国政の行方
「新聞記者です。簡単なアンケートなので、よろしくお願いします」
エッシェンバッハ家の家臣、
ユーギ・スターベアは、ポラニア連合王国首都リーガ大都市圏において、記者を装い広範な世論調査を行っていた。議会王及び貴族は民衆の現状を憂いているが、まだ彼等に生の声が実際に届いているとは言い難い。そこで、民衆の生の声を議会王や貴族に届ける事で、フリートラントへの下手な妥協がどれだけ危険か、突きつけようというのが目的である。
「それに、このツァラー教ってのもうさんくさいしねえ……」
輪廻転生を教義とし、世界の崩壊こそ救済と唱えるツァラー教はよくある世紀末カルトと想えたが、急速に信者を増やしていること、人工神格レーゲルを必要としない輿論が生まれつつあることは危険の兆候と、彼女の野生の勘が告げていた。
「もしかしたら戦争を必要としている連中の傀儡かもしれないじゃん。キナ臭いねぇ」
そこでユーギはアンケートの中にツァラー教についての質問も混ぜて置いた。
「しかしフィールドワークとはねぇ。捜査は脚だよと言うけど、クタクタだよ」
疲れ切ったユーギがほうほうの体で主君に提出したレポートは以下の通りだった。
1・抗戦派と停戦派の勢力は2度の大勝利で拮抗している。このままの勢いで行くべきという抗戦派に対し、十分に勝利を収めたのでそろそろ講和してもいいのではと言う停戦派もそれなりの説得力を持っている。
2・停戦派は降伏派がほとんどいなくなり、対等講和か優勢講和でやはりほぼ勢力が伯仲している。抗戦派と合わせれば、フリートラントに更なる一撃を与えるべきという勢力が全体の75%を占めている勘定だ。
3・フリートラント及びフリートラント総統に対する印象は最悪である。無道な侵略者として悪魔化されている。その傾向は国内難民である者のほうが、被災を受けていないリーガ市民より圧倒的に多い。
4・ピラー及びそこに座する人工神格レーゲルに対する印象も最悪であるが、先の見える者達は、これを占領・管理し、あわよくば軍事転用でフリートラント軍に大打撃を与えなければ戦争が終わらないと理解している。
5・信仰している宗教はほとんどがポラニア正教だったが、中には無宗教・山岳民族宗教(精霊信仰)・ツァラー教なども存在していた。ツァラー教については”積極的に戦争難民に手を伸ばし、勧誘の他国内難民コミュニティの構築を図っている”との情報も合った。
「こう言う新宗教は一度はやりだすと急速に広がるから、危ないねぇ」
ユーギは舌打ちしながら、最後の報告を行う。
6・議会王の支持率は約75%。但し戦争に勝利し何らかの成果をフリートラントからもぎ取り戦災復興を行う事を前提としたもので、穏健講和を取るという事だと40%程度まで支持率が下がる。
ユーギはこの世論調査結果を議会王エカチェリーナとセイムにも提出した。その結果を読んだエカチェリーナは、穏健講和ではなく優勢講和こそ臣民の意思と理解し、方針を転換する決意を浮かべていた。
★
クラウス・和賀はセイムにおいて人工神格レーゲルの存在・使用もやむなしと議決させる為、各所に政治工作を行っていた。
まず彼は講和派の首魁であり、人工神格レーゲルに対して確固たる意見を持たないと想われるウランカ大公
ヴォロディミール・オストログスキに対し、セイムにおいて人工神格レーゲルの存在と必要性を説いた。
「人工神格レーゲルは世界率調律器として極めて優れた機能を持っています。現在のテスタメントにおける世界律の崩壊を食い止め、ひとつの世界律でまとめ上げる為には、レーゲルを存続させ利用する他ありません」
しかしヴォロディミールは渋い顔だ。
「なるほど、貴君の言う所も判る。しかし人工神格レーゲルは実際に軍事転用され、後1歩でウランカ臣民数百万が犠牲になるところだったのだぞ? この恨みはウランカの民も、ワシも等しく抱いておる。レーゲルを許容する為には、再び軍事使用されないよう、その支配権を奪取する必要がある」
その反応は予期すべき物だった。ヴォロディミールは俗物だが、自身の権力も富も民あってこそと任ずる人物である。先のウランカ解放戦におけるフリートラント軍の脅迫は、彼として決して許してはならない事だった。
クラウスは説得の方針を変える。
「確かに仰ることは判ります。しかしそれは既に前回のセイムで決定された方針です。近い内にも、人工神格レーゲルが座す”ピラー”攻略作戦が発動されるでしょう。その時、議会の多数派を占める為には、”ポラニアがレーゲルをコントロールして、世界の秩序を護る”という断固たる意思を示すべきです。さすれば、元よりレーゲルの存在・利用に穏健な立場を取る議会王派を取り込み多数派を形成し、セイムの権威を重んじる議会派のクリム大公もそれに従うことで、大勢が決します。その時、主導権を握る為、ここは積極的に動くべきです」
