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理想の未来に死にゆく絆:第2話

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理想の未来に死にゆく絆:第2話
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カームの成長術


 買い出しを済ませ、何事もなくダイアの家に戻ってきたルージュたち。
 ステーキ用の牛肉、サラダなどに使えそうな野菜たち、ライトブレッド人数分をキッチンに広げる。
 加えてバターなどの調味料も少し買い足した。

「カフェ風ステーキランチ、作るわよ!」

 そう意気込むルージュが取ったのはステーキ肉。
 狭いキッチンをサラダ・パン担当の優と、かぼちゃスープ担当のレジェヴァロニーエに譲り、彼女はテーブルに移動する。
 まずは牛肉に塩とコショウを薄くかける。

(ダイアは中がピンクって言っていたけど、みんなには中をしっかり焼いたものにしておこうかしら)

 ダイア用の肉とみんな用の肉を分け、区別がつくようにみんな用の肉を五等分にカットする。
 優は2センチ間隔でパンを切る。
 その隣でレジェヴァロニーエは瓢箪の形をしたかぼちゃの皮を剥く。

「ルージュ、剥き終わったら切ればいいのか?」

 かぼちゃの皮を剥きながら、レジェヴァロニーエは振り向く。

「えぇ、小さい四角になるように切って」

「小さい四角……優、どうすればいいんだ?」

 優はパンを切る手を止めて、剥き終わっているかぼちゃを取る。

「いいですか? まず輪切りにしたあと……棒状に切って……今縦の状態になっていますからそれを横に。そのままもう一回縦に切ったら……小さい四角になったでしょう?」

「あぁ。なるほど、そう切ればいいんだな。助かった」

 優が教えている間、ルージュはカットした肉をフライパンの上半分で焼く。
 肉汁が流れてこないよう、下半分には仕切りをつけた。
 その間に鍋を棚から出し、フライパンの隣に置く。
 鍋には水、砂糖、塩を入れ、火にかけた。

「ルージュ、パンをここに置いても?」

「いいわよ」

 優はフライパンの中にパンを置いたあと、卵を割ってボウルの中へ。牛乳と砂糖を入れてかき混ぜる。

「ルージュ、かぼちゃ終わったぞ。鍋に入れればいいのか?」

「ええ。レジェはかぼちゃスープを見てて」

「わかった」

「あとは……片付けながら様子を見ましょう」

◆ ◆ ◆


「二人とも。はい、あーん」

 ルージュは味見用に作ったフレンチトーストを優とレジェヴァロニーエに食べさせる。
 中まで染みこんだ卵液、ちょうどいい塩梅でふられた砂糖、パンの柔らかさに二人の顔がほころぶ。

「美味しいです」

「あぁ。上手くできたな。かぼちゃスープはどうだ」

 二人はスプーンでひとすくいして一口。

「優しい味がしますよ、レジェ」

「かぼちゃの味がはっきりしてて美味しいわ」

「ステーキはどうでしょう?」

 今度は三人同時に食べる。

「中もちゃんと焼けているし、問題ないわね」

「えぇ。味もばっちりです」

「二人とも堪能しているところ申し訳ないが……味見に時間をかけていると冷めるぞ」

「そうですね。早く持って行きましょう」

 ルージュが外に出て、冒険者たちに声をかける。

「みんな! お昼にするわよ!」

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