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理想の未来に死にゆく絆:第6話

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理想の未来に死にゆく絆:第6話
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船旅までの幕間<4>


 他の冒険者たちと距離を置き、クルーアルは建物の壁に寄りかかりながら立つ。

「それで、話って何?」

 ジャスティンは意を決したように口を開いた。

「おまえが言っていた強い動機について考えてみたが、いろいろ疑問がある。質問させてくれ」

「いいだろう。答えられる範囲で答えてやる」

「偽者が“人族の男に媚びる魔族なんて見苦しい”と言っていたが、あれはどういう意味だ?」

「僕には資金援助をしてくれる人たちがいてね。全員男なんだ。飛鷹にも説明してあるから訊いてみるといいよ」

「魔族になりたがったリイン……これは関係あるか?」

「全くない。それは僕とリインの過去のひとつに過ぎないよ」

「角を折ったのは?」

 その質問にクルーアルは目を見開いて、唇に弧を描いた。

「とても関係があるね」

「同族……魔族……家族……血族が問題か?」

「微妙だな。それとも言いたいし、それとも言い難い。微妙な位置だ」

「私からもいいですか?」

「どうぞ」

「あなたを同族殺しと言うなら、血族を殺したノー・キラーはなぜ、同族殺しと言われないのでしょうか?」

「それは簡単だ。彼女は自分の悪い噂を流す相手を徹底的に潰す。だから広がらなかったんだと思うよ」

「なるほど、ありがとうございます」

「他に質問は?」

 3人は首を横に振る。

「角に触れてくるのは意外だったな。関係ないと見て質問してこないと思っていた」

「角は自分で折ったのか?」

「リインが折ってくれたんだよ。本人はかなり嫌がったけどね。言っておくが、リインに聞いても無駄だぞ。僕の強い動機にリインは呆れながらついてきてくれているからな。口に出すとまた嫌な出来事を思い出させてしまう」

 クルーアルはそう言って、壁から背中を離す。

「僕からは以上だ。あとは思う存分考えるといいよ」

 クルーアルは3人を置いて港に行ってしまった。

「シン、どう思いますか?」

「道はあるが、通るには慎重になんなきゃならねぇって感じだな」

「あの口ぶりだとリインもクルーアルの動機を知ってそうだ」

「でも聞いても無駄だと言ってたしな……よほど話さないと信頼しているのか……?」

「かもな。でも今回はリインとクルーアルは別行動している。話を聞くならダレストリスに行ったときしかない」

「ですが、話してくれる望みは薄そうです」

「いや、それはないと思う。リインはクルーアルに内緒で染まる武器の靴を誰かに譲渡しようと考えている。リインもリインなりに思うところがあるようだ。博打になるが、やってみる価値はある」

「“軽さ”で覆い隠したクルーアルの心の傷は逆に“重い”のでしょう。酷すぎる傷には本人が望むのでない限り、触れず話さずがいいんですが……」

「そういうわけにはいかねぇらしい。クルーアルの傷をこっちから開けないと、オレたちが求めてる答えには辿り着かない。気が重いがな……」

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