「ふむ……確かにそうだ。だが、それは勝てたら、の話だ。今のポラニア連合王国軍と特異者諸君に、急速に戦力を回復させつつあるフリートラントとの決戦に勝てる力はあるか?」
ヴォロディミールの問いに、クラウスは確信を持って答えた。
「無論です。統合参謀本部が樹立され、兵権の統一がなったポラニア連合王国軍は、以前より遥かに統一的に行動出来ます。そして特異者は、これまでの体制でも、北部と南部で大勝利を収めて来ました。大丈夫、今度の闘いにも、勝って見せますよ」
「なら良いが……恐らく決戦は2度起こる事になる。我が方の”ピラー”奪取と、フリートラント軍の撃退。これをもってして初めて、ポラニアとフリートラントの和平となろう。その軍事資源的消耗は恐るべき物だ。果たして、その後で人工神格レーゲルを完成させる余力があるか……」
なおも懐疑的なヴォロディミールに、クラウスは告げた。
「何、勝って見せますよ。そのうえで世界の新しい命運を切り開きましょう」
ヴォロディミールはしばしの沈思黙考の後、ゆっくりと頷いた。
「良かろう、貴君を信じよう」
そしてクラウスは、議会王エカチェリーナの下へと向かった。セイムの開催を提案する為である。
「講和派のウランカ大公の説得に成功しました。これでセイムでの多数派を形成できます。今こそ、議会王陛下の悲願である人工神格レーゲルの存在と世界律調律器としての利用を貴族と臣民に広く認知させ、世界の修復を成し遂げる絶好の機会です」
「有難うございます。ところでその花束は?」
エカチェリーナがクラウスの手にした花束に疑問を呈すと、クラウスはこう告げた。
「サキシフラガの花言葉は”自信””活力””秘めた恋”。己を信じ臣民を信頼して下さい。もちろん私も」
エカチェリーナは”秘めた恋”という言葉に、かすかに顔を赤らめる。
「好意を持って下さるのは有り難いのですが、その、なんというか……」
口ごもるエカチェリーナに、クラウスは追い打ちを掛ける。
「私はいつでも陛下の味方として、政治でも前線でも闘い、陛下にすべてを捧げる所存です」
するとエカチェリーナはますます動揺する。
「どうしてそこまで身を捧げてくれるのですか? この世界においてはいち来訪者でしかない貴方が」
その問いに、クラウスはあえてはぐらかすように答えた。
「さて。その答えは議会王陛下に見つけて頂きたく存じ上げます」
すると、しばしの沈黙の後、平静を取り戻したエカチェリーナはクラウスに告げた。
「近々、セイムを開催します。その時、人工神格レーゲルの処遇に付いても決定されるでしょう。良き結果になる事を願います」
「必ずや良き結果になる事を約束いたしましょう」
クラウスは花束をエカチェリーナの侍従に渡し、謁見の間を去った。
★
貴族派の軍師として自他共に認める立場になった
サトリ・エッシェンバッハは、ジトミア大公オレクサンドル・ダニューイェンコ及びクリム大公ポフダン・コンドラチェンコを招き、貴族派がいかに振る舞うべきかに付いて献策した。
「まずは、私をセイムに出席させて欲しいですわね。そこで持論を展開し、セイムの方向性を貴族派優位に決定づけてみせますわ」
「ふむ――アドバイザーという形ならば構わんが、どのような持論か教えては貰えないだろうか」
「ワシも同意見だ。持論次第では支持できぬ場合もある。事前の打ち合わせは必要だろう」
オレクサンドルとポフダンが口々に告げると、サトリは婉然と微笑んだ。
「勿論そのつもりですわ。貴族派の結束の為、決して独断専行などいたしません」
そしてサトリは持論を述べ立てた。
「議会王陛下の掲げる台頭講和の内容が、相互に責任を負わせない白紙講和なら、”ピラー”等はそのまま疲弊したフリートラントが単独で建造する事となり、戦争が起こる構造は矯正されませんわ。その為、特異者がこの世界を去り、どちらかの戦力が整えばまた”ピラー”等を原因とした戦争が起こるでしょう。これでは元の木阿弥ですわ。故に、対等講和は最も避けるべき選択肢と言えるでしょう。それに、たとえ議会王陛下のカリスマをもってしても、侵略を受けた軍民はその被害に対し怨恨を抱いています。貴族派の優位は、彼らを味方に付ける事で成立致しますわ」
「ふむ、つまり優勢講和――主に”ピラー”の占領管理と、フリートラントからの賠償を取り立てる事を提議し、ポラニア国内の輿論を味方に付けようと言う訳だな」
「本来ならばフリートラントの無条件降伏と”ピラー”及び人工神格レーゲルの破却が望ましいのだが、ポラニアにはフリートラントを無条件降伏させるだけの余力はなく、あったとしても世界の崩壊に間に合うかどうかはわからない。しかしあれを手中にすればフリートラントの暴虐も止められるし、世界の崩壊をポラニア主導で食い止め得る。それなら呑めるな」
