聖獣をお供として育てるのもあり? ゲームと同じ聖獣が目の前にきたらきっと運命を感じちゃうよね。勧誘にいく聖獣たちをモデリングして……あ、あっちの魔道少女を後方に誘導しないと。……あと得意スキルなんかも学べるように、使役できるシステムがあればもっと楽しいんじゃないかな!! それで連絡手段のシステムなんかも搭載してさ!!」
 博人は目をキラキラと輝かせた。それでいて、きちんとドローンも動かしているので1人で大忙しと行った感じである。
「……まあ、楽しいのは良い事です」
 そんな彼を見守っていた玲央はドローンを操縦しながら「そのうちゲーム製作という趣味も増えそうですね」と少し先の未来を思い描き、小さく微笑んだ。


▼ 能力のスキャンによって相手の攻撃パターンを少しだけ解読することができた
▼ 新人魔道少女たちは聖獣たちのサポートを受け、少しずつ成長していった

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