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理想の未来に死にゆく絆:第2話

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理想の未来に死にゆく絆:第2話
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情報を求めて<2>


 cafe Classical Sweets前。

「全然っ、見つかりませんわっ!」

 焔子は街の人たちが振り向きそうな声で訴える。
 人間以外で集まったパーティの目撃情報を中心に調べていたが、そんな情報は全くなく。
 上品ながらも顔を隠した青年リインも探してみたが、白いフードなんてクレリックしかいない。

「どこ歩いても、いなかった……」

 ろぼ子とフィルは路地以外の道をずっと歩いていたが、聞いた特徴の人物は見当たらなかった。

「路地も全然だめだったし……」

「スパローホークも飛ばしたが、全くだ」

 シレーネとヘルムートも路地全て回ってみたが、そんな人物はおらず。

「あたしもだめね。魔族の魔力すら感じなかったわ」

 アリーチェも飛行速度を落として探したが、みんなと結果は変わらない。

「もうここにいないかもしれないわね」

「大体、人が足りねえんだよな。六人でセプテット全部を探すのは厳しいだろ」

「そうね……」

「てか、お前ら天賦あるんだろ? 稀なる幸運持ってるやついねーのかよ」

 全員静かになる。

「あー! もう変なこと聞いて悪かったな! 忘れろ!」

「……少し思いついたのですが」

「お、何だ、言ってみろ」

「飛鷹シン様の話によれば、移動すると言っていました。移動先によっては買い足さなければいけないものなどあると思います。もしかすると家具や日用品を買い求めている可能性が高いかと」

「それはありえそうね」

「だったら家具を売っている店を当たってみるか?」

「ヘルムート、買い足さなきゃいけないのは必ず家具とは限らないと思うよ」

「日用品かも、しれない……」

「では早速あちらの店から……」

 一行は近くにあった日用品店へと足を運ぼうとする。
 すると、その隣の店の扉が開く。

「きみ、これもぜひ持って行ってよ。美人だからタダでいいよ」

「いい……」

 白いフードを被った人物が、男性店員に食べ物を押しつけられていた。
 横顔はフードで隠れているためわからないが、冒険者たちはシルエットで察する。

「何かいたわね……」

「こんなにもあっさりと……」

 焔子はふつふつと湧き上がる感情を言葉に乗せる。

「何か困ってるっぽいし、声かけてこよ」

 二人の間にシレーネが割って入る。

「何してんのー?」

 異様に肩を縮こませて振り向くリイン。
 目は見開き、表情は強ばっている。

(うわっ、ちょーびびってるし。そんなに怖がらなくてもいいと思うんですけど)

 シレーネは男性店員の方にくるっと体を向けた。

「この人、嫌がってるじゃん。あんましつこいと衛兵呼ばれるよ?」

「んだよ、人の好意を拒否しやがって……」

 店員はぶつぶつ文句を言いながら、店の中へ戻っていった。
 シレーネは改めてリインに声をかけようとするが、彼はその場から走り去る。

「え、逃げる感じ?」

「とにかく捕まえるわよ! せっかく見つけたんだから!」

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