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理想の未来に死にゆく絆:第7話

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理想の未来に死にゆく絆:第7話
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報せを受けて


 ダレストリスの港で冒険者たちが依頼の人数分配をする中、松永 焔子の右肩に何かがのしかかる。
 警戒の視線とともに顔を向ければ、キンカジューに似た黄土色のサルが座っていた。

(確かこのサルは……)

 出発前、風の肩に乗っていた。
 テラポッタと飛鷹が呼んでいたのを思い出し、警戒を解く。
 彼女から視線の圧が消えたのがわかったのか、テラポッタは溜息をついたように力を抜き、背に括り付けてある筒状の羊皮紙を差し出す。
 開いてみれば、指先に赤いインクをつけて書いたような文字で「ひだかかえってきて」とあった。
 焔子はでかでかと書かれたホラー文字を容赦なく破り、その下に続く内容に目を通す。

 ノー・キラーの屋敷から染まる武器の修理について書かれた本を盗む。
 クルーアルが働いてくれないので、できれば援護がほしい。


 レガリスに残った者たちからの重要な情報に、焔子は目を細める。

(染まる武器の修理本なんてものがあって、その所在まで突き止めてたとは……)

 彼女がクルーアルを疑っていると、白いマントを羽織った者が前に立つ。

「お手紙?」

 そう訊いてきたのはリインだった。

「ええ。風様からです。クルーアルがノー・キラーの屋敷の住所を教えてくれたそうで、テラポッタが帰り次第乗り込むと」

「ふぅん……行くの?」

「行きます。少々気になることもありますし」

 リインは焔子の右肩に視線を移す。
 ふっ、ふっと息を荒くするテラポッタに、彼は懐から透明な液体が入った小瓶を取り出した。

「もし何かあったときにテラポッタに飲ませてあげて」

「これは?」

「魔獣用の魔力回復液。人族は飲んじゃだめだよ」

「わかりました」

 焔子はリインから小瓶を受け取ると、早速レガリス行きの船に乗る。

「頼んだよ、焔子……」

 船に乗る彼女にそうつぶやき、リインはメジェールの屋敷に行く冒険者たちと合流する。
 その近くでルージュ・コーデュロイは成体クロッツを駆除すべく装備類を確認していると、紫月 幸人が素通りする。

「幸人、どこ行くの?」

 一瞬肩を跳ねさせ、幸人はへらりと笑いながら振り向く。

「お手洗いだよ」

「そう。ここからだと少し時間かかるから、先に出発するわね」

「りょうかい。俺のことは気にせず、どんどん進んでいいからね」

 そう言って幸人は足早に街の方へ歩いて行く。
 成体クロッツを駆除する冒険者たちも、優とルージュを先頭に港を発った。

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