オレクサンドルとポフダンはサトリの意見を察し、そのように合点する。
「さすがはかつては1国を治めていたオルディナトですわね。話が早くて助かりますわ」
サトリは実は対等講和案――と言っても”ピラー”及び人工神格レーゲルのポラニアによる管理と、フリートラントに軍備制限を課す事実上の優勢講和案を叩き台として考案していたのだが、この調子だと本命の完全優勢講和案である”フリートラントからの賠償金支払いと領土割譲を実現する”策が支持されそうだと見て取った。
早速サトリはその案の詳細をふたりに提示し、セイムで議題とすることの承諾を取った。上機嫌なふたりに、サトリはこう囁く。
「ところで、現在ポラニア王冠領軍ばかりが武功を立てる体制を改善する為、統合参謀本部の設立が検討されていますわ。そちらにもお口添え頂けると大変助かりますのですけれども」
「我ら諸侯軍にも武勲が回ってくることは実に望ましい。もちろんセイムでその件については賛成しよう」
「ワシにも異存はない。これまで戦線の正面で闘い続けて来た諸侯軍の努力が報われるのは当然のことだ」
オレクサンドルとポフダンが口々に賛意を述べる。サトリは恭しく礼をした。
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「ウランカの復興プランか。なかなか興味深いが、見返りは何だ?」
エッシェンバッハ家のメイド長、
扇谷 空はウランカ大公にウランカ大都市圏の復興プランを提示していた。ポラニア王冠領であるリーガ大都市圏、ジトミア大公領・クリム大公領からの低利の借款により、ウランカ復興に必要な物資・資材を供給する。資材は主にクリム~ジトミア~ウランカの河川水運で運搬し、それにより復興の第1歩である仮説住居の建設や食料の配給ひいては社会インフラや産業の復興を行うという物である。
空はあっけらかんと笑い、条件を告げた。
「ウランカ大公殿下に、貴族派と連携して完全優勢講和を次のセイムで主張して頂きたいのです。出来ればそのまま、貴族派と合流しセイムの多数を構成する派閥の重鎮としてその政治手腕を振るって頂きたいのですが」
「ふむ――ウランカの再興には多額の資本が必要だ。そして人工神格レーゲルをポラニア主導で完成させようと言う議会王派の思惑にもな。そしてワシがウランカ大公として領民の支持を集め続ける為にも、ある程度は強硬であった方が望ましい」
空はウランカ大公の察しの良さと柔軟な態度に驚いた。基本的に説得し得るとは想っていたが、もう少し手間が掛かると想っていたからだ。
「しかし貴族派はレーゲルの破却に固執していたはず。また、レーゲルの存続にについては、ワシは許しても臣民が許さん。なにしろウランカでの新たなるイレギュラー発生の種を巻いているのだからな。面倒な事になったものだ。まあ、それだけフリートラントに賠償を多く請求すれば良いとも考えられるが」
ヴォロディミールの問いに、空は答えた。
「既に貴族派もレーゲルの存在を容認し完成させる方向で纏まりつつあります。それに付いてはご心配の必要はございません。フリートラントからはたっぷりと賠償を取り立てましょう、何しろ彼らはウランカの人達の命を”付帯的被害”と言い放った相手ですからね。それにビトム大公には領地の復興を約束していた位余裕はある様ですし、せいぜい搾り取ってやりましょう」
「うむ。ウランカ領民にはその方向でレーゲルの存続と完成を認めさせるよう努力しよう。貴君の助言に感謝する」
ヴォロディミールは空に頭を下げた。
そして空は議会王エカチェリーナに謁見し、ウランカ復興計画について提言した。
「ウランカ復興は為されなければなりません。その事業に、ジトミア大公やクリム大公も加わってくれるとなれば、これはポラニア連合王国の一体性を強化するものになるでしょう。必ず推進します」
エカチェリーナの言質を取った空は、恭しく謁見の間を退出した。
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エッシェンバッハ家の家宰、
猫村 燐は議会王エカチェリーナに謁見し、その想う所を直言した。
「トレスキ大佐の離反はポラニア連合王国首脳部の人工神格レーゲルに対する優柔不断な態度が原因でございます。トレスキ大佐はレーゲルの軍事転用以前からレーゲルの破壊を上奏していたにも関わらず、それを無視され、家族を失ったのでございますから、離反も当然の結果と言えましょう」
エカチェリーナは無言で燐に続きを促す。
