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ヴェストゼーゲン開拓記

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ヴェストゼーゲン開拓記
【!】このシナリオは同世界以外の装備が制限されたシナリオです。
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- プロローグ -


 ヴェストゼーゲンと名付けられたこの土地は、開拓が始まりもうすぐ一年が経とうとしている。当初に比べると人口も増えてはいるがまだまだ発展途上。村を纏めるグラティアの下には日々様々な仕事が舞い込み常に忙しくしているが、そんな中で別の部屋から何か音が聞こえてきた。
 気になったグラティアは休憩がてらその様子を確かめに行くと、侍女たちの部屋がある辺りが音源のようだった。

「~~~♪ っていうのはどうかな?」
「いいですね。それでは、メロディはこのうように……」

 グラティアの下で侍女として働く織羽風華もまた、休憩時間を使って祭りの準備をしていたのだ。どうやら、祭りで使う歌や音楽について話し合っているようだ。
 そんな二人の様子を見て微笑ましい気分になったグラティアは、再び書類と格闘する為に執務室へと戻ってゆくのだった。


 祭りの準備に忙しいのは二人だけではない。村の中でも様々な場所で、普段の仕事の合間にそれぞれが出来る事を見つけてせわしなく動いている。

 例えば牧場。
 ここで牛や鶏の世話をしている潤也アリーチェは、祭りで屋台を出すつもりらしい。貰って来た板材を使って工作していた。

「ここの高さはこれくらいでいいか?」
「うーん……うん! 大丈夫そうね!」

 この二人は祭りで屋台をやるつもりらしく、その屋台を今から作っているところのようだ。

 例えば村の中。
 いつものように海へ出る予定だったは、出発する前に村人たちと話をしていた。

「海で採れそうなもので、祭りで喜ばれるのってあるか?」
「やっぱり海の魚介は嬉しいだろ! この前はあんたが採ってきてくれたが、本来は滅多に食べられるもんじゃないからな。外洋にいるっていうでっかい魚なら、みんな絶対喜ぶと思うぜ!」
「なるほどな。ありがとう、参考にさせて貰うよ」

 せっかくなら料理をしたいと考えていた貫は、何か良さそうな食材がないかと聞き込みをしていたのだが、やはり海の魚は人気のようだ。

「力仕事なら普段から工事とかやってる人たちが一番だろってさ。
 書類とか数字に強いのは……居なくもないけど少ないかな。ちゃんと家の場所は聞いてきたから、後で声を掛けてみるよ」
「あぁ、頼んだぞ」

 アレンデレクは裏方の人員確保に動いていた。屋台などの設営を担当する者や、警備を行う者、各種書類の整理や会計を行い運営を管理する者など、必要な人材は多岐に渡り、その時になって急に依頼するというのは難しい。
 だからこそ、こうして今のうちに目星をつけておき、裏方としての参加を呼びかけておくのだ。
 アレンはデレクが集めてきた情報を整理し、二人で手分けして人員の勧誘に動くのだった。

 畑の近くでは、詩穂ロザンナが農夫たちに話を聞いていた。

「祭りの時期に旬な食材ってなると、白菜とか大根だろうなぁ」
「それって、ここの畑でも作ってるよね? ここにはないから外から持ってきたい! っていうのはある?」
「野菜は色々とあるし、そうなると果物類になるかな。柑橘系とか、リンゴとか」
「ほほう。それは確かに美味しそうだね!」

 農夫たちから聞いた話をメモに纏めると、お礼を行って二人はまた別の人へと聞きに行く。

 例えば冒険者ギルド。
 朝早くにギルドへ顔を出した圭二は、依頼を受けるついでに受付嬢と軽く話しをしていた。

「近々祭りが行われるようだが、俺でも何か手伝えることはあるか?」
「そうですねぇ。では、こちらの依頼なんていかがでしょうか?」

 そういって差し出されたのは、森の外縁部に棲息する野生動物の狩猟依頼だ。なんでも、祭りで肉類の大量消費が見込まれるため、当日までに出来るだけ用意していきたいということらしい。
 この依頼は受注する必要がなく、狩ってきた獲物をギルドに持ってくればその場で種類や量に応じて清算する仕組みとなっているらしい。
 時間のある時にでも狩ってきてください。と受付嬢に笑顔で言われると、圭二も分かったと答えつつその日に張り出された依頼を眺めてから、北の森へと足を向ける事にした。

 例えば病院。
 祭りともなれば、酔って気が大きくなった人が喧嘩や揉め事を起こすこともあるだろう。そんなことが無くても、なんらかの急病人や怪我人が出てくる可能性は常にある。
 祭りを楽しむことはもちろん大切だが、浮かれすぎて自分がやるべき事を見失ってはならない。

「これだけあれば十分でしょうか。次は……」

 棚の中に保管してある薬の数を確認した三美は、完成が近い病院の中を歩きいざ急患が来たとしたらどのように動くべきなのか。
 建物内の導線を確認しつつその時の事をシミュレートするのだった。


 活気づく村から聞こえる様々な音や声。そのどれもが明るく、グラティアは自然と口角を上げていた。



■目次■


プロローグ・目次

西の海には

美味しいオムレツを求めて
水路を繋げ!
鉱業ギルド設立
病院と薬
衛兵詰所の建設
冒険者ギルド支部の展望
街道整備(東)
村人たちと音楽

提案

生態調査
”超獣” 1
”超獣” 2
”超獣” 3

続・『生きた薬箱計画』
結成、自警団
祭りの運営は大忙し!

エピローグ

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