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理想の未来に死にゆく絆:第7話

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理想の未来に死にゆく絆:第7話
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ドレス選び


 砂原 秋良アリヤ・ネムレスヤクモ・ミシバとともに街を散策していた。
 多くの人が買い物や食事を楽しむ中、3人はドレスショップを探す。

「万が一なかったら俺と秋良は今の服装でも問題なさそうだが、ヤクモはまずいよな」

「そうですね。1人だけ鎧はさすがに目立ちます」

「ダンスパーティーをやるとあの少女が言っているんだ。どこかに1軒くらいはあるだろう」

「あっ、秋良ちゃん!」

 聞き慣れた声に顔を向けると、幸人が足早に近づいてくる。

「もう、捜したんだよー!! トイレ行ったあと、港に戻ったら誰もいないし! ずっとぼっちで淋しかったよ!!」

「てっきり、巨大クロッツを倒しに行くのかと思ってたので……」

「あんな規格外依頼は無理だよ!!」

「あれ? ゆっきー、こんなところでどうしたの?」

 フィリアが私叫を抱えながら走って合流する。

「フィリアちゃん!! 捜したよ!!」

「そ、そうなんだ。ごめんねー。お腹空いちゃって朝ごはん食べに行ってた」

 えへへと笑うフィリアの隣にダイアと正義が並ぶ。

「何かあったのか?」

 トラブルだと思っている正義に、秋良が口を開く。

「散策してたら遭遇しただけですよ」

「あ、ダイア君! 君も捜してたんだよ!」

「そうなのか? ごめんな」

「賑やかだなと思ったら、みんなここにいたのか」

「幸人の声、通りの奥まで聞こえてるわよ」

 星川 潤也アリーチェ・ビブリオテカリオ、フィルが秋良たちの後ろから声をかける。

「ところで、みんなはパーティーに行くドレスを決めたのか?」

 潤也の質問に皆「あー……」や「それは……」などで濁す。

「その様子だとまだって感じかしら。それならあたしたちが見つけたお店に行ってみない?」

◆ ◆ ◆


 アリーチェの案内で休日を過ごす一行は店に到着するが、その外観に立ち尽くす。
 正面ガラス張りに、ドレスやタキシードを着てポーズを決める木製のマネキン。
 周囲にあるお店と比べて明らかに場違いで明らかに派手だが、地球ではたまに見かける建物に例えようのない感情が広がる。
 アリーチェと潤也は先に見つけていたからか、気にせず黒いドアを開けて入っていった。
 転生者がいれば何でもありのローランドに驚かされながら、彼らもアリーチェたちに続く。
 店内は白壁で上品にまとめられ、ドレスの光沢をよく魅せるために、スポットライトがついていた。
 ハンガーラックにはドレスや燕尾服、スーツなどがたくさんかかっており、色ごとにまとめられいる。
 また、靴や鞄といった小物もガラステーブルに並べられていた。

「ダンスの練習もあるし、ここでドレスコード決めちゃおう! まずフィリアちゃんだね、フィリアちゃんは……」

 幸人は並ぶハンガーラックの1つに目をつけ、ピンと来たものを取っては合わせを繰り返す。
 その中で合う物をキープして、最終的には1つに絞った。

「やっぱり胸元バーン! 肩バーン! 背中バーン! スリットバーン! なタイト系素敵ドレスでカラーはイエロー系統だね!」

「幸人、それキャバ嬢が着るドレスよ」

「あ、バレた? でもイエロー系は間違いないでしょ!」

「そうね。だったら、こっちがいいんじゃない?」

 アリーチェが持ってきたのは、右脚にスリットが入っているサンフラワーのドレス。
 ふわっとしたシルエットでありながら、デコルテと肩、背中は大きく開いており、腰にはアクセントとして、同じ色の大きなリボンが飾られている。
 結び目には宝石が散りばめられていた。

「お、いいじゃん! いいじゃん! アクセサリーはワンポイントでシンプルにコサージュを……と思ってたけど、ちょっと変更! 髪を上げてドレスの色に近いヘアアクセをつけよう!」

 幸人とアリーチェがコーディネートする中、秋良はフィリアにそっと話しかける。

「あの……2人に任せても大丈夫ですか? 何か気に入ったものがあれば言ったほうが……」

「いいの! いいの! 私、こういうのよくわかんないからすごく助かるよ」

「それならいいのですが」

「ヤクモくんとフィルはどう?」

「2人とも青系で行くそうです」

「あぁ~何かっぽいよね!」

 アリヤが2人にスーツを当てる様子を眺めていると、アリーチェが呼んでいる。
 靴も決まったらしく、試着を手伝ってくれるそうだ。
 一方、幸人はダイアの目線に合わせてしゃがむ。

「ダイア君はやはり子供らしく足バーン! の短パンスタイルがと思ったけど夜だと大人モードか……ならばダイア君が見せたい相手にどう思って貰いたいかによるなぁ。ソコんとこはっきりしてるかい?」

 その質問にダイアの耳と尻尾がシュンと垂れる。
 全員が少年の事情を察した瞬間、正義が幸人の腕を掴んで立たせた。

「え、正義君、なになになに!?」

「今日はダイアのメンタルボディーガードだからな」

 正義は幸人を強制的に店の外に連れ出す。

「ダイアくん、ごめんね! 悪気はないんだ! でもこれだけは覚えてといて! 紳士のスーツは戦士の鎧、それによって自分の印象は結構変わるもんだからねーーーーーー!!」

 正義は幸人を外に出し、ドアを閉める。
 幸人はガラス張りのショーウィンドウから、泣く泣く眺めるはめになった。

「さぁ、ダイア。好きなスーツを選ぶといい。俺が買ってやる」

「じゃあ、すげー高そうなやつにする!」

「それは勘弁してくれ」

「ダイア、着たいのがあったら持ってきなさいよ。あたしが手伝ってあげるから」

 アリーチェが奥からちょっとだけ顔を出してすぐ引っ込める。
 その奥でフィルの慌てたような悲鳴。
 ダイアは自分もああなるかもしれないと思いながら、ワインレッドのロングジャケットを手にするのだった。

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