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理想の未来に死にゆく絆:第4話

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理想の未来に死にゆく絆:第4話
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 エルの相手をしてくれるのはスレイ。
 彼が指名されたのは、槍の貫通力で強度を盾で殴打力を測るには適切だったからだ。
 エルの後ろにつくのはアルス。
 ダイアを指名しようと思ったが、万が一のことを考えて避けた。
 アルスを背にしたことで、両手盾が少しだけ重くなる。

「エルさん、本気で来て下さい」

「スレイさんも! 本気でお願いします!」

「始め!!」

 エスの合図に先手を打ったのはスレイ。
 最初から全力で行く彼は真正面から穿つ。
 エルは両手盾を横にして受け止めた。

(硬いですね……!)

(衝撃は多少あるけど、耐えられないほどじゃない)

 エルは槍を弾き返し、体勢を整えるスレイに即座に打撃を与える。
 スレイは大盾で対抗、互いに押し合う。

(打撃力もなかなか……今はアルスさんが後ろについているからこの威力なんでしょうが……もし守る人が増えたら……打撃だけで命を奪うことができるかもしれません)

 その可能性に鳥肌が立つ。
 誰かを守る盾、誰かを殺す盾になるのは全てエル次第。
 染まる武器の盾は、ただ彼の意志に従うだけである。
 そして常に問う。
 命ひとつひとつは重く尊い。お前は守り、ときに奪う覚悟はあるのかと。
 スレイはエルの体勢を崩し、盾で殴打。
 エルは抉るようにして強く叩きつけようとする。
 スレイはその寸前に空気を震わせ、衝撃を緩和。
 盾同士の攻防が続く中、シンはエスに疑問を投げた。

「染まる武器のことなんだが、生きた者から取り出した魔力を受け止める器事態の材料は何で、どのように鍛えられているのかが気になる。何か知ってるか?」

「道具を使って魔力を回収し、器に移し入れる感じだろ」

 垂がエスの反対側から顔を出す。

「垂さんがおっしゃっている通りですね。鍛え方があるかわかりませんが、手順としては魔力を道具等使って回収し、武器に注ぐといったところです。ですが、これには問題点が一つありまして、武器が大量の魔力に耐えられなかったら破損し、魔力も消えます。一回一回が運試しみたいな部分があるのですよ」

「大量に買い占められた武器がそれにあたるのか……」

「ええ、と言いたいんですが……今回は魔力狩りに使われている可能性が高いです。事実、ダークエルフの持つ短剣はどこにでも売ってありそうな代物でした。前回の経験を学習しているなら、別の方法で創っているはず……あ、終わったみたいですね」

 エルとスレイはお互い息を切らしながら、握手を交わす。

「おつかれさまでした。どうですか、手応えは掴めましたか?」

「これからかなって思います」

「持つ人によっては染まる武器は癖の強い武器になりますが……上手く扱えば貴方の味方になってくれますので、ぜひ使いこなしてくださいね」

 エスの励ましにエルは頷く。
 盾を眺めながら、未来を守る決意を固めた。

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