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【祓魔師/未廻組】祓魔師のカリキュラム7

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【祓魔師/未廻組】祓魔師のカリキュラム7
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 エリザベート・ワルプルギスの指示により、戦いに貪欲なステンノーの意思に憑依された水竜レヴィアを解放するため、生徒たちがパラミタ内海へ赴いた一件の後。
 季節はすっかり蒸し暑い残暑から涼し気な秋へと移り変わった頃、ラスコット・アリベルトの手によって魔道具の改良も終える事ができた。
 兼ねてからエリザベートが計画していた課外授業を行う時期としても丁度良いタイミングであり、教師たちは彼らを連れて人と魔性が共存する次元の都へ向かう。
 そこは生徒たちが一度訪れた場所であり、都に住む人々との交流や魔性について理解を深めるための場であった。
 しかし今回は、祓魔師として成長を続ける生徒たちに改良した魔道具に慣れてもらうことを含め、魔性が憑依した対象と戦う術なども学んでもらうことが目的だ。
 だがその最中、ステンノーの動向について気掛かりな者もいるようだ。
「確か…レヴィアさんと待ち合わせしていた方の行方は、まだ分からないんでしたよね。無事だとよいのですが…」
 ベアトリーチェ・アイブリンガーは行方不明の魔女オメガが、ステンノーの次なる動向に巻き込まれていないか不安げに俯く。
 海辺で待ち合わせしていた水竜レヴィアと魔女オメガの二人の行き先は、調査対象であるモーントナハト・タウンの遊園地。
 その遊園地へ訪れたきり行方不明になっている人々と、何らかの関係があるのでは…と考え込む。
「今までのことを考えると心配だよね?」
 ステンノーが行った所業を考えると、ポジティブな小鳥遊 美羽でも、その魔女が全くの無事とは思えなかった。
「気になるのであれば、調査について行ってみてはどうですかぁ~?」
 エリザベートは行方不明の少女を気にかける二人の会話を耳にし、彼女たちを見上げて言う。
「うん、私たちも参加するよ!」
「私とラスコット先生は都の方で待機しているので~。現地には、未廻組の方々が連れて行ってくれますよぉ~」
「いつもは、その二人が色々と調べてくれているんだったよね」
 未廻組の者は生徒たちに魔道具の扱いを教示すること以外に、校長から魔性による事案の調査などの依頼を度々受けていた。
 美羽たちも授業の概要を通して、彼らが担っている活動について十分理解している。
「そ~なんですよぉ。人手が足りないので、助かってますぅ~♪」
 校長と講師の方は授業の準備や教材作りの作業があるため、どうしても実戦などの現場までは手が回らないようだ。
「ですからその分、魔道具の扱いなどで分からないところがあれば、私に質問しちゃってください~♪」
「えっと……私はアークソウルとエアロソウルを使うんだけど。どうすればもっと上手く魔性を探知できるようになるかな?」
 予め教材は一通り読んではいるものの、美羽は首から下げたペンダントに目を落とす。
「でしたら~。アークソウルの感情を読み取る効力を、声を聞き取るように捉えてはどうですかぁ~?」
「声…?」
「例えば~。美羽さんが捜している相手が、美味しいお菓子を求めているのなら~。それの~、どのような種類を求めているのか的を絞る感じですぅ~」
 もしも対象が何らかの菓子を探し求めているのなら、洋菓子や和菓子、洋ならケーキなのか、和であればお煎餅のことなのか。
 それらをフィルターにかけることで、対象を見つけやすくなるのでは?と提案した。
 多くの感情を情報として読み込む感覚よりも、それぞれの独り言として感じ取る。
 美羽のように感受性豊かであれば、相手の思考を読み取るポイントを押さえることで、対象を捜しやすくなりそうだ。
「もしその相手の周りが同じようなことを考えていても見つけやすくなるね。私の視界内なら不可視化されてもすぐに分かるんだし」
 すぐさま美羽はアークソウルの新たな効力とエアロソウルを扱うコツを箇条書きでメモ帳に書き込む。
「他に質問とかがないのでしたら~。すみやかに都へ行くのですよぉ~♪」
 エリザベートは生徒たちへ顔を向けたが、彼らから今のところ魔道具のことなどについての質問はなさそうだ。
 宝石の新たの効力を説明するため、ゆっくり進んでいたが元の歩調に戻した。
「なぁ…リア。エリザベート校長、一応は元気みたいだけどさ。大丈夫…ではないよな」
 火屋守 壱星は幼い校長に視線を向け、傍にいるエミーリア・ハイセルターに聞こえる程度に声のトーンを落として言う。
「でしょうね。交友関係のある相手だけじゃなくって、その周囲まで狙われているのよ」
 彼の言葉に小さく頷いたエミーリアがエリザベートの方へ目を向けた。
 一見、ちょっとした旅行気分で楽し気に生徒たちを引率しているように思えた。
 しかしそれは校長という立場上、生徒たちを不安にさせないために天真爛漫な振る舞いをしているのだろう。
「私たちもエリザベート校長の周囲を気にかけたほうがよいかもしれないわ」
 壱星とエミーリアの会話を耳にしたフレデリカ・レヴィは声を潜める。
 闘いに飢えた魔性、ステンノーが語ったことを危惧していた。
 あの者は幾度となく祓魔師として学びを進める生徒たちの問いかけに対し、明確ではないにしろ幾つかの目的について返答した。
 どうやら単純に器の意識に干渉し、好き放題に暴れ散らしていたわけではなく、何者かと利害関係にある。
 その者らは何らかの目的で、エリザベートの心に揺さぶりをかけているように思えた。
「感情の影響は、魔道具を使う時にだけに限ったことではないでしょ?」
 誰しも隙を突かれれば魔性に憑依される可能性はある。
 だからこそ生徒たちは魔道具の効力を扱うこと以外に、感情を荒立てたりなどしないよう普段から心がけているのだ。
「ぁあ、分かっているぜ。だけどな、絶対ってわけにはいかないし。校長だって無敵な心ってわけじゃないからな。それでちょっと、思いついたんだ!」
 壱星は片手の人差し指をピシッと立て、フレデリカにニカッと笑みを向けた。
「憑依体から引き離す方法をな」
「でもそれって、その魔道具の効力を引き出せるようになってからじゃないの?」
 そのような該当する効力を持つ魔道具があるのか、エミーリアは教材を開き小首を傾げた。
「俺だってそれくらい分かってるって!今は使えなくても、能力を引き出す手段の一つや二つ、考えておくべきだろ?」
「本当にそんな使い方して大丈夫かしら」
「まず探知と見破る効力を、不可視の者に触れる能力としてエレメンタルリングに転用してさ。それでエレメンタルリングの習熟度が上がったら、魔性を器から引き離す時にその能力を付与させるんだ」
 不安げに言うエミーリアに壱星は、確立させたアイデア術の能力に繋がるように魔道具を扱う能力を高めた後、その効力へ発展させることが可能ではと考えたようだ。
「確かに…。改良したエレメンタルリングには、その力があったわね」
「後々のことに繋がる術として考えたのね」
 納得するように聞き入るエミーリアと同じく、フレデリカも感心している。
「へぇ~。じゃあ俺もそーゆう風に考えてみるか?いざとなったら何かの手助けになりそうだし!」
 考え方一つでソレもありなのかと知り、アキラ・セイルーンも発展形式のアイデア術を考察してみることにした。
「そりゃ心強いぜ!」
「ポレヴィークを困らせることになればければよいがのぅ」
 期待する壱星とは真逆に、普段のアキラの考えを知り尽くしているルシェイメア・フローズンは小さく息をついたのだった。
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