Closing ceremony
『地球のみんな、そしてパトリアのみんな、そして出演してくれたアイドルのみんな、本当にありがとう! 素敵な夜になったわね!』
山黄草乃(さんのうくさの)がマイクを手に声を弾ませ、声援とペンライトの波に手を振って応える。
その向こうで、
青海響弥(あおみきょうや)が感極まって泣いてしまった
赤猫真巳(あかねこまおみ)をなだめていた。
『真巳ちゃん? 真巳ちゃん大丈夫? 次、挨拶できる?』
『す、すいません……あの、ホントに、違う世界の皆さんとちゃんと盛り上がれるのかな、って不安だったんですけど、その、場所は離れててもみんなが1つになれたっていうか、あの、やっぱりアイドルの皆さんの力って、すごいなって……っ』
『うんうん、そうだね。すごかったよね! ホント今日はみんなありがとう! ありがとーう!!』
白光心吾(しろみつしんご)が最後までコメントできなかった真巳に代わって声を上げる。
その横で
黒柳言彦(くろやなぎことひこ)も大きく頷いていた。
『えー、あの、締めを任されてるボクまで泣いちゃうとイベントが終われないのでガマンしますが、ボクもここにいる他の3人もホントね、涙が出るくらい感動しました。
きっと、もっとイベント楽しみたかった、っていう思いの人もたくさんいてくれるのかなと思ってます。
ファッションの可能性、ライブの可能性って無限大だと思うので、ぜひまたこういう機会があれば、世界の枠を超えてまたみんなで楽しみましょう。
本当に今日はありがとうございました』
デザイナーたちが一斉に頭を下げ、2つの世界から歓声が上がる。
そして会場には
プラジア、ミイレン、そして8人の楽巫の歌声が響き渡った。
今回のイベントのエンディングである。
観客や他の出演者も一斉に歌い始めると、その空には不思議な光の絵模様が踊った。
それは、パトリアの世界を構成する
ガラテアの共鳴だった。
遠く離れた地球でもそれが見られたのは、イベントに参加した誰かのいたずら、あるいはそれとば別の「何か」が起こした楽しい奇跡だったのかもしれない。