「そもそもフリートラントによる侵略と人工神格レーゲルの軍事転用により、ポラニア貴族臣民の人工神格レーゲルに対する心象は最悪でございます。にも関わらず、これまで有効な手立てを取らず、被害が出てから対処するという対応の遅さに不満を抱き、苛立つ者が現れてもおかしくありません。また、フリートラント現総統とポラニア王国先王陛下との友誼はつと知られております。その友誼に引きずられ、議会王陛下が誤断をなさっておられると言う疑念を持つ者も多くございます。議会王陛下のカリスマと人望は多くの国民が知るところですが、ただ1点人工神格レーゲルへの態度により議会王陛下を信じ切る事が出来ない者がいるのも事実でしょう。残念な事でございます」
エカチェリーナはそこで初めて口を開いた。
「貴方の指摘はただ一点を除いて正しいと想います。自らを恥じる他ありません。しかし、人工神格レーゲルは今最も有力な世界律維持の為の手段であり、これの破壊は世界の崩壊とほぼ同義です。ですから、レーゲルの破壊だけは譲れません。あれは存在し、完成させなければならない物です」
すると、燐は眼付を鋭くしてエカチェリーナに告げた。
「ならば、一刻も早く人工神格レーゲルの座す”ピラー”の攻略を為すと共に、二度とフリートラントに使わせない事を、臣民に広く知らしめ支持を確固たる物にすべきと愚考いたします。そして、勝利の暁には侵略者たるフリートラントに相応の対価を払わせる事も重要でございます。どのみちポラニアだけでは、レーゲルの完成は危ういのですから。和平なった2国の共同事業として人工神格レーゲルを完成させ、世界律を修復する事をお望みなのでしたら、それは絶対に必要でございます」
燐の言葉に、エカチェリーナは真剣な表情で頷いた。
「貴族派の優勢講和論に乗る形で、最も為すべき事を通せと言うのですね。判りました。これまでの失策と罪を考えれば、私に選択肢はありません。諫言、感謝いたします」
「いえ。衷心からとは言え処されても文句は言えない言葉でした。議会王陛下の慈悲に感謝いたします」
燐は頭を深々と下げ、謁見の間を立ち去った。残されたエカチェリーナは、何かを決心した表情を浮かべていた。
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そして開催されたセイムでは、人工神格レーゲルの処遇についてと、対フリートラント講和方針について議論が交わされた。議会王派が優勢講和を求めるのに対し、貴族派と講和派が、レーゲルの存続とポラニアによる管理運営、そして完成を認める代わりに完全優勢講和を求めて対立した。
「ウランカ大公殿下がサトリ嬢の勢力によって完全優勢講和に方針を転じたのは意外でした。ですが、人工神格レーゲル完成後の戦災復興を考えると、それも致し方なしと言う事でしょう」
クラウスはアドバイザー席で、完全優勢講和を主張するヴォロディミールの姿を見ながら呟く。
そしてサトリは、貴族派の軍師として朗々と完全優勢講和を主張していた。
「議会王陛下は、世界律を修復する事と、両国国民の和平を第一に考えていらっしゃると想いますわ。ですが、第一に侵略戦争を起こしたのはフリートラントであり、その罪や侵略戦争がもたらした戦災などを考えると、議会王陛下の案ではポラニア貴族臣民に怨恨が残り過ぎます。フリートラントに相応の罰を下し、ポラニア復興を成し遂げる事こそ、この怨恨を取り除く手段でしょう。それでフリートラントが不平を言うようなら、彼らは侵略戦争について反省をしていないと言う事。そのような者に掛ける慈悲がありましょうか?」
筋道の立ったサトリの論理に、エカチェリーナも態度を改める。
「確かに正論です。ですが、そこまでの勝利を収めうるでしょうか?」
そこでクラウスは潮目と見て立ち上がり、高らかに告げた。
「我々は必ずや最小の犠牲によって勝利を手にします。世界再生の余力が残る範囲で。どうか我々特異者を、そしてポラニア貴族臣民の底力を信じて頂きたい!」
その言葉で、大勢は決した。セイムは満場一致で、人工神格レーゲルのポラニアによる完成と、フリートラントに対する完全優勢講和を議決した。
その後、統合参謀本部の設立も議決され、統合参謀本部長はポラニア連合王国軍大ヘトマンであるフョードル・フィグネル元帥が、その下で実質的な作戦指揮権を持つ野戦ヘトマンには彼の娘であるアレクサンドラ・フィグネルが大将に昇進の上で選任された。アレクサンドラの野戦ヘトマン就任については、貴族派は内心不満を抱いていたものの、貴族派にこれまでのセイムで十分なメンツと見返りが与えられていた為に反対票はなかった。
これにより、ポラニアは国論と体制を完全に総力戦体制へと移行できた。後は、どれだけ勝てるかの問題だった。