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竜へ捧げる鎮魂歌【第一話/全三話】

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竜へ捧げる鎮魂歌【第一話/全三話】
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 耳を劈くような悲鳴が辺り一帯に広がった。
 空の下、最後の一匹がその身を天へと還したのだ。

「……ひとまず助かりましたね」
 人々の治療と護衛を行っていたメルゲンは表に飛び出し、小さく息を吐いた。その後に続いたのはダイル・ウスンである。
『無事、同胞らは天へと還ることができた』
「しかしそれでも元は竜、見知った者が還るのは堪えるでしょう」
 メルゲンはダイル・ウスンを気遣うようにその背を撫でた。
『知っておろう。眷属へ堕とされた者の救いは還る事のみだと』
「知っていますよ。ですが……割り切れるものでもありません」
 ダイル・ウスンは悲痛な面持ちで吐き出された言葉にどう返すべきか悩み、長い首をメルゲンに寄せた。
『……空で一際輝く星を知っているか』
 気がつけば青空は徐々に漆黒へと侵蝕されていた。数多に輝く星々を眺め、ダイル・ウスンはメルゲンに問いかける。
「……太陽神バトゥカン、月神セオラ、天竜アマラ、地竜ムンフツェツェグでしょう。この国の子ならば誰でも知っています」
『そうとも。神話の時代に生きた竜はこの国より一番近き場所にて我らを見守っている。同胞は彼ら四大神竜に見送られ、空の果てへと飛び立つのだ……寂しい事など何もない』
「こういう時、人と竜との違いを思い知らされますね」
 種族が変われば常識や考え方は変わる。それをまざまざと感じさせられた、とメルゲンは眉を寄せた。
『竜は空へ還るが、人は大地に還るからな。肉や骨をその地に埋め生き物の糧となる』
「そうして世界は巡る……それもまた神話の一節ですね。貴方が気にしていないのであれば構いません」
『ならばさっさと渡り人を労いに行くと良い。巻き込んでしまった事を侘び、助力を請うといい』
「言われなくともそのつもりです」
 ダイル・ウスンは神殿内へと戻っていくメルゲンを見送り、そして呟く。
『そうとも。世界は巡るのだ……同じ刻を繰り返し――そうして再び邪竜を封印して平穏を掴み取るのだ。それが我らの、否……神話の時代より生きる我が成すべきことなのだ』
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担当マスターより

▼担当マスター:森乃ゴリラ

マスターコメント

 今回は『竜へ捧げる鎮魂歌』にご参加頂き、誠に有り難うございます。
 二話目の公開は4月11日を予定しております。
 ご都合がよろしければ、是非ご参加ください。

【お詫び】
 シナリオガイドにてミンストレルの名前横に記載している加護が月神セオラになっていました。

× ★【吟遊詩人/ミンストレル】 月神セオラの加護
○ ★【吟遊詩人/ミンストレル】 太陽神バトゥカンの加護

 次のシナリオガイドでは修正する予定ですのでよろしくお願いします。