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【風月綺譚】第二章 暗中模索

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【風月綺譚】第二章 暗中模索
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~ 序章 ~


■出雲 ”大社” 梓の執務室

 梓はいつものように、執務室で書類を見て直近の情報を確認し、得た情報を基に更なる調査が出来ないかと配下の者たちに仕事を振っていた。
 すると、摂津から来ていた神官が執務室を訪れ、摂津の状況を報告する。

「そうですか、遂に山富の調査を始めるのですね」
「はい。梓様が手を回してくださったお蔭で、万全の状態で臨むことが出来ます」
「当然のことをしたまでです。邪妖の活性化は、無視できない問題ですからね」

 山富の調査をするにあたって、”大社”はその準備に資金援助などを始めとした様々な支援をしてきた。邪妖という悪しき存在を滅するためならば、”大社”は協力を惜しまないのだ。

「禁制薬物の調査はどうなっていますか?」
「申し訳ありません。そちらはまだなんとも…」
「責めている訳ではありませんよ。それに、近いうちに事態は大きく動くはずです」
「大きく、ですか?」
「詳細は分かりません。しかし、昨夜の星詠みでそのように出ました」
「なるほど…。何が起きても対処出来るように、警戒しておきましょう」
「えぇ、頼みましたよ」

 山富の邪妖活性化と禁制薬物問題。ここ数年で特に大きな事件であり、社会への影響も大きいものである。もし、どこかで間違った対応を取れば、多くの民が危険にさらされることになる。
 少しでも速い事態の収束を願いながら、梓は己の出来ることに全力を尽くす。

■上野 遠征軍拠点

 上野に造られた遠征軍の拠点の一角で、遠征軍の兵士たちが整然と並んでいた。同じ様に並び、武蔵を出発したあの日の朝が思い出されるが、あの時とは少し状況が違う。

「あ゛~、頭痛ぇ。昨日飲みすぎた…」
「おいおい、開口一番それってどうなんだい?」
「別にいいだろ? ここには天帝様もいないんだし」

 兵士たちの前に立った柳生 宗永が、出発に際して皆の気を引き締めるような、或いは戦意を昂らせるような演説をするのだろう。と思っていたらこれである。
 思わずツッコミを入れる柴田 兼友だが、これも宗永らしいと言えばらしいのかもしれないと微笑む。
 兵士たちからのヤジに、うるせぇ! と叫び返しては二日酔いで痛む頭を押さえる宗永の姿は、兵士たちの緊張を適度にほぐしたようで、皆どこか表情が穏やかだ。
 命の危険と隣り合わせの遠征で何をのんきな、と思うかもしれないが、そういう時こそこういった平凡な日常のような時間が大切なのだろうと兼友は考える。

「はいはい、静粛に。ほら、速く号令だしなよ?」
「あー、なんだ。んじゃ、出発!!」
「オォ!!」


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