* 序章 *
今日も山に雪が積もる。
空にも白い雲が立ち込め、雪の結晶を散らす。
耳をすませば静寂の中に子供たちの元気な声が時折聞こえてくる。
一織 朱音はよし、と一言零すと背後に控えている修祓隊士等を振り返った。
「優先するのは子供たちの保護。やり方は任せるけど、敵に集中し過ぎないように気を付けること」
視界の悪い中での戦闘は子供たちに余計な危害が及ぶ可能性もある。
雪玉を投げてくるマガカミというのも異質なため、朱音は再三注意を促した。
「子供たちを保護したら敵の一掃と一帯の浄化を以って任務完了とします。最後まで気を抜かないように励んで頂戴ね」
朱音の号令で集った隊士達が一斉に動き出す――。